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身体に良い!?悪者じゃない!?脂質について解説

身体に良い!?悪者じゃない!?脂質について解説

肥満を予防したり、コレステロールを上げないようにしたりするためにも脂質はなるべく摂らない方が良いと思われがちですが、実は脂質の中には身体にとって良い働きをするものもあります。ここでは、身体にとって良い脂質と悪い脂質の違いについて解説します。

3大栄養素の1つ『脂質』とは?

脂質と聞くと、揚げ物やケーキなどの洋菓子をイメージし、身体に悪い栄養素だと思うかもしれません。しかし、脂質は炭水化物、タンパク質に並ぶ、私たちが生きていく上で必要な3大栄養素の1つなのです。脂質にはたくさんの種類があり、体内では多くが中性脂肪として存在しています。脂質を摂取すると、1gあたり9kcalのエネルギーを生じ、身体を動かすパワーの源になります。

また、エネルギーとして使用されない脂質は中性脂肪として貯蔵されます。貯蔵された脂質は体脂肪として体温を保持する機能や、内臓のクッションとして身体を衝撃から守る働きもします。さらに、脂質は細胞膜や血液、ホルモンを作る材料となります。身体にとって欠かせない栄養素である脂質ですが、摂り過ぎは身体に悪影響を及ぼします。脂質の1日の摂取量の目安は、総エネルギー量の20~30%程度です。1日に2000kcal必要な人であれば、50g程度を目安にしましょう。

<推定エネルギー必要量(kcal/日)>

性別 男性 女性
身体活動レベル
30~49歳 2,300 2,650 3,050 1,750 2,000 2,300
50~69歳 2,100 2,450 2,800 1,650 1,900 2,200
70歳以上 1,850 2,200 2,500 1,500 1,750 2,000

※身体活動レベルとは?
Ⅰ:生活の大部分が座った状態で、静的な活動が中心
Ⅱ:座った状態が中心だが、移動や立った状態での作業があったり、通勤・買物・家事・軽いスポーツ等のいずれかを行う場合
Ⅲ:移動や立っている状態が多い生活。あるいは、スポーツなど余暇における活発な運動習慣がある場合

脂質の種類について

脂質は飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の2つに大きく分けられます。これらの違いは炭素と水素の結合の仕方や結合する数などです。飽和脂肪酸は不飽和脂肪酸よりも融点が高いという特徴を持ち、常温では固体となります。例えば、バターやラード、牛脂などが飽和脂肪酸です。不飽和脂肪酸はさらに細かく分けることができます。炭素と水素の結合が9番目で途切れているオメガ9(オレイン酸)という一価不飽和脂肪酸にはオリーブオイルや、アボカドオイル、米油などが該当します。

オメガ9は人間の身体の中でも合成することができる脂肪酸です。他にも、炭素と水素がそれぞれ3番目、6番目で途切れているオメガ3(アルファリノレン酸)、オメガ6(リノール酸)などがあり、これら多価不飽和脂肪酸は人間の身体の中で合成することができないため食べ物から摂取する必要があり、必須脂肪酸とも呼ばれています。必須脂肪酸が不足すると、皮膚炎などを発症する可能性があります。また、人工的に作り出されたトランス脂肪酸は、マーガリンや、ショートニングなどに多く含まれており、食べるプラスチックとも言われる程身体に悪影響を及ぼすとして、欧米では食品に使用することを禁止されています。

オメガ9の効果とは?

オメガ9は悪玉コレステロールを減少し、動脈硬化を予防する効果があります。また、オメガ9は胃での滞在時間が飽和脂肪酸と比較すると短いため胃酸分泌量が少なくなり、胃腸の調子を整える効果が期待できます。オメガ9は必須脂肪酸ではないため、摂取量の目安はありませんが、摂り過ぎてしまうと肥満のリスクを高めます。オメガ9は熱に強く酸化しにくいという特徴があり、体内で活性酸素と結びついて過酸化脂質*になることを防ぎます。

 *過酸化脂質とは?

過酸化脂質とは、肝臓に負担をかけたり発がん性や動脈硬化を促進したりする物質です。

<オメガ9が含まれる油脂>

オリーブ油、アボカド油など

オメガ3の効果とは?

オメガ3にはアルファリノレン酸、EPA、DHAなどの脂肪酸が分類されます。オメガ3には血液中の悪玉コレステロールを下げ、善玉コレステロールを上げる効果や、血の塊ができるのを防ぐ効果があります。

また、中性脂肪を下げるため脂肪肝の予防効果が期待できます。さらに、オメガ3には抗炎症作用やインスリン抵抗性*の改善作用があることから肝臓がんの発症リスクを下げることができると考えられています。

他にもオメガ3には、認知症やうつ病のリスクを軽減したり、大腸がんや乳がんの発症リスクを低下させる働きがあることが分かっています。オメガ3は脂肪酸の中でも酸化しやすいという特徴があり、熱に弱い脂質であるため、火を使わないドレッシングなどに使い、できるだけ早く使い切るようにしましょう。

 *インスリン抵抗性とは?

血糖値を下げるホルモンであるインスリンが分泌されていてもインスリンに対する感受性が低下し作用が鈍くなっている状態を意味しています。糖尿病の原因の1つであり、肝臓がんの発症リスクには糖尿病や肥満が関わっています。

<オメガ3が含まれる油脂>

アマニ油、えごま油、青魚など

オメガ6の効果とは?

オメガ6はオメガ3同様体内で合成できない必須脂肪酸であり、抗炎症作用のあるホルモンの産生に関わったり、血液中のコレステロールを下げる働きをしますが、悪玉コレステロールとともに善玉コレステロールまで減らしてしまうため、摂り過ぎには注意が必要です。また、オメガ3とオメガ6は一方が増えるともう一方の作用を抑制してしまうため、どちらも必要ですがバランスが乱れると生活習慣病のリスクを高めることに繋がります。

厚生労働省の食事摂取基準では、オメガ3とオメガ6の摂取比率は1:4が良いとされています。現代人の食事ではオメガ6を多く摂取しており、オメガ3の摂取は少ない傾向にあります。そのため、意識してオメガ6の摂取を増やすのではなく、むしろ減らすようにしてオメガ3を多く摂取するようにすると良いでしょう。

<オメガ6が含まれる油脂>

コーン油、大豆油、ごま油、大豆油、ベニバナ油など

脂質の悪い種類とは?

摂り過ぎると身体に悪い脂質とは、飽和脂肪酸とトランス脂肪酸です。飽和脂肪酸は主に動物性の脂質に含まれています。飽和脂肪酸を摂り過ぎると、悪玉コレステロールが増加し、動脈硬化や心疾患、脳卒中などの生活習慣病リスクを高めます。

飽和脂肪酸の含有量が多い食品

(100gあたり)

食品 飽和脂肪酸含有量(g)
生クリーム 27.62
クリームチーズ 20.26
鶏皮 16.30
牛サーロイン 16.29
プロセスチーズ 16.00
カマンベールチーズ 14.87
ベーコン 14.81
牛バラ 13.05
豚バラ 12.95
牛ロース 12.19
牛ホルモン(小腸) 11.82
ウインナー 10.11
鶏卵(卵黄) 9.22

トランス脂肪酸は、不飽和脂肪酸には分類されますが、摂り過ぎると飽和脂肪酸同様に悪玉コレステロールを増加させるだけでなく、善玉コレステロールを減少させるため飽和脂肪酸よりも危険視されています。トランス脂肪酸は動物の肉や乳にも微量に含まれますが、天然由来のトランス脂肪酸は比較的安全だと言われています。危険なのは人工的に作られたトランス脂肪酸であり、液体の植物油を人工的に固形化する時や、植物油を200℃以上の高温で処理する過程においてトランス脂肪酸が発生します。

トランス脂肪酸の含有量が多い食品

(100gあたり)

食品 トランス脂肪酸の含有量(g)
ショートニング 1.2~31
味付けポップコーン 13
マーガリン 0.94~13
ファストスプレッド 0.99~10
パイ菓子 0.37~7.3
ハヤシルウ 0.51~4.6
クッキー 0.21~3.8
クロワッサン 0.29~3

世界保健機関(WHO)ではトランス脂肪酸の1日の摂取量は、摂取エネルギーの1%程度(約2g)未満にするよう勧告していますが、日本ではトランス脂肪酸の摂取量を規制していないため、商品によって含有量にはかなりバラつきがみられます。

脂質に関するまとめ

身体に良い脂質は悪玉コレステロールを下げる働きをしますが、いくら健康のためと言えど摂り過ぎには注意が必要です。普段料理で使う油を身体に良い脂質に変えて、身体に悪い脂質は控えるようにしましょう。食生活を改善することで、生活習慣病の予防や再発リスクを低下させることにも繋がります。毎日栄養バランスを考えて食事を作るのは大変、という方は宅配弁当を利用してみてはいかがでしょうか。

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参考:農林水産省 食品中の脂質とトランス脂肪酸濃度

参考:簡単!栄養andカロリー計算! 飽和脂肪酸

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