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腎臓病の食事のポイント

作成日:2019年7月10日

こんにちは!配食のふれ愛のコラム担当です!
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腎臓病の食事のポイント

食事に注意が必要な慢性疾患の中でも、腎臓病の食事療法はコントロールが難しい食事内容になることがあります。腎臓病と一言で言ってもその原因や病態、重症度によっても食事療法は異なります。

今回は慢性腎臓病の食事療法について、大まかなポイントを紹介します。

腎臓病の食事、4つのポイント

腎臓病の食事療法の基本となるポイントは4つです。重症度によって制限の具体的な内容は異なります。

たんぱく質の制限

体の中でたんぱく質が代謝されると、窒素化合物が残ります。この窒素化合物は腎臓でろ過されて尿中に老廃物として排泄されるので、たんぱく質を多量に摂取すると腎臓に負荷がかかり腎機能の悪化につながります。たんぱく質の摂取量を制限するのは、腎臓への負担を軽減して腎臓を守ることが目的です。

たんぱく質の量が制限される分、少ない量でもアミノ酸バランスの良いたんぱく質を摂ることも大切です。

エネルギーを十分に摂る

食事からのエネルギー(カロリー)が不足すると、筋肉組織などの体内に蓄えられているたんぱく質をエネルギー源として消費してしまいます。結果として窒素化合物が排泄されるので、腎臓に負担がかかることになります。たんぱく質を制限しているときは、糖質と脂質でエネルギーを十分に補うことが必要です。

減塩

摂り過ぎた塩分は、やはり腎臓の働きによって尿中へ排出されます。また血圧が高い場合は、腎臓に集まっている血管に悪影響を及ぼすため、塩分の制限は重要です。

カリウムの制限

腎臓の機能低下が進むと、カリウムの排泄ができなくなってきます。血液中のカリウム量が増加すると、心臓に悪影響が及びます。カリウムは野菜や果物に多く含まれていますが、水にさらしたり、ゆでこぼすことで水中に流れ出ます。カリウムの制限が必要となった場合は、野菜や果物の生食は控えるようにしましょう。

慢性腎臓病(CKD)について

慢性腎臓病は、①たんぱく尿、②GFRの検査値が60mL/min/1.73㎡ のいずれか、または両方が3か月以上続いたときにCKD=慢性腎臓病と診断されます。

eGFR(推算GFR:糸球体ろ過量)

推算糸球体ろ過量(eGFR)は、腎臓が老廃物を尿中へ排泄する能力をあらわしています。eGFRの値が低いほど、腎臓の機能が悪いということです。健康診断で測定されることもありますが、18歳以上であれば血清クレアチニン値と年齢、性別から計算することができます。

協和キリンの慢性腎臓病についてのサイトです。血清クレアチニン値と年齢・性別を入力するとeGFRがチェックできます。
https://www.kyowakirin.co.jp/ckd/check/check.html

CKDのステージとは

CKDはGFRの数値によって5段階のステージに分けられています。

・ステージ1・2
ステージ1は「腎機能は正常または高値」、ステージ2は「腎機能は正常または軽度に低下している」と推定されます。ステージ1と2では自覚症状があらわれることはほとんどありません。GFRの数値が低めでも、たんぱく尿の症状がなければCKDではありません。たんぱく尿の症状がある場合には、医療機関を受診しましょう。

この時点であれば腎機能の回復の余地があるので、この段階で受診をして治療を開始することはとても大切です。治療は現在の生活習慣を見直して、腎機能に悪影響を及ぼす危険因子を取り除くことが基本となります。糖尿病、高血圧、肥満、脂質代謝異常、喫煙などがある場合はその改善が必要です。食事療法では肥満の改善と塩分の制限が重要となります。

・ステージ3
ステージ3は3aと3bに分けられています。ステージ3aは「腎機能は軽度~中等度に低下している」、ステージ3bは「腎機能は中等度~高度に低下している」と推定されます。CKDが疑われるため、速やかに医療機関の受診が必要です。むくみや疲労感、倦怠感などの自覚症状もあらわれ始めます。治療は原因となる疾患の治療と生活の改善、食事療法に加えて薬物治療も開始されます。

・ステージ4
ステージ4は「腎機能は高度に低下している」と推定されます。腎機能は約30%以下に低下していて、もとの状態には機能を回復できない段階と考えられます。むくみや尿量の減少、高血圧の進行、貧血などのいろいろな症状があらわれ、腎機能を維持することが治療目標となります。透析治療の開始を遅らせるため、より厳しい食事療法や生活習慣の改善、薬物療法が必要となります。

・ステージ5
ステージ5は「末期腎不全」と推定されます。腎機能は極度に低下していて、腎臓に変わる働きをする、血液透析や腹膜透析、腎移植などの腎代替療法の検討が必要となります。

CKDのステージ別食事療法基準

ステージ
(GER)
エネルギー
(Kcal/体重㎏/日)
たんぱく質
(g/体重g/日)
食塩
(g/日)
カリウム
(㎎/日)
ステージ1
(GFR≧90)
25~35過剰摂取しない3≦
<6
制限なし
テージ2
(GFR60~89)
ステージ3a
(GFR45~59)
0.8~1.0
ステージ3b
(GFR30~44)
0.6~0.8≦2000
ステージ4
(GFE15~29)
≦1500
ステージ5
(GFR<15)
状態に応じて調整

・エネルギー
ステージ1~4で、1日あたりのエネルギー(カロリー)量は「体重×25~30Kcal」の範囲で調整されます。体重は基本的に標準体重(BMI=22)を用いて、肥満や糖尿病がある場合は病態に応じて調整する場合があります。また年齢や性別、身体活動度などによっても1日あたりのエネルギー量の設定は異なります。

・たんぱく質
ステージ1、2では特に数値での制限は設けていませんが、たんぱく質に偏った食事にならないよう注意が必要です。

ステージ3~4(病態によっては5)の1日あたりのたんぱく質量は「体重×0.6~1.0g」の範囲で調整されます。エネルギー量と同様に、体重は基本的に標準体重(BMI=22)を用いて、肥満や糖尿病がある場合は病態に応じて調整する場合があります。

腎臓を守るためにたんぱく質の制限はとても重要となります。例えば体重60㎏の人がたんぱく質1.0g/体重/日で調整した場合は、1日に60gのたんぱく質を摂ればよいことになります。たんぱく質の供給源となる主な食品は、肉、魚、卵、牛乳・乳製品、豆・豆製品などです。

例えば卵1個(50g)に含まれるたんぱく質量は6.2g、牛乳1杯(200ml)に含まれるたんぱく質は6.6g、納豆1パック(40g)では6.6gです。肉や魚はその種類や部位によって異なります。

ここで忘れてはならないのが、たんぱく質は肉や魚だけでなく、主食となるごはんやパンにも含まれているということです。

ごはん1膳(180g)には4.5g、食パン6枚切り1枚には5.6g、ゆでうどんⅠ玉(240g)には6.2gのたんぱく質が含まれています。これら主食に含まれるたんぱく質を考慮しないと、たんぱく質の摂り過ぎになってしまいます。しかし主食の量をむやみに減らすと、エネルギーの確保ができなくなることがあります。

肉や魚などから良質のたんぱく質を摂り、エネルギーも確保するためには献立や調理方法を工夫することも大切ですが、たんぱく質量を調整した病者用食品などを利用することで献立の幅も広がります。

・食塩
ステージ1~4で、1日あたりの食塩は3~6gです。現在日本人の平均的な食塩摂取量は10gを超えています。食塩を1日6g以下にするには、通常の食事の約半分の食塩量と考えてみましょう。

日本人の多くの人に毎食汁物を飲む習慣がありますが、みそ汁などの汁物は1日1杯、具だくさんにして汁は残すようにしましょう。うどんやラーメンなど麺類の汁も必ず残します。丼物やチャーハンなどの味付きごはん、酢めしにも食塩が含まれるので要注意です。

自分で調理する場合は下味はつけず、調理後、食べるときに味をつける方が少量の調味料で味を感じることができます。お酢やマヨネーズなど塩分の少ない調味料をうまく使いましょう。

・カリウム
ステージ1~3aでは、カリウムは特に制限の必要はありません。なぜステージ3bからはカリウムの制限が必要になるかというと、腎機能の低下によって本来体外に排出されるはずのカリウムが体内に溜まり、高カリウム血症を引き起こすことがあるためです。血中にカリウムが増えると心臓に負担がかかるので、心臓を守るためにカリウム制限が必要となります。

カリウムは野菜や果物に多く含まれていますが、水にさらしたり、ゆでこぼすことで水中に流れ出すので、調理前の下処理でカリウムの量は減らすことができます。野菜や果物の生食をしないことと、野菜を煮た煮汁(野菜やいも類の入った汁物の汁やスープ類も)にもカリウムが流出しているため、飲まないように注意しましょう。

透析食とは

腎機能の低下が進み透析療法が開始されると、食事療法の内容も変わります。血液透析の場合と腹膜透析の場合では制限の内容は異なります。

CKDステージ5D(透析)の食事療法

ステージ
5D
エネルギー
(Kcal/体重㎏/日)
たんぱく質
(g/体重g/日)
食塩
(g/日)
水分カリウム
(㎎/日)
リン
(㎎/日)
血液透析
(週3回)
30~350.9~1.2<6できるだけ控える≦2000≦たんぱく質×15
腹膜透析30~350.9~1.2PD除水量(L)×7.5+尿量(L)×5PD除水量+尿量基本的に制限なし≦たんぱく質×15
※PD=腹膜透析

透析療法が開始されると、エネルギーとたんぱく質の摂取量は、それまで腎機能の低下によって制限が厳しくなっていた場合は、やや制限が緩やかになったと感じることもあります。性別や年齢、合併症、身体活動度などの他に、透析実施前後の状態変化も考慮するため、食事療法の内容は一人一人で異なるといえます。

また水分摂取量の制限やリンにも制限が加わることがあるので、医師の指示に従いましょう。具体的な食事療法の方法や注意点については管理栄養士に相談しましょう。

特別用途食品、その他の保健機能食品の利用

たんぱく質に制限が加わると、食事の内容が物足りなく感じがちです。しかもエネルギーは十分に摂る必要があるとなると、献立の内容も油を使用する調理方法に偏り、レパートリーに乏しくなることがあります。家庭での食事療法は毎日のことですから、一般の食材だけを使って制限を守ろうとすると食事そのものが負担となってしまい、継続が困難となってしまいます。

特別用途食品

特別用途食品とは、乳児の発育や妊産婦、授乳婦、えん下困難者、病者などの健康の保持・回復などに適するという特別の用途について表示を行うもので、その表示について消費者庁長官の許可を受けた食品のことです。その特別用途食品の中の病者用食品には、低たんぱく質食品が含まれます。

低たんぱく質食品

腎臓病の食事療法に役立つ低たんぱく質食品は、現在その品目も種類も増え、おいしく手軽に使用できるようになっています。低たんぱく質食品の中には病者用食品として許可を受けた食品と、そうでないものがあります。

もちろん病者用食品として許可を受けた物は安心して利用することができますが、許可を受けていなくても、多くの食品メーカーから便利でおいしい食品が販売されています。

・主食(ごはん、パン、めんなど)
ごはん、パン、めんなどにもたんぱく質は含まれています。低たんぱくごはん(米)や低たんぱくパン、低たんぱくめんなどを利用することで主食に含まれているたんぱく質を減らして、その分を肉や魚などの動物性たんぱく質におきかえることができます。そうすることで良質なたんぱく質が摂取でき、メインのおかずにボリュームが増すため、食事の内容にも満足感が得られるようになります。

特にトレータイプのパック入りごはんは手軽なだけではなく、たんぱく質の含有量にも種類があるため、自分のたんぱく質制限に合わせて選ぶことができます。パンやめんも種類が豊富で、パンは食パン、ロールパン、クロワッサンなど、めんではうどん、そば、中華めん、パスタなども低たんぱく質の商品があります。

・レトルトおかず
一般的なカレーやシチューの他にも、豊富なメニューがあります。たんぱく質量の記載の他にエネルギー量や食塩量の記載もあるため、食事の調整がとても簡単にできます。

・デザート
あんこを使った和菓子や卵や乳製品を使った洋菓子も、たんぱく質を多く含みます。たんぱく質の含量が少なくエネルギーが高いデザート類は、制限のある食事に楽しみを加えることができます。

・セットメニュー、弁当
低たんぱく質のレトルトおかずのセットや冷凍のお弁当は、買い置きをしておくことで日常の食事に余裕が持て、忙しいときの食事に対するストレスが軽減できます。また災害時の非常食としても、一定量を買い置きしてローリングストックをすることをおすすめします。

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まとめ

腎臓病の食事療法は一人一人の病態や重症度で内容が異なり、他の慢性疾患と比べて難しいといえます。さらに長期間に渡って毎日継続しなくてはならないことから、食事自体がストレスになりかねません。

腎機能の低下の原因となる生活習慣の改善と、腎機能の低下を早期発見し、治療を開始することが最も大切ではありますが、腎臓病の食事療法が必要となった場合も、市販の食品などを上手に利用しながら、腎臓を守っていきましょう。

この記事の提供元:シルバーライフ

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