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薬と摂食嚥下障害

作成日:2019年6月10日

こんにちは!配食のふれ愛のコラム担当です!
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薬と摂食嚥下障害

高齢者は、複数の薬を同時に処方されていることがよくあります。多くの薬が主作用と副作用の両面を持ち、摂食嚥下機能に影響を及ぼすような副作用を持つ薬もあります。特に高齢者の場合は、加齢による代謝機能の変化などによって副作用が強く出ることもあります。

摂食嚥下機能に影響を及ぼす副作用が発現すると、誤嚥や窒息などの事故にもつながります。薬の種類や量などに処方の変更があった場合は特に注意が必要です。

薬の副作用とは

薬の副作用という言葉はよく耳にしますが、具体的にはどのようなことを意味するのでしょうか。

薬の副作用とは

薬は、特定の症状や疾患の改善を目的に服用します。期待する薬の効果を「主作用」といい、それ以外の望まない作用のことを「副作用」と呼びます。薬の副作用は誰にでも必ず起こるもではなく、症状も軽いものから命に関わるような重い場合まで個人差があります。

薬の副作用には3つのパターンがあります。

1.期待した効果が強く出過ぎた場合
2.期待した効果とは別の作用が出る場合
3.薬に対してアレルギー反応があらわれる場合

いずれの場合も症状が強く出た場合は、日常生活に支障をきたすだけでなく、生命に危険を及ぼす可能性もあります。

どうして副作用が起きるのか

副作用があらわれる要因はいくつかのことが考えられます。

1.薬の性質や作用機序によるもの
期待した作用とは別の部位で薬の作用が出ることがあります。例えば、鼻炎で鼻水を止めるための薬を飲んだ時、非常にのどが渇くことがあるのは比較的よくある副作用のひとつといえます。

2.薬の使い方によるもの
薬を服用する時間や間隔、量などを間違えた場合や、他の薬や食品(健康食品)などとの飲み合わせによっても薬の作用が増強・減弱することがあります。

3.体質によるもの
年齢や性別、体格、人種などによっても薬の作用が異なることがあります。また同じ人であっても、そのときの体調によって薬の作用が増強・減弱することがあります。

4.内臓機能の影響によるもの
肝臓や腎臓、消化器官など、疾病や加齢によって内臓機能に低下などがある場合は、同じ量の薬でも血液中の薬の濃度が変化することがあります。

副作用かな?と感じた時は

新しく薬が追加されたときや、薬の種類や量が変更になった場合は、薬についての説明をしっかり読み、特に注意して体調を観察しましょう。薬を服用して体調に変化を感じた場合は、早めに薬の処方を受けた医療機関に連絡しましょう。

副作用被害を防ぐには、お薬手帳と服薬記録

医療機関を受診するときにはいつも、お薬手帳を忘れないようにしましょう。異なる医療機関や薬局でも、医師・薬剤師が服薬についての情報を把握して、薬の重複などを防ぐことができます。

ずっと同じかかりつけの医師に薬を処方されている場合でも、薬の種類や量が変更になった場合は注意が必要です。

アレルギー体質の人や、以前に強い副作用を経験したことのある人などは、薬の変更に慣れるまでは服薬の記録をつけてみましょう。服薬の時間、その前後に食べた物や飲んだものなども記録しておくとよいでしょう。もし体調に変化が生じたときには、その時間と症状、症状が続いた時間や経過なども記録ができれば、医療機関にとっては重要な情報となります。

独立行政法人医薬品医療機器総合機構による、薬の副作用の救済制度の仕組みについての情報です。正しい方法で服用したにもかかわらず、重篤な副作用が起きた場合には、救済制度が利用できる場合があります。
http://www.pmda.go.jp/kenkouhigai_camp/index.html

食事に関わる副作用

薬の副作用のうち、食事に影響する副作用とはどのような症状でしょうか。比較的多くの薬に現れやすいといえる食欲不振、胃腸障害、下痢、便秘などは、直接食欲に影響を及ぼす可能性があります。

また眠気やふらつきは食事とは関係のない症状のようにも思えますが、食事の時間に強い眠気が出たり、眠ってしまって覚醒できないと、食べる機会を逃すことがあります。またふらつきやめまいによっても、食欲が減退してしまうことがあります。

薬剤性摂食嚥下障害と症状

薬の副作用として摂食嚥下機能に低下や障害があらわれることを「薬剤性摂食嚥下障害」と呼びます。薬の種類によって食べる機能のいろいろな段階に影響を及ぼします。

ある病院内で行われた調査では、薬剤性摂食嚥下障害の症状として最も多かったのが「食事中の眠気」でした。次いで「動作緩慢、誤嚥、むせ込み」が多く、その他に「口腔内乾燥、流延(よだれ)、飲み込めない、手のふるえ」などがありました。

1.覚醒レベルや注意力を低下させる
食事の時にしっかり覚醒していない場合は、食事を摂ることはできません。また食事に集中することができないと、いつもは普通の食事を摂っている人であっても、窒息や誤嚥のリスクは高くなります。

2.手指のふるえ(振戦)や身体の不随意運動(ジスキネジア)
手指がふるえることで箸やスプーンなどの食具が使いにくくなったり、液体の入ったコップなどを持つことが難しくなります。ジスキネジアとは、自分では止められない動き(不随意運動)をまとめた呼び方で、手足だけではなく口や目などに症状があらわれることもあります。

自分ではコントロールできない動きのため、誤嚥や窒息のリスクは非常に高まり、自分で食事を摂ることが難しくなる場合もあります。

3.だ液の分泌を低下させる
だ液の分泌が減ると、口の中で噛んだ食べ物を飲み込みやすい形状にまとめることができなくなるため、むせやすくなったり、飲み込みにくさを訴えることがあります。また口腔内の乾燥によって味を感じにくくなり、食事をおいしく食べることができなくなったりします。

義歯を使用している場合、特に上の義歯は、上あごの粘膜がだ液で潤っていることで吸着するため、義歯に不具合が生じることがあります。

4.嚥下反射を減弱させる
食物を咽頭へ移動させ、ごっくんと食道へ送り込む反射運動に影響があることで、誤嚥や窒息のリスクは非常に高まります

5.咀しゃくや嚥下に必要な筋肉の動きを低下させる
口の中に食物を取り込み、噛んで飲み込む一連の運動は、複雑な筋肉の動きと反射の連続によって行われています。口唇や頬、舌、頸部、食道などの筋肉の動きに影響があることで、誤嚥や窒息のリスクは非常に高まります。

摂食嚥下機能に影響を及ぼす可能性のある薬

現在、摂食嚥下機能に影響を及ぼすことが示唆されている薬はいくつかあります。その多くは向精神薬ですが、それ以外の薬も含まれます。

高齢者の場合、ケガや他の疾患による入院や手術といった環境の変化のために、一時的なせん妄・不穏症状がみられることは珍しくありませんが、その症状が強く治療に影響を及ぼすような場合には、抗精神病薬が処方されることがあります。

その副作用によって摂食嚥下障害が出現し、誤嚥性肺炎や栄養障害を引き起こすと、退院後の生活に大きな支障をきたすケースもあります。

薬の種類と嚥下機能に及ぼす影響

薬剤嚥下機能に及ぼす影響
抗精神病薬、抗不安薬
抗うつ薬
錐体外路症状(振戦、固縮、動作緩慢、不随意運動など)
精神活動や意識・注意レベルの低下、口腔内乾燥
咳・嚥下反射の低下
制吐剤
消化性潰瘍薬
錐体外路症状
抗コリン薬だ液分泌低下による口腔内乾燥、食道内圧低下
筋弛緩薬筋肉の弛緩、精神活動の低下
抗がん剤口腔内乾燥、味覚障害、食欲低下
抗てんかん薬
抗ヒスタミン薬
精神活動の低下
利尿薬
交感神経抑制薬
口腔内乾燥

薬剤性摂食嚥下障害の原因となる可能性のある薬剤

向精神薬のいくつかに、食事に影響する副作用が挙げられています。これらの副作用は必ず発現するものではありませんが、注意して体調観察が必要といえます。

・リスペリドン
【効果】中枢神経系に作用し、ドパミンやセロトニンの機能を調節します。不安・緊張・意欲低下などの改善をする薬です。

【食事に影響する副作用】アカシジア、便秘、振戦、流延(よだれ)、傾眠、筋肉のこわばりなど。これらの初期症状として、口唇周辺のジスキネジア、食欲不振、口渇、多飲、多尿などがあります。

・ハロペリドール
【効果】脳内のドパミンに対して抑制する作用があります。幻覚、妄想、不安、緊張、興奮などの症状を改善する薬です

【食事に影響する副作用】嚥下困難、便秘、下痢、振戦、流延、ジスキネジア、錐体外路症状、食欲不振、悪心、嘔吐、口周部や四肢の不随意運動、咽頭痛など。

・クエチアピン
【効果】脳内の種々の受容体(ドパミンやセロトニンなど)に作用して、強い不安や緊張、意欲低下などの改善をする薬です。

【食事に影響する副作用】嚥下困難、口渇、多飲、多尿、脱力感、倦怠感、筋肉のこわばりなど。

・チアプリド
【効果】中枢のドパミン受容体に作用して興奮や攻撃性の改善、脳梗塞後遺症に伴う攻撃的行為、精神興奮、徘徊、せん妄の改善や、パーキンソン症候群のジスキネジアの改善をする薬です。

【食事に影響する副作用】眠気、口渇、嚥下障害など。

・アルプラゾラム
【効果】脳のベンゾジアゼピン受容体に作用して不安や緊張を和らげます。心身症の身体症状や不安、緊張、抑うつ、睡眠障害の改善をする薬です。

【食事に影響する副作用】眠気、せん妄、呼吸抑制 食欲不振など。

・ジアゼパム
【効果】脳のベンゾジアゼピン受容体に作用して不安や緊張を和らげます。筋肉の緊張もやわらげます。神経症、うつ病、心身症における不安や緊張、抑うつ、また筋けいれんや筋緊張などを改善する薬です。

【食事に影響する副作用】眠気、振戦、嘔吐、嘔気、便秘、口渇、呼吸抑制など。

薬剤性摂食嚥下障害を防ぐには

服薬の開始から摂食嚥下障害が出現するまでの期間は、多くの場合1週間以内といわれています。このことから薬の追加や種類・量の変更などがあった場合、1週間以内は摂食嚥下障害の発現に注意し、食事の場面で少しでも変わった様子がある場合は早めに処方を受けた医療機関に相談しましょう。自己判断で薬の中止はせず、投薬・服薬調整は医師の指示に従いましょう。

摂食嚥下障害が認められた場合は、回復するまでの間、その状態に応じた食事形態の調整が必要な場合もあります。医師、歯科医師、管理栄養士など専門家の協力を得ましょう。

摂食嚥下障害による服薬の困難

食事だけではなく服薬に困難をきたすことで薬効にも影響を及ぼし、悪循環となる可能性があります。

薬の剤形

薬の形状は錠剤やカプセル、散剤、シロップなどの他にも、飲みやすく工夫された剤形が開発されていて、一般的にも使われ始めています。

・湿製錠;口腔内で飲水またはわずかな飲水のみで速やかに溶ける錠剤です。口腔内で速やかに崩壊し、錠剤をそのまま飲み込むことが苦手な人にも飲みやすいといえます。

・口腔内崩壊錠(OD錠):口腔内で速やかにだ液で溶ける錠剤です。水なしまたはわずかな飲水のみで、咀嚼の必要なく服用できます。その製造技術によって口腔内で溶けるスピード(数分~30秒程度)は異なります。

・口腔内崩壊フィルム(ODフィルム):フィルム状に成型することで製剤の表面積を大きく薄くし、だ液が迅速に製剤の内部まで湿潤して溶けます。水なしまたはわずかな飲水で服用することができます。

薬の剤形による服薬時の注意点

大きな錠剤やカプセルは、子供や高齢者でなくても飲みにくいと感じることがあります。高齢者の場合、飲み込みにくさを感じていなくても、飲み込んだ後に薬が口腔内や咽頭付近に残っていることがありますが、その自覚はないことがほとんどです。

・錠剤やカプセルを服用するときに気をつけること
飲みやすい大きさは7~8ミリといわれています。水と一緒に服用し、複数回の嚥下を確認した場合でも、舌下部や上顎、義歯(特に上顎の総義歯床)などに付着して残っていることがあります。薬を口に入れる前に、水を口に含んで、口腔内を十分に湿らせた状態にしてから服薬するようにしましょう。

また飲み込めたと思っても、喉の奥の喉頭蓋谷や梨状窩という部分に引っかかったような状態で残っていることもあります。飲み込んだ後にも十分に水分を摂取しましょう。薬の飲みにくさや、飲み込んだ後の残留感を感じる場合は、服薬の方法や薬の剤形について医師や薬剤師に相談しましょう。

・散剤を服用するときに気をつけること
散剤は口腔内の水分を吸収して固まり、歯と歯の間や、義歯と歯ぐきの間などのすき間に詰まってしまうことがあります。散剤を口に入れる前に、水を口に含んで、口腔内を十分に湿らせた状態にしてから十分な水で服薬するようにしましょう。

水分にむせ込みがある場合は、服薬用ゼリーを使用すると安全に飲み込めますが、薬の種類によっては、あらかじめ水に溶かしたり、服薬ゼリーの使用が好ましくないこともあります。処方を受ける医師や薬剤師に相談しましょう。

・OD錠を服用するときに気をつけること
OD錠では13~15ミリの大きさまでは飲みにくさを感じにくいという調査結果があります。錠剤やカプセルよりも飲みやすいという感応試験の結果がありますが、口腔内の乾燥がある場合は注意が必要です。

だ液に代わる水分を摂取しないと、OD錠がそのままの形で口腔内に残ったり、咽頭や喉頭蓋谷などに長期間残っていたケースが報告されています。錠剤のまま口腔内や咽頭、食道などに長期間にわたって残留することで、潰瘍を形成する要因となることがあります。

まとめ

薬の副作用として発現する摂食嚥下障害は、早期に気づき対処することで回復が期待できます。どのような薬であっても、処方されている薬の情報については、正しく理解しておくようにしましょう。

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