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ひと昔前なら腎臓病を患っておられる方は、そんなに多くなかったように感じます。
しかし、最近の調査では成人の8人に1人が慢性腎臓病(CKD)だとも言われています。
慢性腎臓病は、他の病気と同じく早めの治療や対処が重要ですし、病気を進行させない工夫も大切です。
そこで今回は、腎臓病の基礎知識をお伝えしながら、腎臓病の治療や対処に欠かすことができない食事で使う「食材」のこともお話していきたいと思います。
目次
腎臓病とは?原因と種類
はじめに、普段私たちが胃や腸や心臓、肺のように気にすることが多くない腎臓について。そして腎臓病について見ていきましょう。
腎臓の働きを知ろう
腎臓の働きを理解している方は、医療関係者くらいかもしれません。それくらい腎臓とは静かに働いてくれている臓器の一つなのです。
では、腎臓はどのような働きをしてくれているのかというと、次の5つの働きが代表的です。
(1)老廃物を尿として排出する
血液中の老廃物や有害物質は、放っておくと体内へ溜まり続けます。それでは健康なカラダを維持することができません。
そこで腎臓は、老廃物や有毒物質を尿として体外へ排出することで除去してくれています。
(2)体内の水分量を調整する
カラダの中には、適した水分が必要です。多すぎても少なすぎてもカラダは健康な状態を維持できません。
一定に維持することが私たちのカラダには求められるのです。では、どうやって水分量を調整しているのかというと、腎臓が尿を排出することで体内に必要な水分量を一定に保ってくれているのです。
(3)筋肉の収縮などにも関わっている
筋肉の収縮によって私たちは活動することが出来ています。こういった活動を順調に行うためには、カラダの中で使う電解質のバランスも大切なポイントになってきます。
腎臓は、カラダに複雑な動きを要求されたときに使われる電解質のバランス調整も行っているのです。
(4)血圧の調整
腎臓では赤血球をつくるために必要な物質をはじめ、血圧上昇作用、血圧低下作用をもつホルモンが作られます。
具体的には
・エリスロポエチン
・レニン
・キニン
などです。
こういったホルモンがバランスよく作られないと、快適に暮らすために必要な季節や温度にあわせた血圧を維持するのは難しくなってきます。
(5)骨
骨を強化するためには、ビタミンDが必要です。
腎臓はビタミンDの活性化も行っています。
このように腎臓は他の臓器とは違い、普段はあまり気にすることがないと思います。胃や腸のように痛みを感じることも少ないですから、知っていないと何もわからない臓器のままという方もいらっしゃることでしょう。
少しで構いませんので、今回の内容をきっかけにして、私たちのカラダの健康を維持するために腎臓が静かに働いていることを知っていただけると光栄です。
腎臓病はどんな病気?
腎臓病とは、腎臓の中にある「糸球体(しきゅうたい)」や「尿細管」が破損することで、腎臓が静かに行ってきた働きが低下する状態です。
尿として老廃物が排出されにくくなる。
体内の水分量の調整や電解質のバランスが崩れてくる。
血圧を調整するホルモンなどが作られにくくなる。
骨を強くするビタミンDの活性化ができにくくなる。
このようなことが引き起こされるため、外から見たカラダはいつもと何ら変わりないように見えていても、内側では少しずつ無理を強いられていることもあります。
腎臓病には2つの種類がある
腎臓病には、次の2つの種類があります。
(1)急性腎臓病
腎臓病を患うことで感じる症状や、腎臓が行う働きの低下を短期間で感じるようになります。
急に尿の出が悪くなる。
カラダがむくみやすい。
など、感じやすい状態ですので、早期の治療に結びつくことが多い状態です。また、早期に適切な治療を行うことで回復することも可能だと言われています。
多くの場合、急性腎臓病は、急性糸球体腎炎やケガによる一時的な腎臓機能の低下が原因と言われています。
(2)慢性腎臓病
こちらは徐々に、静かに腎臓病が進行する状態です。急性よりも慢性が問題なのは、腎臓病が進行していても自覚症状がほとんどないというところでしょう。
少しずつ進行するので気に留めることもなく、病院に治療へ行く方も多くないのが現状だと思います。しかし、慢性腎臓病で症状を感じ始めたときは、かなり進行していますので一時的な入院などが必要になることもあります。
また、糖尿病などを併発する可能性も高くなるため、思っている以上に重症化していたり、複数の病気を治療しなくてはいけなかったりすることもあり得ます。
国民病ともいえる腎臓病
慢性腎臓病(CKD)の患者数は、推測で180万人を超えていると言われています。
どうして推測なのかというと、治療を行っている人の数しかわからないためなんですね。自覚症状がないため、未だ治療を行っていない人も相当数いらっしゃると思いますので、このような数字しかわかっていないのです。
しかし、ここで注目することは、慢性腎臓病の疑いのある患者が増えていることでしょう。これは糖尿病と同じように「国民病」と呼んでもおかしくない状態だと言えます。
腎臓病は予防が重要ですし、健康診断などを通して数値の異常が見られた場合には、病院で検査や治療を行うようにすることが大切です。
腎臓病は治療せずに放っておくと「いつの間にか完治していた」ということがない病気です。進行することはあっても完治することはありません。
そして、腎臓病は放っておくと、
・腎不全
・心筋梗塞
・心不全
・脳卒中
などを引き起こす原因にもなると言われていますので、いつまでも健康なカラダを維持するためには、静かな臓器のメッセージを受け流すのではなく、しっかりと受け取って検査をしてみることが大切です。
腎臓病の症状とステージ
腎臓病の症状と経過について少し見ておきましょう。
もしかすると、あなたもこれからお話するステージの中にいるかもしれません。
6つのステージ
腎臓病は腎臓の機能状態によって下のようにステージが決まります。
CKDの重症度分類(CKD診療ガイド2012)
原疾患 | ステージ | 蛋白尿区分 | |
GFR区分(ml/分/1.73m2) | G1 | 正常または高値 | >=90 |
G2 | 正常または軽度低下 | 60~89 | |
G3a | 軽度~中等度低下 | 45~59 | |
G3b | 中等度~高度低下 | 30~44 | |
G4 | 高度低下 | 15~29 | |
G5 | 末期腎不全 | <15 |
出典:日本腎臓学会-エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2018より抜粋
URL:https://cdn.jsn.or.jp/data/CKD2018.pdf
G2までであれば、生活改善や適切な治療によって回復する可能性が高くなります。
G3以上になると、治療によって悪化を防ぐことはできますが、完全に回復することは難しいと言われています。
このようなステージを見ると、腎臓病は早期発見から早期の治療、そして生活改善が重要なことがわかります。
症状について見ていきましょう
先ほども少しふれましたが慢性腎臓病の場合、初期は自覚症状がほとんどありません。
ステージがG1になったときでも、尿から蛋白が少し多めに排出される程度なので、自覚症状はほとんどないでしょう。そして腎臓の機能も正常に働いています。
ステージG2になると、腎機能の低下が認められます。とはいえ、認められるのは健康診断などで検査したときです。まだ、このステージでは自覚症状はありません。
ステージG3に入ると腎臓の機能低下が進み
・尿に蛋白が多く含まれる
・血尿が出る
・むくみやすくなる
・血圧が上昇しやすい
・尿の量が増える
という症状が感じられます。ここで「おかしいな」と感じられ診察を受けられた場合は、早期に悪化を防ぐことができるでしょう。
ステージG4に入ると、腎不全を起こしていることがあります。
体内の老廃物などが尿と一緒に排出されにくくなっているため、
・だるさ
・吐き気
・食欲不振
・頭痛
・呼吸困難
・貧血
このような症状を感じる方も出てきます。G4ステージの場合は、これまでの健康診断で数値異常を指摘されているはずです。速やかに診察されることが必要です。
ステージG5になると腎不全を起こしていますので、専門医の治療が必要になるでしょう。
このように腎臓病は、放っておくとステージがどんどんと進行します。そしてステージが進行する度に、回復しづらくなっていきます。
適切な治療と生活改善によって腎機能を助けることを意識しておきましょう。
腎臓病の治療に必要なこと
腎臓病の治療には、次からお話する方法が必要になってきます。
腎臓病はお薬だけで治療できるものではありません。私たちが治療で意識しておきたいことは、腎臓の働きを助けるようにすることです。
お薬
腎臓病は自然に治癒することはないと言われています。ですから、腎臓の機能を助けるために、お薬の服用は必要になってきます。
医師から処方された、あなたの症状やステージに必要なお薬をきちんと服用するようにしましょう。
食事
腎臓病はお薬を使った治療と平行して、これ以上症状を悪化させないために食事にも気をつけることが大切です。
食塩の制限や、タンパク質の制限。
リンやカリウムなどの制限も必要になってきます。
生活
肥満の改善や予防のためには、無理のない程度にカラダを動かすことも必要になってきます。
また、ストレスを溜めない工夫や、長時間労働などを避ける工夫。
疲れを溜めないように心掛けた生活改善も重要です。
合併症予防
腎臓病で気をつけておきたいのは合併症です。
カラダの中に溜まる不要な物質を排出しにくくなっていますから、他の病気を引き寄せやすくなってしまいます。
また、食事制限で間違った制限をすることで、栄養不足が起こることもありますので、風邪やインフルエンザから別の病気を引き起こす可能性もゼロではありません。
食事療法が大切な理由
それでは治療の中で毎日の暮らしに根付いている「食事療法」について見ていきましょう。
食事療法の目的
どうして食事療法を行うのか。
その理由とは
・腎臓病の進行を遅らせること
・体調を良好に維持すること
この2つが大きな目的となります。また、腎臓は常に働いてくれていますので、できるだけ食事療法によって腎臓の働きを軽くすることも目的の一つだといえます。
食事療法のポイント
腎臓病での食事療法には3つのポイントがあります。
(1)食塩の制限
食塩のとりすぎは、水や塩分のバランスを取ることを難しくします。腎臓の働きを軽くするためにも、
また、むくみや高血圧を引き起こしにくくするためにも、食塩の制限は大切なポイントとなります。
(2)エネルギーの摂取
食事療法で「制限がある」と聞くと、何でも制限しなくてはいけないように感じる方もいらっしゃいます。
しかし、私たちのカラダには適切なエネルギーがないと、活動することも内臓を回復させる力も出てきません。
適切なエネルギー摂取は大切なポイントです。
(3)タンパク質の制限
タンパク質が少なすぎると、筋肉など大切な部分を作ることができなくなります。しかし多すぎると腎臓に負担がかかりますので良くありません。
これが難しいところではあるのですが、タンパク質は腎臓の負担にならない程度に摂取することが大切なのです。
食事療法で目指したいこと
食事療法における、それぞれの制限や注意点を見ていきましょう。
食塩の制限
食塩の摂取は1日に6g未満が理想です。
とはいえ、なかなか難しいところでもあります。
そこで減塩を行うためには、次の点に注意してもらいたいと思います。
(1)調味料はきちんと計って計算する
ついつい使いすぎてしまいますので、数字で判断しましょう。
(2)質の良い調味料を使いましょう
質の良いものは、うまみ成分が多いため、少量でもおいしく食べられます。
(3)加工品は回数を減らそう
加工食品はどうしても塩分が高めになりやすいです。
食べる回数を減らすようにしておきましょう。
タンパク質の摂取
タンパク質は「適量」の摂取が必要です。そこで通院されている医師や管理栄養士に、あなたの症状にあわせたタンパク質の摂取量を計算して教えてもらいましょう。
そして、普段食べることの多い食材には、どれくらいのタンパク質が含まれているのか、目安を教えておいてもらうと外食でも制限しやすくなります。
エネルギー不足の注意
エネルギーもタンパク質と同じです。
通院されている医師や管理栄養士に、あなたの症状にあわせたエネルギーの摂取量を計算して教えてもらいましょう。
タンパク質やエネルギーは、腎臓に負担をかけない量を食べることが大切です。医師や管理栄養士の指導の元で行うのが、健康を維持する最適な方法です。
控えたい3つの栄養素
症状によっては、次の3つの栄養素の制限が必要になる方もいらっしゃるでしょう。
・カリウム
・リン
・水分
管理栄養士に、どのような食品に3つの栄養素が多く含まれているのか教えてもらい、もっとも良く口にする食材は特に注意しておくことが必要です。
食材別栄養価リスト
ここでは、普段の生活で食べることの多い食材について見ておきましょう。
エネルギー | タンパク質 | 水分 | 食塩相当量 | ||
玄米 | 1合150g | 530kcal | 10.2g | 22.4g | 0g |
精白米 | 1合150g | 537kcal | 9.2g | 22.4g | 0g |
切り餅 | 1個50g | 117kcal | 2.0g | 22.3g | 0g |
オートミール | 6g | 23kcal | 0.8g | 0.6g | 0g |
食パン | 6枚切り1枚60g | 158kcal | 5.6g | 22.8g | 0.8g |
バターロール | 小1個30g | 95kcal | 3.0g | 9.2g | 0.4g |
クロワッサン | 1個40g | 179kcal | 3.2g | 8.0g | 0.5g |
うどん(ゆで) | 1玉240g | 252kcal | 6.2g | 180.0g | 0.7g |
そば(ゆで) | 1玉170g | 224kcal | 8.2g | 115.6g | 0g |
牛バラ | 1枚25g | 107kcal | 3.2g | 11.9g | 微 |
豚もも(脂身なし) | 150g | 222kcal | 32.3g | 106.8g | 0.2g |
鶏もも(骨付き) | 1本300g | 428kcal | 34.9g | 143.9g | 0.4g |
出典:日本食品標準成分表2015年版(七訂)より
URL:https://fooddb.mext.go.jp/
このような食べることの多い食材ですが、食材そのものは腎臓病の方にとって良い食材だと言えます。
また、卵や牛乳、プレーンチーズなども塩分は少ないですので、良い食材だといえます。
ここで注意しておきたいことは、多くの食材(野菜や魚も含めて)は、良い食材なのですが加工されることで変化するということです。
鶏肉が唐揚げになると、脂分や濃い味付けのために塩分が増える可能性があります。
豚の生姜焼きなども生姜の味には塩分は多くありませんが、濃い味付けにするため塩分を多く入れているところもあるでしょう。
カレーなども同じです。スパイスの辛さなら塩分は少ないですが、塩の辛さで作られているのなら、1食で6gを簡単に超えてしまうこともあります。
ですので、食事をするときには食材を選ぶことも大切ですが、
・濃い味付けだな
・塩分が強いな
・量が多いな
と感じられた場合には、残す勇気をもっていただきたいと思います。
日本人は食事を残すことに、罪悪感を持つ方が多いですが、健康維持のためには残すことも必要です。
いつも行くお店であれば、最初から「少なめ」をオーダーするなど、少し工夫することで、食事療法をスムーズに進めることができるでしょう。
食材選びとあわせて、料理の方法、味付け、食べる量を総合的に考えていただくことが、腎臓への負担も、あなたへのストレスも軽減できる方法だと思います。
腎臓病の人に良い食事まとめ
腎臓病の疑いがある方や、通院や治療中の方には、今回お伝えしましたような栄養素を意識しながら、良い食材を選んでいただき食事療法をスムーズに進めていただきたいと思います。
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