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端午の節句に柏餅を食べる由来

作成日:2020年4月24日

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端午の節句に柏餅を食べる由来

5月5日の端午の節句は、男の子の健やかな成長を願う年中行事です。地域によっても違いはありますが、端午の節句には兜を飾ってこいのぼりを上げ、柏餅を食べて祝うのが最も一般的ではないでしょうか。柏餅が5月の晴れやかな年中行事である端午の節句に欠かせない和菓子となった由来をみてみましょう。

端午の節句について

「端午」の意味は月の端(はじめ)の午の日という意味で、5月に限ったことではありませんでした。牛(ご)の音が毎月の5を指すようになり、旧暦の午の月は5月なので、5月5日を端午の節句として祝うようになったといわれています。

端午の節句の歴史と由来

端午の節句は、もともとは中国の五節句(七草の節句、桃の節句、端午の節句、竹の節句、菊の節句)のひとつでした。節句は季節の変わり目を表し邪気が寄り付きやすいといわれるため、季節ごとのお供えをして厄払いをする風習がありました。

日本の端午の節句は平安時代から端午の節会として宮中の年中行事のひとつとして行われていました。端午は旧暦5月の最初の午の日で今の6月にあたり、梅雨に向かう時期です。ジメジメとして気温が高くなり始めるこの時期は病気が発生しやすかったため、端午の日に病気や災厄を避けるための行事が行われたと考えられています。

5月5日の端午の節句に鯉の吹流しを立てて、武者人形を飾り、男の子の前途を祝うようになったのは徳川の時代からといわれています。5月5日が徳川幕府の重要な式日に定められたことで大名や旗本らがお祝いのため江戸城に参上するようになり、将軍に男子が生まれると、表御殿に馬印(うまじるし)や幟(のぼり)を立てて祝いました。これらの風習がやがて一般の人々にも広まっていきました。

鎧や兜飾りとこいのぼり

鎧や兜は武将にとって身を守る大切な装備であることから、子どもを病気や事故などの災難から守ってくれるようにという願いを込めて、鎧や兜を飾るようになりました。

こいのぼりは中国の故事にある、竜門の滝を登り切った鯉が竜となって天に上った「登竜門」の伝説に由来しているといわれます。また鯉は沼や池など、いろいろな環境で生きることができる強い魚なので、どんな環境にも耐え、立派に成長することを願ってこいのぼりを上げます。江戸時代の中期には武家の幟に対して、町人はこいのぼりを飾ることが多かったようです。

柏餅~由来や食材の理由~

柏餅は餅にあんを挟み、柏の葉で二つ折りに包んだ和菓子です。地域により多少の違いはありますが、あんはこしあん、つぶあん、みそあんの3種類があり、あんの種類によって餅の色や葉の包み方などを変えることがあります。白い餅が基本ですが、よもぎを入れた草餅にしたり、みそあんは餅の色をピンク色に着色することもあります。

柏の葉

柏はブナ科の落葉樹です。葉は大きく、縁は丸く大きな波型になっており、古くから食べ物をのせる器として使われてきました。やせた乾燥地でも生育し、秋に枯れた葉は春まで残り新芽が出るまでは落ちないことから、葉守りの神が宿る縁起の良い木とされて、子孫繁栄や家系が絶えないように願いを込めるようになりました。また幹はコルク質で耐火力があり、山火事にあっても生き残ることがあるため、これも縁起が良いとされる理由のひとつです。

柏餅の歴史と由来

柏餅の原型は、平安時代の「はなびら餅」ともいわれます。はなびら餅は丸く平らにのばした餅にみそあんとゴボウを挟み、半月形に仕上げます。平安時代の新年行事である「歯固めの儀式」に由来し、明治時代には裏千家の初釜のお菓子として使われるようになりました。はなびら餅の歴史にも諸説ありますが、みそあんを挟んだ半月の形は、確かに柏餅と似ています。柏の葉を使った柏餅は、江戸時代中期頃に江戸で生まれたといわれています。

江戸には跡継ぎを大事に考える武家が多かったことと、関西には柏の木があまり生息していなかったこともあり、端午の節句に柏餅を食べる習慣は関東を中心として東日本へと広がっていきました。神事には欠かせない餅を、縁起の良い柏の葉で包んだ柏餅を食べることで、男の子が元気に育ち、家系の継続と繁栄を願う意味が込められています。

餅を柏の葉で包む理由

柏の葉で餅を包む理由はいくつかありますが、餅を蒸すときに柏の葉で包んで蒸すことで柏の葉の香りが移り、食べるときに香りも楽しむことができます。また蒸すときも食べるときも、柏の葉が巻かれている部分を持つことで、手に餅がつかずに扱いやすいこともあります。さらに柏の葉にはオイゲノールという芳香成分が含まれています。オイゲノールには抗菌作用や抗ウイルス作用、防虫作用があり、柏餅の保存性を高める効果が期待できます。特にゴキブリが嫌う香りといわれており、柏餅を衛生的に保つために適切といえます。

柏の葉には裏と表があり、表は光沢がありつやつやとしていますが、裏はザラザラとしています。地域やお店によっても違うことがありますが、一般的にはザラザラした葉の裏を外側にして包んでいるものは中身があずきあん、つやつやした葉の表を外側にして包んでいるものはみそあんであることが多いようです。

<柏の葉 使い方と特徴>
一般的に手に入る柏の葉の基本的な使い方です。商品によって、下処理の方法が異なることがあるので、下処理は商品の表示に従って行ってください。

種類下処理特徴
1.柏の葉を摘み、よく洗う。

2.たっぷりの湯で数分ゆがく。

3.ザルにあげて水気をきり、使う前に水気をよく拭きとる。

・自宅に柏の木があれば、気軽に使うことができる。

・柏の葉の香りや色が楽しめる。

・保存ができない。

乾燥1.たっぷりの湯で10分ゆがく。

2.ザルにあげて水気をきる。

3.水にさらしてアクを抜く。

4.使う前に水気をよく拭きとる。

・生の柏葉に近い香りがある。

・水戻しとアク抜きの必要がある。

・葉が壊れやすく、流通量は比較的少ない。

塩蔵(茶葉)1.水ですすぐ。

2.使う前に水気をよく拭きとる。

・塩蔵の真空パック包装であれば長期保存が可能である。

・水戻しの必要はなく、比較的手軽に使える。

・香りは弱い。

・葉の色は茶色い。

塩蔵(青葉)・塩蔵の真空パック包装であれば長期保存が可能である。

・水戻しの必要はなく、比較的手軽に使える。

・香りは弱い。

・葉の色は鮮やかな緑色。

西日本では柏餅を包む葉は、サルトリイバラ(サンキライ)の葉も多く使われています。サルトリイバラはツル性の落葉低木で、葉は柏の葉よりも円に近く、幅の広いハート型のような形をしています。柏の葉と同じように1枚で包んだり、餅を上下2枚の葉で挟むこともあります。

一般社団法人日本和食卓文化協会のウェブサイトです。サルトリイバラ(サンキライ)の葉の柏餅が紹介されていますのでご参照ください。

https://www.nihonwasyokutakubunka.com/column/2834

柏餅の家での作り方

和菓子屋さんで買う柏餅はもちろんおいしいですが、家庭でも作ることができます。最近では柏の葉も、インターネットなどで手軽に購入できるようになりました。その他の材料はスーパーで購入できる食材で作ることができるので、ぜひ挑戦してみましょう。

手づくり柏餅

・材料(8個分)

柏の葉      8枚

あんこ   160~240g

上新粉      140g

白玉粉      10g

湯        170g

片栗粉      20g

水        30㏄

・作り方

1.柏の葉は、乾燥してあるものや真空パックで売られているものなどがあります。商品に表示された指示のとおりに、下準備をしておきます。あんこは20~30gくらいの玉に丸めておきます。

2.上新粉と白玉粉をボールに入れて混ぜます。白玉粉の粒は指でつぶしておきます。

3.湯を入れて木べらで混ぜます。粗熱が取れたら、手でよくこねます。さらしの布巾や手ぬぐいをかたく絞って、その上でこねても大丈夫です。初めのうちは熱いのでやけどに注意しましょう。よくこねるほど、おいしいお餅ができます。

4.こねあがったら2つに分けて丸め、少しつぶして平たくし、蒸気の上がった蒸し器に入れ、10~15分蒸します。

5.蒸しあがったらボールに入れ、初めは木べらやすりこぎを使ってつくようにします。

6.片栗粉を水で溶き、少しずつ入れながら手でこね合わせます。

7.こねあがったら餅を8つに分け、丸めてからだ円にのばし、あんこを挟みます。

8.柏の葉で包み、蒸気の上がった蒸し器に入れて10分蒸したらできあがりです。

※白あんにみそを混ぜて、みそあんも作ることができます。白あん200gに白みそ20~30gを混ぜます。みそは白みそではなくても作れますが、みその種類によって塩分が異なるので、味をみながら混ぜてください。

※餅をピンクに色づけする場合は、6の工程で、水溶き片栗粉にごく少量の食紅(赤やピンク)を混ぜてください。食紅は加熱すると色が濃くなることがあるので、食紅の入れ過ぎには注意しましょう。

端午の節句に食べるお菓子

端午の節句には柏餅の他にも全国でいろいろなお菓子が食べられており、それぞれに意味や願いが込められています。

ちまき(粽)

ちまきは「背くらべ」の歌詞にも登場し、柏餅よりも古くから食べられていたようです。柏餅が日本独特のものであるのに対して、ちまきは中国から伝わりました。中国の詩人である屈原が5月5日に川に身を投げて亡くなったことを悲しんだ人々が、屈原の亡骸が魚に食べられないように、ちまきを川に投げ入れて供養したという故事が由来となっています。

ちまきは、もち米やうるち米で作った餅を笹などの葉で円錐形になるように巻き、蒸したりゆでたりした物です。もともとは竹筒に米を詰めた物でしたが、現在の形に変わった理由は屈原の故事の続きにあります。屈原の幽霊が川のほとりにあらわれ、供物を投げ入れる人たちにこのように言ったそうです。「残念ながらお供物は悪い龍に盗られてしまい、私のところに届きません。悪龍の嫌う連樹の葉で餅を包み、邪気を払う5色の糸で縛ってください」この連樹の葉で包んだ餅が、端午の節句に食べられるちまきの始まりといわれます。

また、竹の皮でおこわを三角形に包んで蒸す中華ちまきや肉ちまきも「ちまき」と呼ばれます。端午の節句に甘い餅を包んだちまきを食べる習慣があるのは主に関西で、関東では端午の節句には柏餅を食べる地域が多いため、関東では「ちまき」というとおこわを包んだものをイメージする人が多いようです。

ベコ餅

主に北海道で端午の節句に食べられる和菓子です。白い餅と黒糖を使った茶色の餅やよもぎ餅など2色の餅をマーブル状に混ぜ、木の葉形に作るのが特徴です。特有のマーブル模様が牛の模様と似ていることからベコ餅という名前になったともいわれていますが、ベコ餅の名前の由来には諸説あり、今でもはっきりとはわかっていないようです。

麦だんご

徳島県の脇町に古くから伝わっている郷土菓子で、端午の節句には欠かせないお菓子です。大麦の粉を混ぜて作っただんごをサンキライの葉で包んでいます。旧暦の5月5日は麦刈りの時期と重なるため、収穫した麦を粉にしてだんごを作って子どもの成長を祝いました。以前は家庭で手作りもされていましたが、現在ではあまり作られなくなりました。

あくまき

南九州で端午の節句に食べられる和菓子です。灰汁に浸けたもち米を、灰汁に浸けた孟宗竹の皮で包んでから、さらに灰汁で数時間煮込んで作る手のかかる和菓子です。灰汁の強アルカリによって餅が飴色に色づき、特有の風味と食感があります。砂糖を混ぜたきな粉や黒蜜などをかけて食べるのが一般的ですが、醤油をかけて食べることもあるようです。非常にやわらかい餅のため包丁では切りにくく、糸を使って切るのも特徴のひとつです。

くじらようかん

宮崎県に伝わる和菓子です。米粉を練って伸ばした求肥餅を、あんこ(蒸しようかん)で挟んで蒸します。26歳の若さで亡くなった第4代佐土原藩藩主の島津忠高の息子である万吉丸の母が、万吉丸の成長と佐土原藩の発展を「鯨のように大きく、力強くなるように」と願って、鯨に似せたようかんを作らせたのが始まりといわれています。見た目も特徴的ですが、塩気のきいたたっぷりのようかん部分と、とても柔らかい求肥餅の食感が独特の和菓子です。

端午の節句に関するまとめ

端午の節句に柏餅を食べるのは、柏の葉が子孫繁栄の象徴だからということがわかりました。柏の葉は香りが良いだけではなく殺菌作用や保湿作用があり、子どもが食べるお菓子として安全性を高めるためにも有効だったと考えられます。さわやかな5月の年中行事である端午の節句には、子どもの健やかな成長を願って柏餅を食べる伝統を継承していきましょう。

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この記事の作成者:S.M(管理栄養士)
この記事の提供元:シルバーライフ

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