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梅雨から夏に要注意 水虫の対策について

作成日:2020年7月11日

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梅雨から夏に要注意 水虫の対策について

水虫は、人に寄生する白癬菌というカビの一種に感染することでおこる皮膚の病気です。体のいろいろな部分に感染する可能性がありますが、その多くは足です。気温が上がりジメジメとした梅雨の時期には、白癬菌の活動が活発化するため、注意が必要です。

水虫とは

水虫の原因は白癬菌(はくせんきん)というカビの一種で、もともとは土中や動物に寄生して広く生息しています。白癬菌は感染力が強く、人の皮膚の最も外側である角層の成分ケラチンというたんぱく質を栄養として繁殖します。

水虫(白癬)とは

白癬は皮膚糸状菌という真菌(カビ)によって発症する感染症です。皮膚糸状菌によって発症する病気には白癬、黄癬、渦状癬がありますが、現在日本には黄癬、渦状癬は無いので、白癬菌と皮膚糸状菌はほとんど同じ意味で使われています。白癬菌はその形態から、白癬菌属、小胞子菌属、表皮菌属、に分類されます。水虫の原因となる白癬菌は世界中に40種類以上が存在していますが、日本に存在するのはこのうちの10種類で、最も多いのがトリコフィトン・ルブルムとトリコフィトン・メンタグロフィテスです。

水虫に感染する仕組み

白癬菌は直接的な接触の他、落屑(はがれ落ちた皮膚)や抜け落ちた毛からも感染し、落屑や毛の中でも1年以上にわたって感染力を保つことができるといわれています。白癬菌は人の皮膚表面の角質につき、角質の構成成分のひとつであるケラチンというたんぱく質を分解して内部に侵入していきます。そしてこのケラチンを栄養源としながら菌糸を伸ばし、増殖していきます。

白癬菌はおよそ24時間をかけて人の角質に侵入しますが、角質より中の層に侵入することはありません。人に寄生する白癬菌は人から人へ感染して、他の動物に感染することはありませんが、動物に寄生する白癬菌の中には、人に感染するものもあります。最近増えているといわれるのが、猫などに寄生するミクロスポルム・カニスやウサギなどに寄生するトリコフィトン・メンタグロフィテス動物型という菌の人への感染です。猫やウサギが感染しても症状が軽いので気づきにくいのですが、ヒトに感染すると症状が強く出ることがあるため、ペットの白癬にも注意が必要です。

水虫になりやすい環境

水虫は高温多湿の環境を好み、低温乾燥には弱いといわれています。気温と湿度が高くなる梅雨の時期に白癬菌は活発化し、急速に増殖します。一般的に夏になると再発したり症状がひどくなるのは、季節的な環境が影響をしていると考えられます。しかし近年はエアコンの使用によって一年を通して靴の中は高温多湿の環境になっていたり、革靴や長靴、ブーツなど通気性の悪い履物によって、季節に関係なく症状が出る人もいます。

大正製薬のウェブサイトです。簡単に水虫感染度チェックができますので、試してみましょう。
https://taisho-kenko.com/check/test?id=95

水虫の種類

水虫には足の水虫である足白癬と、爪の水虫である爪白癬があります。人の皮膚に白癬を作る菌種は数十種類あり、「水虫」というと一般的には足白癬と爪白癬を指します。

足白癬

・趾間型
足の指の間が赤くなった後、白くふやけて皮がむけてきます。ムズムズとかゆみがあり、白くふやけた皮をとると液が出てジュクジュクとします。

・角質増殖型
足の裏、特にかかとの角質が厚く硬くなり、表面がザラザラとして皮がむけたりひび割れたりします。かゆみなどの自覚症状はあまりありません。

・小水疱型
足の裏や縁に小水疱や膿胞ができて、強いかゆみがあります。小水疱は2~3㎜のことが多いですが、大きくなることもあります。

爪白癬

爪にできる白癬を爪白癬と呼びます。爪全体が白っぽく変色し、爪が厚くなったり変形
したりします。爪の表面に縦じわができることもあります。

その他の水虫

・手白癬
足の水虫と同じような症状が手に出ます。足に比べると発症の割合は少ないといわれます。

・体部白癬(ゼニタムシ)
顔や首を始め、全身で感染の可能性があります。米粒大の赤い丘疹ができ、徐々に円状に広がって、かゆみがあります。犬や猫などの動物からうつることもあるため、飼っているペットが白癬にかかっている場合には、早めに治療するようにしましょう。

・頑癬・股部白癬(インキンタムシ)
比較的若い男性に発症が多く、太腿内側にできることが多い白癬です。感染部位の周囲が堤防のように隆起し、皮膚には赤い斑点があらわれます。かゆみが強く、腹部や臀部に広がることもあります。

・頭部白癬(シラクモ)
頭部に円形やだ円形の脱毛巣をつくります。子どもにも感染が多く、犬や猫などペットからの感染が増えています。

・トリコフィトン・トンズランス感染症
近年、格闘技選手を中心に感染例が増加している皮膚真菌症です。首や上半身に小豆から爪ほどの大きさの赤い腫れがみられたり、頭にフケやかさぶた、膿などの症状がみられます。

水虫と間違えやすい症状

皮膚疾患の中には、水虫と似た症状の疾患があります。原因がわからない場合は自己判断せずに、早めに受診するようにしましょう。

・接触性皮膚炎
一般的にかぶれといわれる症状です。原因となる物質に触れることでおこる皮膚炎で、赤くなってかゆみが出たり、水ぶくれになることもあります。原因となる物質が除去されれば自然に治ることも多いのですが、症状が強かったり長引く場合は受診しましょう。

・汗疱性湿疹
手足の裏に小さな水疱があらわれ、かゆみが出たり皮がむけたりします。手足に汗をかきやすい人に多くみられます。

・皮膚カンジダ症
カンジダという菌に感染して発症する皮膚疾患です。指の間が白くふやけたようになります。

水虫と高齢者のリスク

皮膚の免疫力は40歳代から急速に低下するともいわれ、加齢とともに水虫の感染率も上昇します。体力や免疫力の低下や、加齢や疾患に伴う足への血流に障害が生じると、白癬菌は皮膚の角質内に侵入し、爪の中へと入りこんで爪白癬となります。爪白癬にはかゆみなどの症状が少なく、靴を履いたときに痛みが出たり、歩行に支障が生じるなどの症状があらわれるまで気づかないこともあります。

高齢者の水虫と転倒

早稲田大学が実施したある調査では、足白癬や爪の肥厚や変形、血流障害など、足に問題がある高齢者は、男性の46%、女性では39%という結果がありました。

また足白癬のある高齢者では、そうでない高齢者と比べると、過去1年間に転倒したことがある人の割合が、男性では1.37倍、女性では1.29倍に増加することがわかりました。足の親指が爪白癬に感染した場合、足の指が地面に着きにくくなるためバランスを崩したり、すり足で歩くようになりと、転倒のリスクが高まります。爪が変形したり肥厚すると、爪本来の機能が十分に果たせなくなり、つま先に力が入らなくなります。さらに悪化して爪がはがれてしまうと、歩行に困難が生じる恐れもあります。

糖尿病と水虫

血糖コントロールが良好でない糖尿病の場合、足の爪に変形や肥厚が生じていることが多いといわれています。ある調査では、糖尿病患者の26%に爪白癬が認められ、糖尿病ではない人の2.77倍感染率が高いという結果が出ています。糖尿病ではちょっとした傷からも感染しやすく、

また糖尿病による神経障害により、足先のかゆみや痛みに気づきにくいこともあります。また、一度感染してしまうと血管障害のために血流が悪く、体のすみずみまで栄養がいきわたらず治癒しにくいという悪循環に陥る可能性があります。糖尿病がある場合は足の水虫を含むいろいろな感染症にかかりやすく、治りにくいということを覚えておき、日常的に丁寧なフットケアを実行しましょう。

また糖尿病のある人が水虫に感染した場合は、不適切なセルフケアや爪の処置などにより潰瘍へと悪化してしまうこともあるので、足や足の裏、足の爪などに異常を感じたら、早期にかかりつけの医師か皮膚科を受診しましょう。

水虫の対策と予防

白癬菌が好むのは高温多湿の環境だけではなく、皮膚の表面に汗や汚れが残っているアルカリ性の皮膚環境も好条件です。毎晩入浴して足や体を清潔にし、弱酸性の皮膚状態を保つことで感染を予防することができます。感染予防のためには日頃から、規則的な生活と栄養バランスの整った食事で、体力や免疫力を維持することもとても大切です。

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帰宅したら、すぐに足を洗う

帰宅したらすぐに石けんで足を洗い、清潔に保つようにしましょう。玄関から浴室までの移動は、専用のスリッパを用意できれば理想的です。足を洗った後は水気をよく拭きとり、乾燥させましょう。

乾燥させる

足は多くの発汗があります。革靴や長靴、ブーツなどは通気性が悪く、中に湿気がたまりやすくなっています。靴を長時間履き続けることは、菌の増殖を活発にする可能性があるため、可能であれば、サンダルなどに履き替える時間を設けるとよいでしょう。靴が履き替えられない場合は綿素材など通気性の良い靴下やストッキングを選び、靴下やストッキングを履き替えるのも有効です。同じ靴を毎日履くのは避け、1日履いた靴は1日以上乾燥させてから履くようにしましょう。

家の中のこまめな掃除

白癬菌は生命力が強く、切った爪や新陳代謝ではがれ落ちた皮膚の中でも生き続けています。こまめに掃除機をかけ、床は雑巾がけもしましょう。家族に水虫の人がいる場合は、タオル類や足ふきマットは共用せずに専用のものを用意し、毎日洗濯しましょう。

水虫の受診と治療

水虫は殺真菌効果のある薬を使用することで、症状の改善が期待できます。症状に応じた薬の適切な使用が大切です。

医療機関の受診が必要な場合

爪白癬、頭部白癬の場合は、一般の水虫用外用薬では治癒しません。また患部が顔、陰嚢、粘膜であったり、広範囲の場合は市販薬は使用せず、皮膚科を受診しましょう。患部の炎症が強く化膿していたり、ひび割れや傷がある場合にも皮膚科を受診してください。また他の持病があり治療中の場合や妊婦・妊娠の可能性がある女性、乳幼児も、自己判断せずに皮膚科を受診するようにしましょう。

水虫の診断

水虫の検査は、皮膚をピンセットなどで一部採取し、特殊な液体で溶かしてから顕微鏡で見ます。糸のような白癬菌が見えた場合、医師は白癬と確定診断ができます。爪白癬の場合も同様に、変色したり肥厚している部分の爪を一部切り取り、顕微鏡で観察する必要があります。適切な治療方法を決めるにあたり、顕微鏡で白癬菌を確認する確定診断はとても大切です。

水虫の治療は根気よく続ける

水虫の治療薬は、外用薬と内服薬があります。水虫の治療期間は約3~6か月、爪白癬では1年以上かかることも珍しくありません。症状が軽快しても、角質の奥に入り込んだ白癬菌が生きていることがあります。新陳代謝によって皮膚が生まれ変わり、白癬菌がしっかりと除去できるまで、数か月の間は自己判断で薬を止めたりしないようにしましょう。

内服薬(飲み薬)

日本で用いられる内服薬には3種類があります。特に爪白癬は外用薬だけでは効果が出にくいことも多く、内服薬が用いられることが多いようです。

・グリセオフルビン
安価で安全性が高いといわれ、小児にも使用できるのが特徴です。しかし再発率が高く、十分な効果が得られないこともあり、現在はあまり使われなくなっています。

・イトラコナゾール
角質に親和性が高く、内服を止めたあとも皮膚に4週間、爪に6~9か月の長期間留まるので高い効果が期待できます。他の薬との飲み合わせが良くないことがしばしばあり、処方されないケースもあります。

・テルビナフィン
角質に親和性が高く、内服を止めたあとも皮膚に2~3週間、爪に2か月程度留まるので高い効果が期待できます。イトラコナゾールよりも安価で、他の薬との飲み合わせも比較的問題が少ないのですが、5~6か月と長期間服用し続ける必要があります。また稀に肝機能に影響を及ぼすことがあるため、必要に応じて血液検査が必要なことがあります。

外用薬(塗り薬)

外用薬には多くの種類があり、それぞれにクリーム、軟膏、液状と剤形もいろいろあります。入浴後などの皮膚がやわらかくなっているときは、角質層に薬が浸透しやすいため、薬の効果が高くなるといえます。白癬菌は目に見える患部よりも広範囲に繁殖していることがあるので、患部の周囲にも広く塗るようにします。詳しい使い方は医師の指示に従いましょう。

<水虫の外用薬に含まれる主な成分>

分類作用主な成分
抗真菌成分白癬菌を殺菌し、発育・増殖を防ぐラノコナゾール

クロトリマゾール

ピロールニトリン

ミコナゾール硝酸塩

エコナゾール硝酸塩

アモロルフィン塩酸塩

ブテナフィン塩酸塩 他

鎮痒成分(かゆみ止め)かゆみを抑えるクロタミトン

ジフェンヒドラミン塩酸塩

リドカイン

ジブカイン塩酸塩

l-メントール 他

まとめ

水虫は、一度感染すると完治するまでに時間がかかることがあります。特に高齢者では、慢性疾患への影響や転倒のリスクが高まるなど、QOLの低下を招く可能性もあります。日常的に足の清潔を保ち、水虫と思われる皮膚症状があらわれた場合は、かかりつけの医療機関に相談することをおすすめします。

この記事の作成者:S.M(管理栄養士)
この記事の提供元:シルバーライフ

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