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高齢者の褥瘡(じょくそう)予防と栄養について

作成日:2019年4月10日

こんにちは!配食のふれ愛のコラム担当です!
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高齢者の褥瘡(じょくそう)予防と栄養について

褥瘡(床ずれ)は、悪条件が揃うと、たった数時間で組織の壊死が始まるともいわれます。患部が小さくても強い痛みがあったり、悪化すれば骨が露出するほど深くなることもあります。最悪の場合は、細菌感染によって生命に危険を及ぼすことさえあります。

できてしまった褥瘡を完治させることは、褥瘡を予防することよりも難しいといわれます。褥瘡を予防するためにできることは何でしょうか。

どうして褥瘡ができるのか

日本褥瘡学会は「身体に加わった外力は骨と皮膚表層の間の軟部組織の血流を低下、あるいは停止させる。この状況が一定時間持続されると組織は不可逆的な阻血性障害に陥り褥瘡となる」と定義しています。つまり、外から何らかの力が加わって、骨との間で圧迫された皮膚の組織が障害されてできるのが褥瘡です。

褥瘡になりやすい場所は

日本人の高齢者はやせている人が多いこともあり、骨突出部位に褥瘡ができやすいといえます。局所的に圧迫されることだけが原因ではなく、いろいろな要因が重なったときに褥瘡発生につながります。

高齢者の褥瘡予防と栄養

褥瘡というとおしりにできるイメージが強いかもしれませんが、日常的にとっている姿勢や、体格によっても発生しやすい部分は異なります。上記の図を参考に、同じ場所に負荷が大きくならないように配慮する必要があります。

褥瘡のできる要因

人は、じっと動かないでいるときも、眠っているときも、無意識のうちに体の向きを変えたり体重の移動をしたりしています。このような動作を体位変換といいます。この体位変換を自分でできない場合、圧迫された部分の血流が悪くなったり滞ることで、酸素や栄養が十分に供給されなくなります。これが褥瘡ができる最初の要因といえます。

さらに垂直方向の圧迫に加えて、皮膚の摩擦やずれなどの刺激がある場合は、褥瘡形成の危険は高まります。他にも栄養状態や皮膚の乾燥や湿潤、疾病や服薬との関係などの条件が加わることによって、褥瘡の悪化が促進されることがあります。

早期の対応で予防できる

皮膚に赤みがある程度の状態で適切な対処ができれば、悪化を防ぐことができます。皮膚にできた赤みが褥瘡であるかどうかを、簡単に見分けるための「指押し法」という方法があります。

指押し法のやり方は、皮膚の赤くなっている部分を指で3秒押して、その部分が白っぽくなるかどうかを見ます。白っぽくなった部分が指を離した後に赤く戻れば、その部分は反応性の充血であり褥瘡ではありません。押しても白っぽくならない場合は持続性の発赤であり、褥瘡である可能性が高いと判断できます。

この時点で体位変換や発赤部位の除圧、スキンケアなどの適切なケアを始めることで、悪化させずに治癒することが可能です。

褥瘡(じょくそう)予防:体位変換

日本褥瘡学会では体位変換を「ベッド、いすなどの支持体と接触しているために体重がかかって圧迫されている体の部位を、身体が向いている方向、挙頭の角度、身体の格好、姿勢などを変えることによって移動させることをいう」と定義しています。

体位変換は褥瘡の予防や治療のためだけに行うものではなく、圧迫力やずれ力の除去、関節の不動による苦痛の改善、体温の調節、内臓機能の補助などいろいろな目的があります。

体位変換と時間

褥瘡予防のための体位変換は、骨の突出部位の皮膚や組織に加わる外力をなくすこと、または少なくすることを目的として行います。体位変換を行ことによって外力が加わる時間を短くしたり、褥瘡部位に外力がかからないように調整します。

体位変換を行う時間の目安は「2時間ごと」といわれることが多いようですが、使用しているマットレスの種類や褥瘡リスク、全身状態などによって調節し、必ずしも2時間ごとにやらなくてはならないということではありません。頻回に体位変換を行うことが、かえって苦痛な場合もあります。その人に合った、適切な体位変換のスケジュールを検討しましょう。

圧力を分散する

褥瘡を予防するためには1点に圧力が集中することを避けなければなりません。また褥瘡になってしまった部位については圧力から解放することが必要なことがあります。

・体圧分散用具

体圧分散用具には、ベッド、マットレス、クッションなどの種類があります。その素材や機能はさまざまで、全身状態や目的に合ったものを選ぶことがとても大切です。褥瘡予防が目的の場合と褥瘡治癒が目的の場合では、適した商品が異なる場合もあります。

介護保険を利用してレンタルすることもできるので、担当のケアマネージャー、福祉用具専門相談員などに相談してみましょう。

スキンヘルスレントのホームページです。福祉用具のレンタルについて、ていねいに説明されていますので、ご参考にしてください。
https://healthrent.duskin.jp/index.html

・除圧

褥瘡形成のリスクが高い部位に、圧力が集中しないように体位変換をします。側臥位(横向き寝)または半側臥位にすると、背中や臀部の除圧が可能です。側臥位の場合は背中や臀部の圧力は軽減しますが、体の下になる肩や大転子部に集中して圧力がかからないように注意が必要です。

半側臥位の場合は、立体的な三角形のクッションなどを、背中側から体の下に差し込むように使うことで、約30度に傾いた姿勢を作ることができます。こうすることで大転子部や臀部、仙骨部が除圧できる姿勢を作ることができます。

福祉用具にはいろいろな形や大きさの除圧用のクッションなどがありますが、特別なものではなくても、座布団を折ったりバスタオルを丸めたりすることで代用もできます。

褥瘡(じょくそう)予防:スキンケア

褥瘡予防のためのスキンケアは、皮膚の健康を保ち、バリア機能を維持することによって褥瘡の発生や感染から守ることが目的です。

清潔の保持

全身の状態に問題がなければ、できるだけ入浴はするようにしましょう。入浴は血行を促進するため、褥瘡の予防にはとても有効です。お湯の温度は熱すぎないように注意しましょう。熱いお湯は必要な皮脂も流してしまうため、皮膚が乾燥しやすくなります。全身の入浴が難しいときは、手足をお湯につけて温めるだけでも末梢の血流が促進されるため有効です。

洗身の方法は、弱酸性の皮膚洗浄剤をよく泡立て皮膚に乗せます。洗浄剤の洗浄力を利用し、強くこすらずに優しく洗いましょう。洗い終わったら、洗浄剤が残らないようによく流し、皮膚を優しく押さえるように水分を拭きとります。水分を拭きとったらすぐに保湿剤を塗り、乾燥を防ぎましょう。

皮膚のバリア機能

皮膚にはもともと外界のさまざまな刺激から体を守るバリア機能が備わっています。このバリア機能が壊れることで、いろいろな弊害を招きます。

皮膚のバリア機能を担っているのは、皮膚表面の角質細胞です。角質細胞の主成分はケラチンというたんぱく質です。角質細胞の間をセラミドや遊離脂肪酸、コレステロールなどの細胞間脂質が満たしています。これらの働きによって皮膚のバリア機能が発揮されます。

全身の保湿

乾燥した皮膚は皮膚表面の角質細胞が乱れやすいため、バリア機能が弱まります。摩擦や圧迫などの刺激に対してトラブルが起きやすくなったり、細菌に感染するリスクも高まります。市販の保湿剤を使用するのも有効ですし、乾燥がひどい場合は受診をして適した保湿剤の処方を受けましょう。室内の湿度にも注意し、十分な水分摂取をすることも大切です。

できてしまったら、早めの受診も必要

褥瘡ができてしまった場合は、かかりつけの医師や訪問看護師に相談しましょう。間違った市販薬の使用は、かえって悪化させることがあります。

褥瘡の予防と治癒に大切な栄養素

栄養状態が良好である場合は、早期の対応によって褥瘡の悪化を防ぐことは比較的容易です。褥瘡を作らないためにも日頃の食事が大切ということになります。

次に挙げる栄養素は、褥瘡の予防・治療のために特に欠かせない栄養素です。必要に応じて栄養補助食品やサプリメントなどで補うことも効果的なことがあります。栄養補助食品やサプリメントを用いる場合は、かかりつけの医師に相談してみましょう。

また糖尿病、肝臓疾患、腎臓疾患他、治療中の疾患がある場合は、食事の内容についてはかかりつけの医師の指示に従いましょう。

エネルギー

体が組織を修復しようとするときには、多くのエネルギーを必要とします。体を維持するために必要なエネルギーに、修復のためのエネルギーをプラスする必要があるということです。もともとの体重や疾病などを考慮する必要がありますが、標準体重であれば、予防では体重1Kgあたり25~30Kcal、治療の場合は体重1Kgあたり30~40Kcalのエネルギー摂取が目安です。

たんぱく質

たんぱく質は皮膚の再生には不可欠な栄養素です。しかしたんぱく質が十分に摂取されていても、他の栄養素が不足していたり、腎機能に低下があるような場合は十分なたんぱく質合成が進みません。個々の状態に応じて、食事のバランスを整えることが大切です。特に疾病のない場合は、体重1Kgあたり1.5~2.0gがたんぱく質摂取量の目安です

ビタミンC

ビタミンCは骨や腱など結合タンパク質であるコラーゲンの生成に欠かせません。ビタミンCの欠乏によりコラーゲンの合成が抑制されてしまうと、創傷の回復にも悪影響を及ぼします。しかし摂食嚥下機能に低下がある高齢者の場合、生の野菜や果物などが食べにくいことも多く、潜在的に不足している可能性もあります。

鉄は、たんぱく質やビタミンCとともにコラーゲンの生成に関与し、創傷の予防と治癒には欠かせません。しかし加齢に伴って、赤血球の産生能力や赤血球の作るために必要なホルモンの感受性が低下するため、高齢者の貧血は珍しいことではありません。褥瘡のリスクにかかわらず、日頃から意識して摂りたい栄養素です。

亜鉛

亜鉛はたんぱく質の合成に必要な栄養素です。また、皮膚状態と味覚にも大きく関与しています。亜鉛の不足により褥瘡の形成や悪化が促進されたり、味覚が障害されることで慢性的な食欲不振から低栄養となる可能性もあります。

通常の食事では大きく不足する可能性は低い栄養素ですが、高齢者では摂取量が少ないというデータもあります。また、インスタント食品や加工食品に偏った食生活で不足しやすい栄養素です。

銅もコラーゲンの生成に関与します。褥瘡が治癒する過程で銅が不足すると、コラーゲンの合成能が低下するだけでなく、コラーゲンの強度を保つ構造が弱まり、治癒が遅れます。

褥瘡の予防と改善に必要な栄養素

栄養素名 1日あたりの必要量 役割 多く含まれる食品
エネルギー※1 予防:25~30 Kcal/Kg
治療:30~40 Kcal/Kg
たんぱく質の異化(分解)防止 砂糖、穀類、いも類など
たんぱく質※1 1.5~2.0 g/Kg 組織再生 肉、魚、卵、乳製品など
ビタミンC 予防:100 mg
治療:150~500 mg
コラーゲン合成 果物、野菜など
15 mg コラーゲンやヘモグロビンの合成 レバー、あさり、海苔など
亜鉛 15 mg 細胞の機能維持 レバー、ウナギなど
1.3~2.5mg コラーゲンの生成と架橋形成 レバー、牡蠣、ココアなど
※1.生活活動強度、体格や疾患、その他の条件により調整

褥瘡の予防と治癒のために、さらに付加したい栄養素

褥瘡だけではなく大きな創傷の治療や手術後など、体が組織を回復するときに特に必要な栄養素といえます。バランスの良い食事に上乗せして摂りたい栄養素といえます。

アルギニン

アルギニンはアミノ酸の1種で、創傷の治癒を促進し血管を拡張して血流を促進する作用があります。体内で合成できるので大きく不足することはないと考えられますが、大きな創傷や体力の消耗が激しいときなどは一時的に不足する可能性があります。

また、高齢者では体内での合成量が減少している可能性があるため、炎症を伴う創傷の場合は積極的に摂りたい栄養素といえます。

コラーゲン

コラーゲンを加水分解したコラーゲンペプチドを摂取すると、その一部はアミノ酸に分解されて吸収され、新たなコラーゲン合成の材料となります。一方、アミノ酸に分解されずにジペプチドという形で消化吸収されるものもあります。

このジペプチドは皮膚や骨、軟骨細胞などを刺激して、細胞機能を活性化します。特に皮膚では線維芽細胞を刺激することで、皮膚の再生つまり創傷の治癒が促進されます。

褥瘡(じょくそう)予防:まとめ

褥瘡の予防には日々のスキンケアとバランスの良い食事が大切です。しかし高齢者は加齢による影響によって、ちょっとしたことが褥瘡の要因となってしまうことがあります。全身状態と合わせて皮膚状態も観察し、皮膚の変化を早期に発見することが予防の第一歩です。

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