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HOME > コラム一覧 > 肝硬変のための介護食について詳しく解説!病気の進行を予防するための食事療法とは? / 更新日:2019年5月10日
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肝硬変のための介護食について詳しく解説!病気の進行を予防するための食事療法とは?

肝硬変のための介護食について詳しく解説!病気の進行を予防するための食事療法とは?

肝硬変とは?

ウイルス感染が原因で発症する肝炎、不摂生やアルコールの飲みすぎが原因となる肝障害などで肝臓が傷つくと、傷を修復しようとしてたんぱく質の1種である線維(コラーゲン)が肝臓を覆います。肝障害が慢性的になることで、線維が肝臓全体に拡がった状態を肝硬変といいます。

肝硬変の状態となると肝臓はごつごつとした岩のような見た目になり、大きさは正常な肝臓よりも小さくなります。肝臓が硬く小さくなることで、肝臓の機能が正常に働かず、低下していきます。肝硬変となると、お腹に水が溜まったり(腹水)、白目や身体全体が黄色くなったり、肝性脳症という意識障害や異常行動、手が不随意に動く羽ばたき振戦などの神経症状がみられることがあります。

国内の肝硬変の患者数は40~50万人と推定されており、肝硬変で亡くなる人は年間で約17.000人と言われています。

参考:日本肝臓学会 肝がん白書平成27年度
https://www.jsh.or.jp/medical/guidelines/jsh_guidlines/Liver_Cancer2015

肝硬変の原因

・ウイルス感染

B型、C型肝炎ウイルスに感染して肝炎となると約20年かけて肝炎が進行していき、肝硬変と進みます。B型、C型肝炎ウイルスの感染経路は血液です。わが国では以前は輸血や集団予防接種での注射器具の使いまわしが感染の原因となっていましたが、感染予防対策がとられるようになってから感染者数は減少しました。

・アルコール

お酒に含まれるアルコールは肝臓で無毒化されるため、お酒をたくさん飲むと肝臓にかかる負担が大きくなります。さらにアルコールの代謝産物であるアセトアルデヒドは毒性が強く、多量の飲酒により肝障害が引き起こされます。アルコール性肝障害であっても飲酒を続けて肝臓に負荷をかけ続けるとやがては肝臓が線維化し、肝硬変と進んでいきます。

・肥満

肥満者の約80%に脂肪肝がみられます。脂肪肝とは、フォアグラのように肝臓に脂肪が溜まり肝臓の30%を脂肪が占めている状態のことです。放っておくと肝硬変に進行することもあります。脂肪肝の状態での自覚症状は全くありません。

肝硬変は慢性肝炎などの肝障害が少なくとも10年以上続いた結果生じる病気です。ウイルス性や飲酒、肥満以外にも薬剤性や自己免疫疾患などが原因で生じる肝炎も進行すると肝硬変となります。

肝硬変の症状

肝臓は「沈黙の臓器」とも呼ばれており、肝臓の機能が保たれている初期の「代償性肝硬変」で自覚症状がないことが多く、自覚症状がないままゆっくりと病態が進行していきます。肝細胞が破壊され線維化するに従い、食欲不振や全身のだるさを感じることがあります。さらに肝硬変が進行し「非代償性肝硬変」となると肝臓の機能の低下や血流の低下から様々な症状が引き起こされます。

・黄疸

→ビリルビン(赤血球に含まれる黄色い色素}は通常肝臓で代謝されますが、肝臓の機能が低下すると代謝されなくなるため体内で増加し、皮膚や白目の部分が黄色くなります。

・肝性脳症

→アンモニアが代謝されなくなると見当識障害や異常行動、羽ばたき振戦(鳥のように手が震えること)がみられたり重症の場合には昏睡状態となることもあります。

・腹水、浮腫

→アルブミンという血液中のたんぱく質が肝臓で作られにくくなることで低アルブミン血症となり、血管内の水分が血管外に移動してしまうため、お腹や手足に水がたまります。

・食道胃静脈瘤

→肝臓を通る血液が通りにくくなると血液は逆流してしまいます。逆流した血液は胃や食道の静脈に大量に流れ込むために血管が太くコブ状になることを静脈瘤といいます。静脈瘤が大きくなると破裂して大出血する可能性があります。

他にも掌の内側が赤くなる手掌紅斑、首や頬に赤い斑点ができるクモ状血管拡張、男性でも胸が大きくなる女性化乳房などの身体所見が現れることがあります。

肝硬変の分類

肝硬変は重症度によって分類されます。

Child-Pugh(チャイルド・ピュー)分類

判定基準 1点 2点 3点
血清アルブミン値(g/dl) 3.5超 2.8~3.5 2.8未満
血清ビリルビン値(mg/dl) 2.0未満 2.0~3.0 3.0超
腹水 なし 少量(1~2L) 中等量(3L~)
肝性脳症 なし 軽度(Ⅰ、Ⅱ) 時々昏睡(Ⅲ~)
プロトロンビン活性値(%) 70超 40~70 40未満

・グレードA(軽度):5~6点 
・グレードB(中等度):7~9点
・グレードC(高度):10~15点

グレードA

代償性肝硬変といわれる状態で、軽度の肝硬変です。障害を受けていない肝細胞が代わりに働くことで肝臓の機能がなんとか保たれています。

グレードB

代償性から非代償性への過渡期の状態です。中等度の肝硬変で、全身倦怠感や食欲低下など軽度の症状がみられます。

グレードC

非代償性の肝硬変で、肝臓の機能を保つことができないため様々な症状がみられます。

肝硬変の治療

肝硬変そのものを根本的に治すことができる薬剤はなく、肝硬変の悪化を防ぎ現状を維持することが治療の目標となります。B型やC型の肝炎ウイルスが原因の場合には抗ウイルス薬を使用するなどといった原則的に肝硬変の原因に対する治療を行います。非代償性肝硬変では、合併症に対する対症療法を中心としますが、肝移植の適応となる場合もあります。

日常生活の注意点は?

・運動
慢性的な疾患では筋力の維持のためにも適度な運動が必要です。激しい運動は禁物ですが、軽く汗をかく程度のウォーキング程度であれば問題はありません。しかし、非代償性肝硬変の場合には原則的に運動は控えます。

・睡眠
睡眠導入剤を使用していると薬の代謝に時間がかかり翌日まで眠気が長引くことがあります。また、肝性脳症の症状の1つに昼夜逆転があります。夜寝られない場合は主治医に相談しましょう。

・感染予防
B型、C型肝炎ウイルスキャリアの場合、自身が感染を拡大してしまわないよう予防行動をとる必要があります。肝炎ウイルスは血液で感染するため、握手や会食等では感染しないことをふまえておきましょう。

<感染リスクを避けるために必要な予防行動>
・歯ブラシ、カミソリ、タオルなど血液が付着するおそれのある物の共用はしない。
・血液や分泌物が付着したものは自分で処理をするか、他者が処理をする場合には手袋を装着する。廃棄する際は漏れたり他のものや人へ付着しないようしっかり包む。
・怪我や鼻血が出た場合などはできるだけ本人以外が素手で触らないようにする。
・献血、刺青は行わない。
・性行為にはコンドームを使用する。
・B型肝炎にかかっている人の家族はワクチンを接種する。

参考:『日常生活の場でウイルス肝炎の伝播を防止するためのガイドライン』
http://www.kanen.ncgm.go.jp/content/010/ippan.pdf

・服薬
肝硬変では、薬を分解する機能が落ちている状態であるため多剤の併用をすることで副作用が出てしまうこともあります。複数の薬を医師から処方してもらうときは、現在飲んでいる薬を医師に見せて確認してもらいましょう。

・入浴
肝臓に負担がかかるため食後1時間以内の入浴は避けましょう。湯加減はぬるめにし、長風呂はしないようにしましょう。

・禁酒
アルコールは肝臓で処理されるため禁酒が基本です。アルコール性の肝硬変の場合には断酒で肝硬変が改善することがあります。しかし、アルコール性肝硬変の患者は断酒が困難なアルコール依存症であることが多く、医療機関で根本的な治療が必要です。

食事の注意点は?

肝硬変の食事の基本

・バランスの良い食事
→肝臓を再生し機能を維持するために必要な栄養素を補給するために十分な栄養を摂りましょう。

・高エネルギー、高たんぱく食にならないように注意する
→脂肪肝や血中アンモニア濃度が高くなる原因となります。また、炭水化物や食物繊維が少なくなってしまうことに繋がります。

・1日3回規則的に食べる
→肝臓の機能が低下すると、糖分を貯蔵する力も落ちてしまうため規則正しく食事を摂ることが大切です。

・便秘を防ぐ
→便秘になると腸内毒素の吸収を促進させるため肝性脳症を起こしやすくなります。便通を整えるために、食物繊維が多く含まれる食品や消化しやすい食品を摂るようにしましょう。

・生肉、刺身、生卵は控える
→肝臓の解毒機能が低下しているため、生ものは口にせず、火を通して食べるようにしましょう。

合併症がない非代償性肝硬変の食事

代償期には特に食事制限はありませんが、カロリーや塩分の摂取過多には十分注意する必要があります。基本的にはバランスの良い食事を適量食べ、筋肉を維持することが大切です。必要エネルギー量は25~35kcal/kg/日です。

代償性肝硬変の食事

・腹水やむくみがある場合
→1日の塩分量を5~6g程度に制限します。塩分制限や利尿剤の使用などでも腹水・むくみが改善しない場合には水分制限が加わることもあります。

・肝性脳症がある場合
→一般的にたんぱく質の摂取量は1.0~1.2g/kg/日程度ですが、高たんぱく食では血中アンモニア濃度が高くなるため、たんぱく質の摂取量を制限する必要があります。肝性脳症がある場合にはたんぱく質の摂取量は0.5~0.7g/kg/日とし、肉類よりも植物性のたんぱく質を摂るようにします。また、アミノ酸であるBCAA(バリン、ロイシン、イソロイシン)が肝性脳症の症状を改善する効果があるため、栄養剤やアミノ酸製剤等で不足したたんぱく質を補います。

・食道静脈瘤がある場合
→刺激の強い食べ物や硬い食べ物は避け、柔らかい食べ物を良く噛んで食べましょう。

・糖尿病を合併している場合
→肝硬変では肝臓での糖の調節能力が低下するため肝性糖尿病となることがあります。食後の血糖を高くしないよう一度にたくさん食べ過ぎず、炭水化物の多い食品や砂糖、菓子類などブドウ糖の吸収が良すぎる食品は摂りすぎないようにしましょう。

夜食療法

肝硬変患者は肝臓での糖の貯蔵量が少ないため慢性的にエネルギーが欠乏した状態であり、就寝している夜間はエネルギー不足が深刻となり身体のだるさやこむら返りといった症状がみられることがあります。そのため夜食を摂って肝臓が夜間にエネルギー不足とならないようにする必要があります。
ただ夜間に好きなだけ食事をするのではなく、1日の総エネルギー量が増えすぎないよう毎食の摂取量を少しずつ減らし、寝る前に200kcalほど摂取する方法が夜食療法です。

まとめ

肝硬変の悪化を防ぎ、現状を維持するには食事が大切です。代償性肝硬変では、腹水や肝性脳症を予防するために食品や摂取量に気をつける必要があります。
高齢者向け配食サービス「まごころ弁当」には様々な種類のお弁当が用意されており、食事制限が必要な方向けに塩分やたんぱく質を制限したお弁当もあります。自分や家族のために栄養バランスやエネルギー量に配慮して毎日食事を作るのは大変なことです。時には宅配弁当を取り入れてみてはいかがでしょうか?

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