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HOME > コラム一覧 > 在宅介護で不安の多い栄養ケアのサポート基礎知識 / 更新日:2019年6月12日
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在宅介護で不安の多い栄養ケアのサポート基礎知識

在宅介護で不安の多い栄養ケアのサポート基礎知識

在宅介護で不安の多い栄養ケア。「栄養ケアを行いましょう」と言葉で言うのは簡単ですが、同じ栄養素を体へ取り込むとしても、介護する人とされる人の状態や環境によって行うことが変わってきます。

また、家族も本人もいつも同じ体調や気分が続くわけではありませんから、先週うまくいったことが今日もうまくいくとは限りません。

このような事実を理解した上で、在宅介護での栄養ケアをどのように行えば良いのか、無理なくできるサポートの基礎知識を紹介します。

在宅介護の栄養ケアは発想を変えましょう

在宅介護の栄養ケアは、病院での入院中とは違ってきます。介助する人の経験値も違いますし、介護する環境や設備も違います。

当然ですが、口に入れる介護食を作る場所や材料の手配も同じではありません。ですから、入院中に見ていた栄養ケアをそのまま続けようとするのではなく、180度発想を変えてもらいたいと思います。

できることできないことを整理

最初に注意していただきたいことは、在宅介護での栄養ケアと入院中の栄養ケアは同じではないことを理解してください。

入院中は、栄養不足を補うために栄養士さんがメニューを考え、専門の人が食べやすいように調理し、食事の介助も慣れている人が行います。

いっぽう、在宅介護ではこれらすべてを行うのが家族になることが多いですね。ということは、一般的な家族構成を考えると、どの分野の専門家でもなければ予備知識がある訳でもないということです。この状態が世間一般の状態です。

そんな状態の中、介護に大切だとはわかっていても栄養ケアだけを考えることはできません。

・暮らしを続けるための買い物へいく
・宅配便が届く
・お子さんのご飯の支度も必要
・洗濯もやらないと
・体温を計って、着替えをしてもらって
・そろそろトイレの時間かな

病院では専門家がひとつひとつやっていたことを、在宅では家族が全部やることになります。そうすると「やらなきゃいけない」ことの多さに圧倒され、身動きがとれなくなるか完璧な介護を目指し息苦しくなる方もいらっしゃいます。

ですから、在宅介護で栄養ケアを考えるとき、最初に行っていただきたいことは、「家族が介護でできること、できないこと」を整理することです。

できることはやりましょう。できないことは介護ヘルパーさんにお願いすることを検討しましょう。

最初から全て出来なくてもいいのです。無理せず続けられることが大切です。

食べてみようという気持ちを優先

栄養ケアを考えた食事を考えると、ついつい「ビタミンが」「タンパク質が」と栄養素の量や食材に意識がいってしまいます。

これらのことは栄養ケアには大切なことなのですが、その前にもっと大切なことがあります。それはご本人が「食べてみよう」と思われる食事であることです。

いくら成分として栄養素が整っていても、口へ運ばない、食べない食事は栄養を取れる食事ではありません。

本人が慣れ親しんだ料理や味付けが最初は必要です。

作ってあげようという気持ちも大切

本人の食事の好みを知っているのは家族です。ですから食事を作る家族が無理をして作ることに疲れるメニューよりも、「いつも喜んでいたから作ってあげたい」と思える食事が大切です。

先ほど出てきました「食べてみよう」と思うことに関連していますが、食事は作る側の気持ちも伝わるものなのですから、無理したものより家族が作りやすいから「作ってあげよう」と思えることが重要です。

手間なしだから続けられる

在宅での栄養ケアを続けるためには、作りやすい食事であることが大切です。栄養成分だけを見ると、特別な野菜や果物を選びたくなるかもしれませんが、

・近くのスーパーで売っていない食材
・近くに売っているけれど高価すぎる
・注文すると数日かかる

こういった食材を選ぶと、パッと簡単に料理ができません。身近にある材料を使いながら、簡単に料理できることを意識してください。

食事作り以外も考えていることを理解する

介護を行う家族は、食事だけを考えて暮らしていることはありません。

・入浴の介助
・トイレの介助
・着替えの介助
・洗濯
・掃除

そして、場合によっては
・ベッドでの寝返りサポート
・歯磨きなどのサポート

・お子さんの食事の準備
・塾への送り迎え
・明日の仕事の準備

こういったことも同時に行っているはずです。

ですから、この事実をまずは受け入れましょう。これは介護や介助を手抜きしているのではありません。全部必要だからやっているのです。

そしてこういった事実を受け入れた上で、食事は手間をかけずに作れるメニューにするのが良いでしょう。

・下ごしらえはいらない
・簡単に作れる
・冷凍食品を併用できる
・レトルト食品も使える

このような簡単にできるメニューを訪問栄養食事指導の方に教えてもらうと、家族の負担も少なくなっていきます。

また最近なら、栄養バランスも考えられた介護食の宅配弁当などもありますから、お家で作る食事とお弁当をバランスよく取り入れることで、より簡単に栄養ケアを続けることができるでしょう。

使える技術こそ正解

在宅で介護食を作るとき、間違えやすいのが調理技術や調理器具です。

普段から料理していた方が調理する場合は問題ありませんが、介護が始まったときから調理を始めた方の場合、うまく切ったり煮たりすることができません。

まずは家族の料理の力を冷静に判断しましょう。その上で簡単に調理できる機器

・電子レンジ
・フードプロセッサー
・IH

などの導入を考えてみてください。

いくら良い調理器具があっても、うまく使えないのなら意味がありません。食事をつくる方の力量にあわせた器具を用意するようにしておきましょう。

同じものが大きなよろこび

栄養ケアを考えたとき、忘れがちなのが家族と本人の食事が同じではないことです。

ご本人としては家族と同じものが食べたいという気持ちがあります。自分だけが違うものを食べていると思うことで、家族はそんな気持ちは一切なくても「疎外感」「あきらめ感」が生まれることがあります。

全てのメニューを同じにすることは簡単ではありませんから、一品だけでもかまいませんから同じメニューを取り入れるようにしましょう。

きっとご本人も家族と一緒という気持ちから、自分から進んで「食べたい」という気分になってくださることでしょう。

レシピと材料のポイント

在宅介護で食事のメニューを考えるとき、病院と同じ献立表を使うことは再現しにくいものです。

まずはお家で出来ることから始めましょう。

レシピ作りのポイントとは

ご家庭で作る食事のレシピには、次のポイントに注意することでかなり楽になってきます。

・作る分量は家族構成やこれまでの食生活から決めましょう
・ひとり分だけを作るのは大変、最低でも2人分の分量がおすすめ
・複雑な調味料の計算はなくしましょう
・グラムで計るよりも目安量を優先しましょう
・近くで簡単に買える食材を選びましょう
・使い回せるメニューや食材がベストです
・ヘルパーさんに調理をお願いする場合には、時間内に終われるメニューを検討しましょう
・保存しやすい料理はおすすめです

これらのポイントを見ていただくとわかりますが、総じて言えることは

「手間がかからない」
「使い回せる」
「作り置きできる」

を目指すことが栄養ケアを無理なく続けられる秘訣です。
ぜひ栄養管理士さんなどに、こういったポイントを満たすことができるレシピを教えてもらいましょう。

材料は買いやすいもの

これは本当に大切です。わざわざ車に乗って1時間、2時間移動しないと買えないものでは継続して使うことができません。

ですからレシピを考えるときには次のポイントを意識してもらいたいと思います。

(1)冷蔵庫にあるものを使う

いつも冷蔵庫に入っているものは、買いやすい材料だということです。簡単レシピ、柔軟に使えるレシピの材料になる可能性があります。

(2)自宅から病院までの間で買えるものを使う

ちょっとした特別な材料を使いたいこともあります。こういった場合、わざわざ買い物へ出掛けるところで見つけるのではなく、自宅と病院の往復に使う経路上に売っているお店がないか確認しましょう。
これなら、わざわざ感がありません。ついでに買えますので負担も減ります。

(3)近くのスーパー

食事は毎日のことですから、買い物へ行きやすい近くのスーパーで売っているものを材料にできないか検討しましょう。
また、近くにスーパーがない場合なら、食材の宅配サービスの利用を検討することができます。

介護食を作る流れ

介護食には段階があります。いつまでも同じ段階の食事が続けられれば良いのですが、筋力の低下や口腔内の健康状態によって調理の方法も変わってきます。

ユニバーサルデザインフードの区分や目安を参考にすることで、食べやすい食事を作ることができます。また、少しずつ噛む力や飲み込む力が低下していくことが多いので、本人の食べ方を見ておきましょう。

区分 容易にかめる 歯ぐきでつぶせる 舌でつぶせる かまなくてよい
かむ力の目安 かたいものや大きいものはやや食べづらい かたいものや大きいものは食べづらい 細かくてやわらかければ食べられる 固形物は小さくても食べづらい
飲み込む力の目安 普通に飲み込める ものによっては飲み込みづらいことがある 水やお茶が飲み込みづらいことがある 水やお茶が飲み込みづらい
かたさの目安 ごはん ごはん~やわらかごはん やわらかごはん~全がゆ 全がゆ ペーストがゆ
さかな 焼き魚 煮魚 魚のほぐし煮(とろみあんかけ) 白身魚のうらごし
たまご 厚焼き卵 だし巻き卵 スクランブルエッグ やわらかい茶碗蒸し(具なし)

引用:日本介護食品協議会 「ユニバーサルデザインフードの選び方(区分表)」
URL:https://www.udf.jp/outline/udf.html

食事の前には準備運動

在宅介護での栄養ケアにおいて気をつけておきたいことがあります。それは、介護食が必要になったご本人は、少なからず「のみ込む力」が低下されています。

そのためおいしく食べようとしていても、一口目にむせてしまい苦しい経験をされることがあります。こういったことが続くと、誰でも「食べたくないな」と感じます。そして食べないようになり、栄養不足のきっかけになることもあります。

ですから、食事の前には簡単な準備運動をするようにしましょう。

深呼吸や口のまわり、のど周辺の筋肉をリラックスさせ動きやすくする運動を行うことで、むせることを予防できます。

どのような準備運動が良いのかは、ご本人の体の状態にもよりますので、理学療法士など専門家に教えてもらっておきましょう。

ちょっとしたことですが、こういった準備運動を行うことで、くるしい思いが減り、おいしく楽しく食事を楽しんでもらえるでしょう。

食事介助のポイント

おいしく作った食事でも、介助がうまくいかないと楽しんで食べてもらえないことがあります。

そうならないためにも、次の3つのポイントを知っておいてください。

環境に気をつけましょう

介護や介助が必要にならないと気がつきませんが、食べ物をのみ込むことはかなりの筋力と集中力が必要なのです。

若い方でも注意が散漫になっているとき、突然むせてしまうこともあります。

ですから食事介助を行うときには、ご本人に食事へ集中してもらえるよう、少し静かな環境を用意しましょう。

姿勢に注意しましょう

食事をするときには、姿勢に気をつけましょう。

ベッドでの食事の場合、できるだけ寝たままではなく、軽くベッドごと起きあがってもらうのが理想です。

起きあがってもらった方が、気管に逆流する可能性が減りますので、むせることが減ります。

椅子に座って食事ができる方の場合、背もたれにクッションなどを入れて、食道がまっすぐになるように意識しましょう。

また、食べ物や飲み物を介助するときには、上を向いてもらうのは避けましょう。顎が上がると気管へ入ってしまう可能性が上がります。

まとめ

在宅介護における栄養ケアは大切です。そのため特別な介護食を作ったり、栄養価の高い食材を手に入れないといけないと思ってしまう方もいらっしゃることでしょう。

しかし、栄養ケアを継続していくためには、特別なことよりも無理なく続けられることの方が大切です。

お家にある食材を使って作ること。宅配弁当を利用すること。簡単に手間のかからない方法を利用しながら、介護の負担を少なくすることを考えましょう。

そうすることで、気持ちも心もゆったりとし、家族も本人も穏やかな気持ちで暮らしていけるでしょう。

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