
胃腸の調子が悪い、食欲がないなどの症状に悩まされている高齢者の方は少なくありません。食欲がないからと偏った食事を続けていると、栄養素が不足して治りも遅くなってしまいます。胃腸の調子が悪い時にとりたい食材や気を付けたいポイントについてご紹介します。
目次
◆胃腸の調子が悪くなる原因は?
胃がもたれる、食欲がない、下痢や便秘になるなど、胃腸の調子が優れない原因は風邪の他には加齢やストレスが主な要因として考えられます。心身にストレスがかかると交感神経が優位になります。交感神経が優位に働くと消化がスムーズに行われず、消化器官に負担がかかってしまいます。また、加齢により胃の働きが低下して消化に時間がかかるため胃がもたれたり、便秘がちになるなどの症状が現れることもあります。胃腸の不調を改善するためには症状に合わせたバランスのいい食事をとることが大切です。
◆胃腸にやさしい食事とは
胃腸の調子が悪いと食欲がわかずに食べる量が減る、おかゆなど食べやすいものだけを食べるなど、偏った食事になりがちです。もちろん胃腸を休めることも大切ですが、内臓の機能を修復するためには体を作るもとになるたんぱく質を摂取することも大切です。体を作る栄養素が不足していると治りも遅くなってしまいます。胃腸の調子を改善するポイントは症状に合わせて無理のない範囲でバランスよく食べること。胃腸にやさしい食事のポイントをご紹介します。
・温かいものを食べる
冷たい料理は胃に刺激を与え、負担をかけてしまいます。暑い季節は冷たいものを食べたくなりますが、ザルうどんよりもかけうどん、生野菜のサラダよりも温野菜サラダを選ぶと効果的です。胃の調子が良くない時は温かい料理を食べることを心がけましょう。熱すぎるものは逆に胃に負担をかけてしまうので注意してください。
・消化にいいものを食べる
消化に時間がかかる食べ物は胃に負担をかけてしまいます。やわらかく、消化がいいもものを選びましょう。豆腐や卵、白身魚などは消化がよく栄養もとることができます。生野菜は消化に時間がかかるので、やわらかくゆでる、炒めるなど加熱することで消化を良くすることができます。
・よく噛んで食べる
よく噛まずに飲み込むと胃に負担をかけてしまいます。ゆっくりとよく噛んで食べることを心がけましょう。
・3食決まった時間に食事をする
3食決まった時間に食事をとることで消化液の分泌も規則正しくなり、胃の負担が軽減されます。
◆胃腸の改善に効果的な栄養素
・たんぱく質
たんぱく質は体を作るもとになる成分です。内臓の機能を修復するためにも良質なたんぱく質を摂取しましょう。胃腸の調子が悪い時には、豆腐や白身魚、乳製品などから摂取するのがおすすめです。
・ビタミンA
ビタミンAは目の機能、皮膚や粘膜の健康を保つために必要なビタミンです。
粘膜のダメージを回復する効果や免疫力を高める効果があります。強い抗酸化作用を持ち、肌荒れ予防やアンチエイジングにも効果があると言われています。脂溶性のビタミンなので油と一緒にとることで吸収率がアップします。
・ビタミンE
強い抗酸化作用で体をストレスから守り、老化を抑える効果があります。不飽和脂肪酸の酸化を防ぎシミやしわの増加を防ぐ、毛細血管を広げて血行を改善する、悪玉コレステロールの酸化を防止して動脈硬化を予防するなどの効果が期待できます。
・ビタミンC
ビタミンCはコラーゲンの合成にかかわるビタミンで、ストレスから体を守る働きをします。活性酸素を消去する抗酸化作用があり、動脈硬化の予防にも効果があります。また、皮膚のシミやしわを防ぎ、傷や炎症の治りをよくする効果があります。水溶性のビタミンで熱に弱い性質があるので、生で食べるとより効果的に摂取できます。
・ビタミンU
別名キャベジンとも呼ばれるビタミン様物質です。胃腸の粘膜を丈夫にし、傷ついた組織を治す働きがあります。また、胃酸の過剰な分泌を抑える働きがあり、胃潰瘍や十二指腸潰瘍の予防や治療に有効とされています。
◆胃腸の不調に効く食材
・主食
ごはんは体調に合わせて柔らかめに炊くと食べやすく、消化もよくなります。おかゆや雑炊にしても。また、うどんやそうめんなども消化が早いので胃腸に負担をかけません。かけうどんやにゅうめんなど温かい料理にして食べるのがおすすめです。
・野菜
ビタミンA・C・Eが含まれてるかぼちゃやじゃがいも、にんじん、ほうれん草などの青菜類がおすすめです。ビタミンUが含まれているキャベツもぜひ食べたい野菜です。
また、大根には胃腸の働きを整える消化酵素が含まれています。大根おろしにして生で食べると効果的です。
便秘の時には食物繊維の多い、ごぼうやれんこんなどが効果的に働きますが、胃の調子が悪い時には消化に時間がかかり、胃に負担をかけてしまうので控えましょう。
・魚、肉
魚では、脂の少ないタラなどの白身魚を選びましょう。胃腸が弱っている場合、刺身は避ける方がよいでしょう。お肉も同様に脂が多いバラ肉などは避け、脂の少ない鶏もも肉や鶏ささみなどを選びましょう。蒸す、煮るなどの調理法がおすすめです。
・卵
卵も栄養価が高く消化吸収がいい食材です。温泉卵や茶碗蒸しなどは食欲がなくても食べやすくおすすめです。
・大豆製品
豆腐には良質な植物性たんぱく質が含まれており、消化吸収もいいので食欲がない時や下痢の症状がある時におすすめの食材です。湯豆腐やスープに入れるなど温めて食べましょう。
・フルーツ
りんごやバナナは消化もよく、腸内環境を整えるペクチンもふくまれています。
酸味のある柑橘類は胃を刺激するので、控えましょう。
・乳製品
便秘やお腹が張るなどの症状がある場合、腸内環境が乱れている可能性があります。ヨーグルトなどの乳酸菌をとり、腸内環境のバランスを整えましょう。
◆控えたほうがいい食べ物
・胃の調子が悪い場合
揚げ物や肉の脂身、生クリームやバターなどの乳脂肪は消化に時間がかかり、胃に負担をかけてしまいます。また、ごぼうなどの食物繊維も消化に時間がかかるので、胃の調子が悪い時には控えましょう。辛いものや味付けの濃いもの、酸味がきついものは胃を刺激し胃酸が出やすくなるので控えた方がいいでしょう。
・腸の調子が悪い場合
下痢をしている場合は、消化の悪い食品を控えることが大切です。便秘には効果的な食物繊維も下痢の場合は負担がかかってしまいます。ごぼうやれんこん、海藻類などは控えましょう。また、脂が多い肉や魚、揚げ物なども控えることがポイントです。
アルコールやコーヒーなどのカフェインも胃腸を刺激しますので、控えましょう。
◆生活リズムを整えよう
自律神経は睡眠不足やストレスなどちょっとしたことでも乱れてしまいます。胃腸を健康に保つためにはストレスをためない生活をすることが大切です。
まず、睡眠時間をしっかりとり規則正しい生活を心がけましょう。ストレスをためないように、趣味の時間を楽しむことも大切です。また、ウォーキングや筋トレなど軽い運動も健康を維持するために役立ちます。体の調子に合わせて無理のない範囲で取り入れましょう。さらに、バランスのいい食事は体を作るもとになります。胃腸の調子が悪い時も、おかゆだけやうどんだけなど、偏った食事にならないようにすると効果的です。体調によっても食べられるものは変わってきますので、症状に合わせてバランスのいい食事を心がけましょう。
◆宅配弁当も上手に活用しよう
毎食バランスのいい食事を作るのが難しいときは宅配弁当を活用するのもおすすめです。
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