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高齢者に多い心臓弁膜症の原因と治療法

作成日:2019年11月10日

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高齢者に多い心臓弁膜症の原因と治療法

最近動悸や息切れがする・・・それは歳のせい、だなんて思っていませんか?弁膜症は心臓にある弁が硬くなったり、弁の開きや閉まりが悪くなったりすることで心臓に負担がかかり動悸や息切れなどの症状が現れます。放っておくと心臓の機能が低下してしまい、日常生活に支障をきたしたり、命に関わることも。ここでは、心臓弁膜症の原因や治療法、食事療法などについて詳しく解説します!

心臓弁膜症とは?

心臓弁膜症
心臓には4つの部屋があり、それぞれ「弁」というドアの役割を果たす器官があります。弁は心臓の動きに応じ、開いたり閉じたりして血液の逆流を防ぎます。心臓弁膜症は何らかの原因で心臓の弁が硬くなったり開きや閉まりが悪くなったりする病気です。心臓の弁がうまく働かないと、心臓の中で血液が逆流してしまい、逆流した血液を押し戻そうと心臓の筋肉は余分に仕事をしなくてはいけなくなります。その結果心臓が疲れてしまい、全身に十分に血液を供給できず、息切れや呼吸苦などの症状がみられることがあります。

心臓弁膜症の推計患者数は、200~300万人と言われています。高齢化が進む現代では、加齢による弁の異常により発症するケースが多く、患者は年々増加傾向です。弁膜症から「心不全」という心臓のポンプ機能が低下した状態へと進むと、少し動いただけでも息切れがしたり、息苦しくて横になって眠るのがつらい、など日常生活に大きな支障をきたします。また、重症化すると入院が長期的になったり、命に関わることもあります。

弁膜症は、多くはゆっくりと進行するため、初期段階では自覚症状がありません。症状に気づいた時には、既に、心不全の状態となっており根治手術が難しくなってしまうこともあります。そのため、息切れや動悸は歳のせい、と諦めずに早めの受診が大切です。

弁膜症の種類とその原因は?

心臓には4つの部屋があり、左側には「僧帽弁」「大動脈弁」、右側には「三尖弁」「肺動脈弁」と部屋ごとに1つずつ弁があります。弁膜症には、「狭窄症」と「閉鎖不全症」の2つのタイプがあり、狭窄症は弁の開きが不十分で血液の流れが妨げられる状態、閉鎖不全症では閉まりが不十分で血液が逆流してしまう状態になります。4つの弁全てに弁膜症は起こりますが、特に左側にある「僧帽弁」と「大動脈弁」の2つの弁で多く起こる病気です。

(1)大動脈弁
◇大動脈弁狭窄症
弁膜症の中で最も代表的なものです。加齢に伴い大動脈弁が硬くなってしまうため、高齢化が進んだことにより患者数が多くなっています。高血圧や高コレステロール、喫煙などによって動脈硬化となることも弁が硬くなる原因の1つと考えられています。

大動脈弁に狭窄を生じると弁の開きが悪くなり、血液の流れに抵抗が生じる状態となります。すると心臓が血液を押し出すためにより強い力が必要となり、どんどん心臓の壁が発達して分厚くなっていきます(心肥大)。他にも先天性の異常や炎症性の変化などが原因となります。

◇大動脈弁閉鎖不全症
大動脈弁閉鎖不全症は、子供のころにかかったリウマチ熱の後遺症で発症することがあります。リウマチ熱は溶連菌感染の合併症で起こることがあり、菌による炎症が徐々に弁を変性させ、感染の数十年後に弁膜症を発症することがあります。他にも大動脈瘤や自己免疫疾患、感染性心内膜炎や先天性の異常が原因となります。

(2)僧帽弁
◇僧帽弁狭窄症
僧帽弁狭窄症もリウマチ熱の後遺症で発症することがあります。また、高齢者では加齢に伴い弁が硬くなることによっても起こります。

◇僧帽弁閉鎖不全症
リウマチ熱の後遺症の他、僧帽弁逸脱症や加齢による変性、心内膜炎などが原因で起こります。また、心筋梗塞や心筋症の影響で左心房が拡大し、弁が引っ張られて閉じなくなる二次性の弁膜症が発症することもあります。

三尖弁や肺動脈弁の弁膜症は上記に比較するとそれほど多いものではありません。三尖弁狭窄症や肺動脈弁閉鎖不全症は肺高血圧症などといった病気により生じたり、三尖弁閉鎖不全症はリウマチ熱に起因することが多いです。また、肺動脈狭窄症は弁に先天性の異常があり発症する症例がほとんどです。

弁膜症の症状は?

弁膜症では、動悸や息切れ、疲れやすくなる、などの症状がみられます。初期では症状を感じることはほとんどなく、加齢による体力の低下と同じような症状であるため気付きにくいことが受診を遅らせる要因となっています。

大動脈弁狭窄症では、重度になると心臓から送り出される血液量が不十分となり、心筋の酸素不足が生じて胸が痛くなったり、失神を起こしてしまうこともあります。

僧帽弁狭窄症では、逆流した血液によってどんどん左心房が拡大していき、その影響で不整脈が出たり、血液が澱んで血栓(血の塊)が出来やすくなります。適切な治療を受けなければ、血栓が脳の血管を詰まらせてしまう脳梗塞などの塞栓症が起こりやすくなってしまいます。

いずれの弁膜症も心臓に負担をかけて心臓を動かしている状態であるため、心臓の負担が大きくなっしてまうと「心不全」の状態となり、むくみや呼吸苦などの様々な症状が現れます。

弁膜症の治療法は?

軽症から中等度の弁膜症で自覚症状がない場合であれば、治療せず経過観察をします。中等度以上で心臓の機能が保たれている場合は現状を維持するために薬物療法を行うことがあります。薬物療法では弁そのものの状態は治せませんが、心臓の負担を軽くすることで心不全を起こしにくくする効果が期待されます。

病状が重度である場合は、根治のための外科的手術が適用となります。手術では、弁の悪いところを修復する弁形成術や、弁そのものを人工弁へと取り替える弁置換術が、患者の状態に合わせて選択されます。重度の大動脈弁狭窄症で患者が高齢で体力がない場合などでは、カテーテルによる治療が考慮されることもあります。

この治療法は、カテーテルを足のつけ根の血管などから挿入して心臓に到達させて弁を取り替えるため手術よりも侵襲が少なく、これまでに手術に耐えられないと判断された高齢者でも受けられる可能性のある新しい治療法です。

弁膜症を予防する食事療法とは?

弁膜症の患者数が増加している背景には、高齢化の進展とともに、食生活の欧米化や高血圧、糖尿病患者が増加していること、さらに動脈硬化が進行している患者が増加していることがあげられます。そのため弁膜症の予防には、高血圧や糖尿病、動脈硬化などの生活習慣病を予防することが大切です。また、タバコは動脈硬化の他にも様々な病気を招くため、喫煙している方は食生活の変容だけではなく、禁煙することから始めてみましょう。

・3食規則正しく、栄養バランス良く食べる
→正しい食生活は健康な身体を作る基本です。欠食やまとめ食いはしないようにしましょう。

・食べ過ぎない
→過食は肥満を招き、生活習慣病のリスクを高めます。食事は一口30回を目標によく噛んで、腹八分目を意識して食事を摂りましょう。

・標準体重を維持する
→太り気味の場合は、食事だけを制限するのではなく、適度な運動を加えて自分の身体に合った体重を維持しましょう。

※標準体重(BMIを22とした時の体重)
標準体重(kg)=身長(m)×身長(m)×22


・コレステロールと飽和脂肪酸を多く含む食品は避ける
→コレステロールは肉や内臓、卵、魚卵などに多く含まれます。コレステロールは動脈硬化を促す原因となるため、1日の摂取量は200mgを超えないようにしましょう。飽和脂肪酸は肉の脂や乳製品、バターやラードなどに多く含まれ、コレステロールを増やします。

コレステロールが多い食品(100gあたり)

食品コレステロール含有量(単位mg)
あんこうの肝560
筋子510
キャビア500
いくら480
鶏卵420
たらこ410
いか380
鶏レバー370
うに290
ししゃも290

飽和脂肪酸が多い食品(100gあたり)

食品飽和脂肪酸
含有量(単位g)
生クリーム27.62
ホイップクリーム23.51
クリームチーズ20.26
鶏皮16.3
牛サーロイン肉16.29
プロセスチーズ16
牛リブロース肉14.92
カマンベールチーズ14.87
ベーコン14.81
牛バラ肉13.05

参考:簡単!栄養andカロリー計算
https://www.eiyoukeisan.com/

・野菜を1日に350g以上摂取する
→野菜に多く含まれる食物繊維には小腸でのコレステロールの吸収や食後の血糖値の急上昇を抑える効果あります。厚生労働省が推進する健康作り運動「健康日本21」では野菜は1日に350g以上摂取することが推奨されています。

・糖質を摂り過ぎない
→砂糖や果物、ジュースなどで糖質を摂り過ぎてしまうと中性脂肪が高くなり、肥満の原因になります。菓子類の間食も控えましょう。

・塩分を控える
→塩分の摂り過ぎは高血圧を招き、心臓に負担をかけます。心臓に負担がかかると、弁膜症の患者は心不全になりやすくなってしまうため、普段から減塩を意識しましょう。高齢者の場合、舌にある味を感じる細胞が減るため、濃い味を好むことが多いですが、塩味のほかにも酸味や旨味などを有効に活用することで減塩しても食事を美味しく食べることができます。1日の摂取量は6g以下が目標です。

・お酒は飲みすぎないようにする
→アルコール換算で1日25g以下に抑えましょう。アルコールの摂り過ぎは血圧や血糖値を上昇させる原因になります。純アルコール量はビール500mlでは約20g、日本酒1合では約22g、ウイスキーの水割り180mlでは濃度にもよりますが約13gです。

心臓弁膜症の原因や治療法まとめ

弁膜症の予防や心不全への進展を防ぐには、高血圧や糖尿病、動脈硬化などの生活習慣病予防が大切です。健康な食事は健康な身体を作ります。減塩や低脂肪を心がけ、栄養バランスの良い食事を毎日食べましょう。

毎日栄養バランスを考えて食事を作るのは大変、という方は宅配弁当を利用してみてはいかがでしょうか。高齢者向け配食サービス「配食のふれ愛」では、栄養士が考えた栄養バランスの良いお弁当を手軽に味わうことができます。普通食の他に塩分・カロリーがコントロールされたものなど様々な種類のお弁当が用意されており、今なら無料試食サービスで2食まで試すことができます。この機会に是非お試しください。

参考:日本心臓財団
https://www.jhf.or.jp/topics/2017/004336/

この記事の作成者:A.N(看護師)
この記事の提供元:シルバーライフ

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