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口内フローラとは?全身の健康との関係

作成日:2019年11月10日

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口内フローラとは?全身の健康との関係

口腔内には腸内と同じく多種多様な細菌が生息しています。それらの細菌は細菌叢(フローラ)を形成して、口腔内だけではなく全身の健康にかかわっています。

口内フローラと口腔内に生息する細菌の種類

人の口腔内には、腸内と同様に微生物が常在菌として生息しています。口腔に定着している細菌を総称して口腔常在細菌と呼び、口腔内の歯や歯肉、粘膜や舌などの組織、歯と歯肉の境目などに形成する、細菌など微生物の集合体を口内フローラ(口腔内細菌叢)といいます。

口腔は外界と接するため、口腔内の常在細菌には人に悪影響を及ぼす微生物の侵入を防ぐ働きがあると考えられています。口腔内の常在細菌はだ液とともに飲み込まれて上気道や消化管へ移動し、口腔内以外の部位でも定着していくメカニズムがあり、全身の健康に影響があることがわかっています。

口腔内の常在菌

口内常在菌ロイテリ菌、乳酸菌、口内レンサ球菌など
日和見菌肺炎菌、ブドウ球菌、大腸菌など
通常は無害だが、増殖すると悪玉化する。
悪玉菌虫歯菌(ミュータンスレンサ球菌など)
歯周病菌(プロフィロモナス・ジンジバーリス、トレポネーマ・デンティコーラ、タンネレラ・フォーサイセンシスなど)

口腔常在細菌は750菌種ほどの菌種が知られていますが、人それぞれが固有のバランスをもって生息しています。

口腔常在細菌の中には虫歯や歯周病などの口腔疾患の原因となるものもありますが、健康な人の場合は適切な口腔ケアによって、口内フローラは良好に保つことができます。しかし日常は問題とならない細菌であっても、体力や免疫力が低下した場合には日和見感染をおこすことがあります。

アクチノマイセス(アクチノミセス)

細菌の仲間で口腔常在細菌の主な構成菌です。アクチノマイセス属の細菌は30種以上ありますが、口腔内に存在する主なものは12種類です。歯みがきをしてきれいになった歯の表面に最初に付着する初期付着細菌として注目されていて、歯垢(プラーク)の10~20%を占め、虫歯や歯肉炎の原因にもなるといわれています。しかし一方で、歯周病のない健康な人の口腔内にも多く存在し、歯周病がある人の口腔内では減少することから、口腔内の健康状態をみる目安にもなるのではないかと考えられています。

レンサ球菌群

レンサ球菌はその溶結性により大きく3群に分けられ、さらに細かくグループ分けされています。その中には疾患の原因となるものもありますが、口腔内に常在する菌種はほぼ決まった数種類であり、ほとんど病原性はなく正常な口内フローラを形成します。

レンサ球菌群のうち、ミュータンスレンサ球菌(ストレプトコッカス・ミュータンス)は歯の表面に生息し、酸性の条件下ではむし歯の原因菌となることがわかっています。

砂糖が含まれている食品を食べると、ショ糖を原料として菌が産生する酵素から粘着性のある多糖類を作ります。この多糖類はグルカンといい、歯の表面で他の細菌とともに塊を形成します。これがプラークと呼ばれるむし歯の原因となるものです。

口内フローラが関係する口腔トラブル

むし歯や歯周病といった誰でもかかる可能性がある歯科疾患も、実は細菌によって引きおこされています。口内フローラを良好なバランスで保つことは、口腔トラブルの予防に有効です。

むし歯

ミュータンスレンサ球菌が歯に付着し、ショ糖を栄養にしてグルカンを作ります。グルカンに包まれた細菌の塊は、プラークとなって歯の表面に付着し乳酸を作り出します。乳酸によってプラークの中が酸性に傾くと、プラークに接している歯の表面のエナメル質は溶けてしまいます。この現象を脱灰と呼び、脱灰の状態が続くことで歯に穴が開いて虫歯ができます。歯に穴が開いた状態でもすぐに痛みは感じません。歯の内部にむし歯が進行し、歯髄という歯の神経や血管のある部分にまで細菌が侵入すると強い痛みが出ます。さらに細菌が奥に侵入して顎の骨の中に細菌の巣を作るようになると、顔が腫れあがったり発熱やその他の全身に悪影響が及ぶことがあります。

歯に穴が開く前の初期の状態であれば、歯は再石灰化といってミネラル成分を取り込んで、回復することができます。健康な人の口腔内では、脱灰と再石灰化が繰り返されています。

お菓子メーカーLOTTEのウェブサイト中で、虫歯のリスクについてわかりやすく紹介されています。ご参考ください。
https://www.lotte.co.jp/products/brand/xylitol/scene/index.html

歯周病

歯周病は歯を支える歯肉や骨(歯槽骨)などの組織が壊れていく病気です。厚労省の調査では、40歳以上の日本人は約8割以上の人が歯周病であるという調査結果も出ています。

歯周病の原因は虫歯の原因と同じくプラークです。プラークの中で増殖した歯周病菌が産生する毒素が歯肉の腫れや出血をおこし、進行すると歯槽骨を破壊して歯を失う原因となります。

歯周病になりやすい因子はいくつかあり、それらが重複するほどリスクが高まると考えられます。

・微生物因子:口内フローラのバランスと歯周病菌の存在。

・環境因子:適切な口腔ケアの習慣と定期的歯科検診の有無、食習慣、喫煙、ストレスなどの生活環境。

・宿主因子:年齢、疾患の有無、遺伝的要素、免疫力の低下など。

・咬合因子:噛み合わせやそれまでの歯科治療の状態、義歯使用の有無など。

これらの因子の中には、自分ではコントロールが難しいものも含まれますが、環境因子には自分でコントロールできるものが多く、歯周病のリスクを減少するために重要です。

口臭

口臭の原因の多くは口腔内にあり、口内フローラが大きく関係しているといわれます。口腔常在細菌が食べ物の残りかすや新陳代謝ではがれ落ちた粘膜など、口腔内のたんぱく質を分解することが口臭の主な原因のひとつです。においの強さは口腔常在細菌の種類やバランス、口腔内の汚れやだ液の分泌量などによっても異なります。

口内フローラが全身に与える影響

歯周病によってリスクが高まる全身疾患を、日本歯周病学会ではペリオドンタル・シンドローム(歯周病関連全身疾患症候群)と呼びます。口内フローラのバランスが崩れることで歯周病菌などの悪玉菌が増殖すると、全身に悪影響が及ぶことがあります。

誤嚥性肺炎

口腔内の清潔が保たれないと、プラークが増えて口内フローラのバランスが崩れます。歯周病菌などの有害な微生物が増殖し、だ液とともにそれらを飲み込むことで気管や気管支の粘膜、肺で炎症を引きおこすことがあります。嚥下機能の低下した高齢者などでリスクが高く、重症化すると命にかかわることもある重大な疾患です。

脳卒中・心筋梗塞

口腔内の歯周病菌が歯肉から血管内に侵入し、血管の内壁でアテローム性プラークの形成に関与していると考えられています。このアテローム性プラークの蓄積によって血管が狭くなったり、血管を傷つけたり、大きくなったプラークが破裂したりすることで、脳卒中や心筋梗塞などがおこる可能性があります。

認知症

国内外で歯周病菌が認知機能へ与える影響について、さまざまな研究が行われています。アメリカの大学の研究チームによって、慢性歯周病の原因菌がアルツハイマー型認知症患者の脳内で確認されたという研究結果が発表され、歯周病と認知機能の関係について解明が進んでいます。

糖尿病

進行した歯周病がある場合、炎症によって生じた物質(CRP)やサイトカイン(主に免疫細胞から分泌されるたんぱく質)が血液中に入り、全身をめぐります。CRPは肝機能の低下やブドウ糖の代謝障害を引きおこし、サイトカインは筋肉細胞や脂肪細胞に作用して糖代謝を妨げる働きをします。そのためインスリンの作用が低下して、糖尿病が悪化することがあります。

早産・低体重児出産

歯周病菌や歯肉の炎症などによって産生された物質が血液中に入ると、血液中のプロスタグランジン(体内で作られるホルモンに似た働きをする生理活性物質)などが子宮の収縮を早めるため、早産や低体重児出産のリスクが高まるといわれます。

口内フローラを整えるために

口内フローラを整えて良好に保つために、日常的にできることがあります。

口腔ケア

何よりも大切なのは適切な口腔ケアです。口腔内に汚れがたまった状態では、口内フローラを良好な状態に保つことはできません。

就寝中はだ液の分泌が減少するため、最も雑菌が繁殖しやすい時間帯といえます。朝起きたら、まず歯みがきを習慣にしましょう。食後の歯みがきにデンタルフロスや歯間ブラシを併用することで、歯みがきがより効果的なケアとなります。またセルフケアでは落としきれない汚れもあります。定期的に歯科健診を受けて、専門的クリーニングを受けることも口内フローラを良好に保つためにはとても有効です。

ドライマウス対策

だ液の分泌量が減少して口腔内が乾燥することをドライマウスといいます。ドライマウスの原因は、ストレスや習慣的な口呼吸、疾患や薬の副作用など多岐にわたります。だ液には自浄作用があるため、十分にだ液が分泌されていることは、良好な口内フローラを保つためにとても大きな役割を果たしています。

バランスの良い食生活

規則正しいバランスの整った食生活は、良好な口内フローラを保つためにも必要です。決まった時間に食事を摂りダラダラと食べないことや、食間に甘いおやつを食べすぎないこと、食事をよく噛んで食べ、十分なだ液が分泌されることなど、良好な口内フローラの維持には、正しい食習慣が欠かせません。

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キシリトール

キシリトールは自然界にも存在する、糖アルコールという甘味炭水化物の一種です。ガムやお菓子などに使われるキシリトールは白樺や樫の木などの期から抽出されるキシランヘミセルロースを原料として作られています。キシリトールにはだ液の分泌を促進する作用と再石灰化を促進する作用があります。

これらの作用はソルビトールなど他の糖アルコールも持つ作用です。他にもキシリトールだけがもつ作用として、酸を作らずに歯垢の中の酸を中和する働きがあり、虫歯の原因となるミュータンス菌の代謝を阻害する働きがあります。

ロイテリ菌の働きとその効果

善玉菌を増やして、虫歯や歯周病の原因となる悪玉菌を減らすことで、病気のリスクを軽減することをバクテリアセラピーといいます。歯みがきや歯科検診と合わせて歯周病予防の新しい方法として注目されています。

ロイテリ菌(ラクトバチルス・ロイテリ)はアンデス山中で暮らすペルー人女性の母乳から発見された乳酸菌です。もともとは日本人の体内にも存在し、母乳を通じて受け継がれていた乳酸菌ですが、食習慣や生活環境の変化によってロイテリ菌の保菌者は減少し、現在の日本人では7人に1人しか保有していないといわれています。

多くの乳酸菌は人の体内に定着しにくく排出されてしまうのに対して、ロイテリ菌は胃酸や胆汁に強く、消化管に定着して増殖できるため、効果が出やすいと考えられています。

歯周病菌や虫歯菌の抑制

ロイテリ菌は、口腔内でロイテリンという抗菌物質(抗生物質)を作り出すことができます。この抗菌物質には歯周病菌や歯垢の中の悪玉菌を抑制する働きがあることがわかっています。これまで歯科の治療にも抗菌剤(抗生剤)は使用されてきましたが、それらは歯周病や虫歯の原因となる悪玉菌だけではなく、人に有益な善玉菌の数も減少させてしまうため、口内フローラのバランスを崩してしまうこともありました。

また多くの抗菌剤は常用できないため、一時的な効果しか得られません。しかしロイテリ菌は悪玉菌を減らし、善玉菌の増殖を助け、さらに副作用は確認されていないため、継続して安全に摂取することで予防に役立ちます。

免疫システムに関与

ロイテリ菌は腸内にも定着し、免疫細胞を活性化させる働きもあるといわれます。風邪などの感染症や、アトピー性皮膚炎などのアレルギー症状を低減するという結果も報告されています。

ピロリ菌の除去

ピロリ菌感染は胃がんの発症に深くかかわっています。日本人のピロリ菌感染者は50代以降では60~70%と推計されていてとても高い感染率といえます。

ピロリ菌の除菌には抗菌剤を使用し、高い割合でピロリ菌の除去が可能ですが、除菌治療とロイテリ菌など乳酸菌によるプロバイオティクスの摂取を並行して行ったところ、ピロリ菌の除菌率が上がったという実験結果が多く発表されています。

胃酸の分泌を抑える薬と、ロイテリ菌によるバクテリアセラピーを同時に実施したところ、約半数の被験者においてピロリ菌が消滅したという実験結果もあるそうです。

ロイテリ菌を摂るには

ロイテリ菌を含んだヨーグルトや、タブレットタイプやトローチタイプのロイテリ菌を配合したサプリメントが販売されています。適切な口腔ケアと併用することで、良好な口内フローラの維持に役立つ可能性があります。

口内フローラと健康との関係まとめ

口内フローラのバランスを良好に保つには毎日の口腔ケアが基本ですが、バクテリアセラピーを組みわせることで、より効果的に口腔内の環境を良好に保つことが期待できます。興味がある場合は、かかりつけの歯科医師や歯科衛生士に相談し、適切な方法についてアドバイスを受けましょう。

この記事の作成者:S.M(管理栄養士)
この記事の提供元:シルバーライフ

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