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HOME > コラム一覧 > 大腸切除後の介護食とは?食事療法や注意点、調理法までわかりやすく解説 / 更新日:2019年4月10日
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大腸切除後の介護食とは?食事療法や注意点、調理法までわかりやすく解説

大腸切除後の介護食とは?食事療法や注意点、調理法までわかりやすく解説

日本人の死因の1位はがんであり、今や2人に1人ががんになる時代と言われています。その中でも大腸がんの患者数は多く、1年間に10万人あたり103人が新たに大腸がんと診断されています。大腸がんの患者数と死亡率は高齢化の進展と食の欧米化により年々増加傾向です。ここでは、大腸がんで大腸を切除した高齢者向けの介護食について解説していきます。

大腸がんとは?

大腸は食べた物の水分を吸収し、便を作る臓器です。盲腸・結腸・直腸に分類され、これらに発生するがんを大腸がんといいます。がんが進行すると次第に大腸の壁を浸潤し、やがては大腸の壁の外で散らばったり、リンパ液や血液の流れにのってリンパ節や肝臓、肺などに転移することもあります。

早期の段階では自覚症状はなく、進行すると血便や下血、腹痛を引き起こします。他にも貧血や、お腹が張ったり、腫瘍が原因で便が細くなったり便が残るような感じがすることもあります。
2015年度の人口動態統計によると大腸がんの部位別の発生率は、直腸が34.1%、結腸が65.9%です。男性はおよそ11人に1人、女性はおよそ14人に1人が大腸がんと診断されています。

この20年で大腸がんによる死亡率は1.5倍に増加しており、高脂肪・低繊維食といった食の欧米化が関与していると考えられています。他にも飲酒や喫煙、運動不足といった生活習慣や肥満、家族歴も発生の要因に関与しています。

大腸がんの病期

0期 がんが大腸の粘膜にとどまる
Ⅰ期 がんが大腸の筋層にとどまる
Ⅱ期 がんが大腸壁の筋層を超えているが、リンパ節転移はない
Ⅲ期 がんがリンパ節に転移している
Ⅳ期 腹膜、肝臓、肺などへの遠隔転移がある

治療法は?なぜ食事療法が必要?

大腸がんの治療には、内視鏡治療、薬物療法、外科的手術、放射線治療などがあります。治療法はがんの進み具合や患者の全身状態や年齢などを考慮します。がんの進行の程度が0~Ⅲ期では、がんが切除可能か判断し、可能であればがんを切除します。

切除する方法は、内視鏡治療と外科的手術があります。内視鏡治療は肛門から管をいれてカメラで腸内を見ながら大腸の内側からがんを切除する方法です。外科的手術は、お腹を切ってがんが広がっている腸管や、がんが転移しているリンパ節を切除する開腹手術という方法と、おへその周囲から細い内視鏡を腹腔内に挿入しがんが広がっている腸管を切除する腹腔鏡下手術という方法があります。腹腔鏡下手術は傷が小さく、身体への負担が少ないので術後の回復が早いというメリットがあります。どちらも、がんだけではなく大腸自体を切る必要があるため、術後大腸は少し短くなります。

食べた物の水分を吸収する機能のある大腸が短くなると、短くなった分水分を吸収できなくなるため便が柔らかくなったり下痢をしやすくなったりします。また、食べたものを便として肛門へ送り出す大腸の動き(蠕動運動)が障害されることで便秘にもなりやすいです。さらに、手術をすると傷を塞ごうとする正常な生体反応から癒着という粘膜同士や他の臓器とくっついてしまう状態にもなりやすく、大腸や小腸の癒着により食べたものが通りにくくなり、お腹が張ったりひどくなれば腸閉塞となることもあります。

これらの症状は食事療法で完全に予防することはできませんが、生じにくくすることは可能です。大腸がんの術後は基本的に食事制限の必要はない、と言われていますが、術後生じうる不快な症状を少なくし、快適に生活するためには控えたほうがよい食べ物があります。

大腸切除後の食事の注意点は?

基本は栄養バランスが良く、1日3食規則正しく食事することが大切です。

一度にたくさん食べ過ぎない

食べ過ぎると下痢や腸閉塞を起こしやすくなります。退院後は2ヶ月ほどかけて段階的に量を増やして、1回の食事量は腹8分目を目安とすると良いでしょう。

食事内容は段階的に進める

揚げ物や繊維の多い食品は少量ずつから食べ始めましょう。

ゆっくりよく噛んで食べる

早く食べると腸に負担がかかり、便が柔らかくなったり下痢になりやすいです。よく噛むと消化や吸収が良くなります。

規則正しく食事をする

不規則な食事は便通を不安定にし、便が柔らかくなったり下痢や便秘の原因となります。

食事はバランスよく、消化吸収がしやすいものを中心に摂取する

消化の悪い食品を食べ過ぎると下痢や腸閉塞の原因になるためです。消化しにくい食品は少量なら摂取しても問題ありませんが、よく噛むことや、細かくきざんだり、柔らかく煮込んだりなど食べ方や調理法を工夫することが大切です。

食物繊維は患部が回復するまでは少し控える

食物繊維が多く、硬い食品(ごぼうやたけのこなど)は患部を刺激してしまいます。十分に回復するまでは繊維質の食品は少なめにし、柔らかく煮るようにしましょう。

アルコールはほどほどにする

アルコールは禁止ではありませんが、摂取することで食べ過ぎたり、下痢の原因となったりします。また、炭酸を含むものだとお腹が張りやすくなるため、担当医と相談のうえで開始することをおすすめします。アルコールは便のにおいを強くしてしまう原因にもなります。

大腸切除後の食品の選び方や調理法は?

術後3ヶ月程度は腸閉塞を引き起こす可能性があるため、消化の悪い食品や、食物繊維の多い食品は控えましょう。また、お腹が張る原因となるガスが発生しやすい食品や、刺激が強い食品も控えめにした方が良いでしょう。細かくきざんだり、煮る・蒸す・焼くことで消化吸収を良くすることができます。

大腸手術後の食品の選択

食品群 消化の良いもの 注意して食べるもの 控えたほうが良いもの
たんぱく質 肉類 鶏もも(皮なし)
鶏むね(皮なし)
鶏ささみ、鶏挽き肉、豚ヒレ
豚赤身、牛赤身、レバー
鶏手羽
ロース肉、牛挽き肉
合い挽き肉
牛バラ、牛ロース
豚バラ、豚ロース
カルビ、霜降り肉
加工品など
魚類 白身魚(鯛、ヒラメ、カレイ、鱈、鮭)サワラ、アジ、エビ
貝柱、ちりめん、練り製品
青身魚
干し魚
佃煮
うなぎ、イカ、タコ
ホタテ、刺身など
卵類 鶏卵、うずらの卵
豆類 豆腐、高野豆腐、豆乳
引き割り納豆、こしあん
納豆
おから(少量)
よく煮た豆(少量)
つぶあん(少量)
きなこ(少量)
油揚げ(要油抜き)
厚揚げ(要油抜き」
硬い豆類(大豆、小豆など)
乳製品 牛乳、スキムミルク、チーズ類
ヨーグルト、乳酸飲料
生クリーム(少量)
糖質 穀類 白米、お粥、食パン、
うどん、マカロニ
スパゲッティ(柔らかめ)
にゅうめん、春雨
ラーメン、菓子パン
玄米、赤飯、雑穀米
チャーシューメン
日本そば、デニッシュ
パイ、クロワッサン
揚げパン
芋類 じゃが芋、里芋、長芋 さつまいも(少量) こんにゃく
果物類 りんご、桃、バナナ
缶詰の果物
みかん、梨、キウイ
すいか、メロン
いちごなど
パイナップル、夏みかん
柿、干し柿
ドライフルーツなど
脂質 油脂 植物油、マーガリン
バター、マヨネーズ
フライ(少量)
天ぷら(少量)
中華料理(少量)
牛脂、豚脂
ビタミン・ミネラル 野菜 緑黄色野菜:かぼちゃ(皮なし)
人参、ほうれん草、小松菜
小ねぎ、トマト(皮なし)など
淡色野菜:大根、キャベツ
レタス、きゅうり、玉ねぎ
なす(皮なし)、かぶ、白菜など
ピーマン
アスパラガス
硬い繊維の多い野菜
ごぼう、たけのこ
れんこん、ふき、セロリ
わらび、もやし、にら
とうもろこし、切干大根
みょうが、漬物類など
海藻類 海苔(少量)
よく煮たわかめ(少量)
わかめ(酢の物など)
昆布、ひじき
きのこ きのこ全般
嗜好品 飲料
お菓子
プリン、ババロア、ゼリー
水ようかん、シャーベット
ビスケット、カステラ
煎餅、麦茶、紅茶
ケーキ(少量)
和菓子
濃い緑茶、ココア
カフェオレ
揚げ菓子、激辛菓子
アルコール類
ブラックコーヒーなど

便通が変化したときはどうする?

(1)便秘

・術後3ヶ月以降であれば、野菜や果物など食物繊維を多く摂取する
→食物繊維が水分を吸収し便量が多くなり、便通改善効果があります。3ヶ月以内では腸閉塞の原因となるため注意しましょう。

・水分を多めに摂る
→特に、起床時の1杯の水や牛乳が有効です。腸が刺激されて腸の動きが良くなります。

・食事時間を規則正しくする
→特に朝食をしっかり食べることで腸を刺激します。また、朝に必ずトイレに入ることで生活のリズムを整え、規則正しい排便の習慣を身につけることができます。

・適度な運動をする
→身体を動かすことで腸の動きも活発になり、便通が良くなります。

※食事や生活習慣に注意しても便秘が続く場合には主治医に相談しましょう。頑固な便秘には下剤が必要となる場合もあります。

(2)下痢

・消化の良い食品を摂る
→下痢をしている時は腸を刺激しないこと大切です。消化が悪く刺激が強い食品は腸を刺激してしまうため避けましょう。

・水分補給をしっかりする
→下痢によって水分やナトリウム・カリウムなどの電解質が失われ脱水状態になりやすくなります。ただの水よりも、電解質を補うことができるスポーツドリンクがおすすめです。

・少量ずつの食事をする
少量ずつ回数を増やすことで、消化管の負担を軽くすることができます。

※水分が摂取できない程体力を消耗し、脱水状態が疑われる時は速やかに医療機関を受診しましょう。

(3)頻便

大腸切除後、特に直腸を切除すると便を溜めることが難しくなり何度も便が出たり、便が直腸まで降りてきていないのに便がしたくなり何度もトイレに行きたくなる、ということがあります。

・手術後1年間は気長に様子をみる
→手術直後に不安定な腸の機能は身体の回復とともに徐々に回復してきます。一般的に2~3ヶ月ほどで腸の機能は落ち着き、その後半年~1年かけて徐々に改善してくるため、焦らないで様子をみることも大切です。

・症状に合わせて、緩下剤や下痢止めなどの薬を使う
→術後1年以上経っている場合は劇的に症状が改善する見込みはあまりないため、主治医に相談し、薬でコントロールすることが必要になります。

(4)腹部膨満感(お腹の張り)

・ガスが溜まりやすい食品を避ける
→さつまいもなどの芋類、炭酸飲料やビールといったガスが溜まりやすい食品は避けましょう。ヨーグルトや乳酸飲料はガスの発生を抑える効果があります。

・1回の食事量を控える
→食事を控えても腹部膨満が続き、おならが出ない場合は腸閉塞が疑われるため、速やかに主治医に相談しましょう。

大腸切除後の介護食とは?まとめ

大腸切除後の食事は、バランス良く規則正しい食生活を基本に、症状に合わせて食品の選び方や調理法を工夫することが大切です。柔らかく煮たり、細かくきざまれた食品は高齢者にとっては食べやすいというメリットもあります。

高齢者向け配食サービス「配食のふれ愛」には様々な種類のお弁当が用意されており、柔らかく消化吸収の良い食事が必要な方に向けて「やわらか食」というお弁当があります。食材の見た目をそのままに柔らかく加工しているため、見た目にも美味しく食べることができるのも嬉しいポイントです。
毎日介護食を手作りするのは大変手間がかかることであるため、時々でも宅配弁当を利用することで介護者の負担を軽減することができます。

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