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こどもの日の柏餅やちまき 料理に植物の葉を使う理由とおいしいレシピ

作成日:2020年5月13日

こんにちは!配食のふれ愛のコラム担当です!
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こどもの日の柏餅やちまき 料理に植物の葉を使う理由とおいしいレシピ

桜餅に笹団子、柏餅に棒葉味噌…季節を問わず、植物の葉で包む料理やお菓子は様々なものがあります。これは日本ばかりではなく、竹の皮で包んで蒸しあげた中華粽、また、バノンというフランスのチーズは栗の葉で包まれています。今回は、世界で見られる植物に包まれた料理の秘密と、自宅でも手軽に作ることができる料理をご紹介します。

料理を包む植物の種類と理由

桜餅の周りを包む塩漬けの葉の香り…春の訪れを感じますね。桜餅に使われている葉は、主にオオシマザクラの葉を一年かけて塩漬けにしたものです。
塩漬けにすることで生まれるクマリンという成分がこの香りの正体で、干し草やパセリ、明日葉など、多くの植物や柑橘系の果物に含まれています。殺菌作用があるほか、むくみ改善、抗血液凝固作用、血栓予防に効果的です。

鯛の桜蒸し

鯛の桜蒸し

桜がほころぶ頃の京都でよく作られる椀物です。関西風桜餅に利用する、蒸したもち米を乾燥して挽き割りにした道明寺粉という粉と甘鯛を桜の葉で包んで蒸し、銀餡を回しかけた、春になると筆者も必ず作る春の味です。今回は手に入りやすい鯛でご紹介します。

【材料】   2人分

鯛(切り身)     2切れ

塩         適宜

桜の葉の塩漬け   2枚

道明寺粉      60g

熱湯        80cc

出汁        360cc
(かつお昆布味)

塩         ひとつまみ

しょうゆ      少々

みりん       小さじ1

水溶き片栗粉    大さじ1

【作り方】

①鯛の切り身はうろこや小骨を取り除き、塩適宜を振って冷蔵庫に入れておく。

(身が厚い場合は身側の中央から切り開くように1本切れ目を入れておく。)

②ボールに道明寺粉を入れ、熱湯を回しかけてざっと混ぜ、ラップをして30分程度置いて戻しておく。

③桜の葉は水を通し、塩を抜いておく。

④道明寺粉が水分をしっかりと吸って柔らかく戻れば、二つに分けて丸め、鯛の切り身を乗せて握り寿司のように軽く握ってまとめ、(3)の桜の葉で包む。

⑤(4)を皿にのせ、蒸気が上がった蒸し器で鯛に火が通るまで蒸す。(電子レンジに蒸し機能があればそちらを利用しても大丈夫です。)

⑥鍋に出汁を沸かし、塩、しょうゆ、みりんで味を調え、水溶き片栗粉でとろみをつける。

⑦(5)を器に盛り、(6)の餡を回しかける。

※桜の花の塩漬けが手に入れば、水につけて塩抜きし、花びらをほぐしたものを道明寺粉に混ぜるとさらに味や香りにアクセントがつきます。

こどもの日のおやつと言えば、柏餅ですね。柏の葉にも独特の芳香があり、それも美味しさの一つ、思い出の香りになっていませんか?
柏の葉にはオイゲノールという香り成分が含まれており、殺菌作用、感染症の予防、胃腸機能の改善などに役立つといわれています。

また、秋に葉を落として春に新芽を出す多くの植物とは違い、柏の木は春に新芽が出揃ったあとに、昨年の古い葉を落とします。そのことから、常に葉(子孫)が絶えないため、縁起が良い植物とされています。
そのため、こどもの日に柏餅をいただくことで、子孫繁栄を願ったとされています。

柏餅

子どもの日前後のひとときに食べることができる柏餅、素朴な味で香りがよく、人気がありますね。この柏餅、意外に簡単に作ることができます。

【材料】    10個分

上新粉      250g

砂糖       30g

熱湯       250cc

餡        400g

柏の葉      10枚

【作り方】

①柏の葉は、塩漬けのものを利用する場合はあらかじめ水につけて塩抜きする。乾燥した柏の葉、あるいは生のかしわの葉が入手できた場合は、10分程度茹でてから水にさらし、あく抜きをしてから水気をふき取っておく。

②餡を10等分にし、丸めておく。

③ボールに上新粉を入れ、熱湯を回しかけて軽くこねる。(最初は熱いので太めの箸などを利用するとよい)。耐熱性の皿に薄めの円盤状に入れる。ふんわりとラップをかけ、600Wで5分程度加熱する。(蒸し器で蒸してもよいです。)

④(3)を取り出して砂糖を加え、水をつけたすりこ木などで突きながらよくこねる。触れるようになれば10等分して丸める。

⑤楕円形に伸ばし、(2)の餡を包み、柏の葉でくるむ。

※柏は本来、東日本以北に生育する植物です。西日本では、柏の代わりにサンキライという丸みのある葉で包んだものが多くみられました。

笹の葉で巻いた食べもの、といえば、子どもの日のちまきを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか?ちまきの起原は中国にあり、政治家で詩人であった屈原(くつげん)という人物が5月5日に他界し、供え物として作られるようになったことに由来します。
その後、奈良時代に日本に伝えられ、各地で姿を変えていきました。笹団子、あくまき、なたまきと、全国各地に笹を利用した料理が受け継がれています。
笹には、他の植物同様抗菌作用があることが知られています。

熊笹の薬理作用については、蓼科笹類植物園様のサイトにいろいろと掲載されています。ご参照ください。
https://tateshina-sasa.com/about/

ちまき

【材料】     5本分

上新粉      150g

白玉粉      15g

砂糖       40g

水        150cc

笹の葉      10枚

イグサ      5本

【作り方】

①笹の葉は乾燥したものは水に戻し、10分程度熱湯で茹でて水にさらし、水気をきっておく。塩漬けのものは水につけて塩を抜く。生のものが手に入った場合は、10分程度茹でてアクを抜き、水にさらしておく。イグサは熱湯をくぐらせ、柔らかくしておく。

②ボールに白玉粉と水100ccを入れて塊をほぐしておく。その中に上新粉、砂糖、残りの水を入れ、よく混ぜる。このとき生地はとろとろと滑らかな状態になります。

③(2)の生地を、耐熱性の容器に入れ、電子レンジまたは蒸し器で加熱し、火が通ったら取り出してすりこ木などで突きながらよく練る。

④(3)の生地を等分し細長い円錐形にまとめる。

⑤笹の葉を二枚横にずらして並べ、上の一枚に(4)の団子を乗せ、くるくると丸める。

⑥団子の端の部分あたりをイグサで縛り、下の部分を上に折り返す。折り返した部分からイグサを巻き上げ、軸のところで縛る。

⑦すべて巻き終えたら蒸し器で10分程度蒸す。

朴の木(ホオノキ)

樹高30mにもなるモクレン科の朴の木の葉は一枚が長さ30cmほどにもなります。この葉には、食中毒の原因菌、黄色ブドウ球菌に対する抗菌作用があることが確認されています。
朴の木の樹皮にはマグノール、マグノクラリンといった成分が含まれ、抗ストレス潰瘍、胃粘液分泌抑制効果が知られ、漢方薬の原料としても利用されています。
信州地方では、この朴葉を利用した朴葉巻きという餅菓子が作られています。米の粉と少々の小麦粉を練った餅で餡をつつみ、朴葉で包み、蒸したものです。朴葉の殺菌作用とともに、その大きな葉は包装材として上手に利用されているのですね。

また、朴葉は熱に強いことから、同じく信州地方ではねぎやキノコ類を混ぜた味噌をこの朴葉に乗せて焼いて食べる、朴葉味噌が有名です。山を散策したときなど、朴葉が手に入ったら、ぜひ試してみてくださいね。

朴葉味噌

【材料】   作りやすい分量

朴葉       1枚
(乾燥したもの)

味噌       60g

砂糖       20g

みりん      大さじ1

ねぎ       2本

白ごま      適宜

酒        適宜

【作り方】

下準備;朴葉を木から取ってきたときはあらかじめきれいに洗い、乾燥させておく。

①朴葉の表面を、酒をしみこませたキッチンペーパーできれいに拭く。

②ねぎは小口に切る。

③ボールに味噌、砂糖、みりんを入れ、よく擦りまぜ、マヨネーズ程度の固さに整え、(2)のねぎを混ぜる。

④朴葉の上に(3)の味噌を乗せ、焼き網に乗せて炭火またはガスの弱火にかけてじっくりと焼く。

※そのままごはんの友として、また、焼いた肉や野菜につけて食べるとおいしいです。

柿の葉・椿の葉など

柿の葉には防腐作用があるタンニンが豊富に含まれています。山深い奈良は吉野の里で冷蔵庫などがない時代に寿司を包み、防腐作用、乾燥予防を期待したのですね。
現在、奈良県は柿の生産量日本一であるとともに、柿の葉寿司は吉野地方の名産品として親しまれています。

また、常緑で冬になると美しい花を咲かせる椿は魔除けとなると信じられていました。この椿を上下に使用して餅を包んだ椿餅は古来より作られ、かの紫式部も愛したということです。
このほかにも、植物には自身を守るために身につけたさまざまな殺菌、防腐成分があります。詳しくはエーザイ株式会社 内藤記念くすりの博物館様のホームページに紹介されています。ご参照ください。
http://www.eisai.co.jp/museum/herb/familiar/insecticide.html

葉以外の利用方法と効能

発酵食品を作る際に利用する

植物には多くの菌類が付着しています。腐敗したり、私たちが誤って口にすると食中毒を起こしたりするものもありますが、中には私たちの健康に欠かせない菌もあります。
私たち日本人にはとても大切な食文化の一つ、発酵。これらの多くは植物に付着している菌を利用して作られています。

味噌やしょうゆ、日本酒、あま酒の原料となる麹菌は稲穂に、納豆をつくるために利用する納豆菌は稲わらに、ぬか漬けを作る植物性乳酸菌は、主にキャベツなどのアブラナ科の植物に付着し共生しています。
私たちの先祖は、これらの植物を上手に利用していました。稲わらに茹でた大豆を包んで運んでいるうちに納豆ができたという話は有名ですね。
スーパーで最近目にすることができるようになったテンペは、インドネシアでは一般的な発酵食品です。これは茹でた大豆をハイビスカスやバナナの葉にくるみ、その葉につくテンペ菌の力を利用してつくられています。

包装材として

昭和30年代以前にお生まれの方は、「経木(へぎ)」をご存じだと思います。まるで紙のように薄い松の木の板ですが、精肉店でも鮮魚店でも、購入した食材はこの経木に包んで手渡されたということです。経木はドリップを適度に吸収し、松の殺菌成分で腐敗を遅らせる効果があります。
経木は植物の幹であり、葉ではないですが、幹だからこその吸収力なのですね。残念ながら、現在は経木を作る職人さんの高齢化、大量生産の難しさなどから、生産はとても減っているということです。

他の料理と上手に組み合わせて

肉類、魚類に香りや味を移し、防腐効果を利用して

今回ご紹介した鯛の桜蒸し以外は、おやつのメニューになります。桜や笹、柏の葉が手に入ったら、鶏肉や白身の魚を包んで蒸したり電子レンジで加熱したりして、香りを移してもおいしいものです。
笹の葉などが残った時にはおにぎりを包んだり、バランのように包丁を入れて料理のあしらいに使用したりしても良いですね。

栄養バランスには気を付けて

植物の葉の香りをつけた料理は香り高く、食欲をそそりますね。しかし、残念ながらこれだけで栄養バランスを整えることは難しいものです。
日々の栄養バランスを整えるためにも、時には配食のふれ愛のお弁当を注文してみませんか?

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植物の葉を使って料理しよう

食品トレーやラップフィルムなどが発明されていない時代、私たちの先祖は植物の葉が持つ殺菌作用や防腐作用などを体感して、利用してきたのですね。これらは自然由来のもので土に戻ることができ、今のようなプラスチックごみの問題もありませんでした。

手に入れば笹や桜、柏など、植物の葉を利用して料理を作ってみませんか?今回ご紹介した戻し方や利用方法は、日本各地で使われているさまざまな用途の、ほんの一部です。私たちの先輩である高齢者様は、さまざまな使い方をご存じだと思いますので、いろいろと教えてもらいながら料理をしたり、食卓を囲んだりするのもよいですね。

香りは記憶を呼び起こすことができます。自宅で過ごすひととき、懐かしい記憶をさかのぼり、笑顔を見ることができるとうれしいですね。

この記事の作成者:真鍋 実穂(調理師)
この記事の提供元:シルバーライフ

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