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HOME > コラム一覧 > 季節の変わり目に要注意 かくれ脱水について / 更新日:2020年6月10日
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季節の変わり目に要注意 かくれ脱水について

季節の変わり目に要注意 かくれ脱水について

自覚がないうちに体重の1~2%の水分が失われた、脱水症の手前の状態を「かくれ脱水(前脱水)」といいます。かくれ脱水のうちに適切な対処をしないと、重症化して命にかかわることさえあります。特に高齢者では、のどの渇きを意識しにくいことがあるため、注意が必要です。

脱水症とは

脱水症とは、体液が不足した状態のことです。単純に水の不足ではなく、体内の水分と電解質が不足している状態をいいます。

体液の役割

体液は、血液やリンパ液、だ液、粘液、消化液、汗、尿などのことを指し、水だけではなく電解質が含まれています。体液に含まれる電解質はごく微量ですが、神経・骨・筋肉・臓器の機能を適正に保つためには欠かせないものです。そのため、水分とともに電解質が不足すると、生命の維持にも危険が及びます。体液は、細胞の内側にある細胞内液と、細胞の外側にある細胞外液に分けることができます。人が生きていくために必要な栄養素や不要となった老廃物などは、細胞内液と細胞外液を行き来しながら運ばれています。

また人には、体温や血圧など周囲の環境の変化にかかわらず、体内の環境を一定に保つ仕組みがあります。この仕組みをホメオスタシス(恒常性)と呼びますが、体液にはホメオスタシスを維持するために重要な役割があります。

脱水症とかくれ脱水

体内では、入ってくる水分量と、体外へ排出される水分量が一定であることで体液のバランスが保たれています。この体液のバランスが崩れて、日常生活や生命の維持に支障が生じた状態を脱水症と呼びます。また脱水症の症状は発症していないけれども、体液が減少し始めている状態をかくれ脱水(前脱水)と呼びます。

脱水症になると、体に必要な酸素や栄養素を取り込めなくなったり、老廃物を排出できなくなったり、体温の調節ができなくなったりします。かくれ脱水のうちに適切に水分補給ができれば、脱水症への進行を防ぎ、命にかかわるような重篤な状態へ陥ることを予防することができるのです。

脱水症とかくれ脱水の症状

血清浸透圧が292~300mOsm/kg/H2Oを脱水症と正常の境界域(かくれ脱水)、300mOsm/kg/H2O以上を脱水症と定義されています。血清浸透圧が正常値を上回ると、めまいや頭痛、吐き気、倦怠感などの症状があらわれ始め、さらに進行すると、けいれんが起きたり、昏睡などの症状があらわれます。かくれ脱水では、のどの渇きや皮膚・口唇の乾燥などの兆候が見られます。

かくれ脱水がおこりやすい状況

脱水症は必ずしも、暑さや汗をたくさんかく環境でおこるものではありません。かくれ脱水の多くは日常の、特に室内で起こることが多いと考えられています。

① 屋内

マンションなどの気密性の高い建物では風通しが悪く、かいた汗が蒸発しにくいため、発汗による体温調節がうまくいかずに、脱水症のリスクが高まることがあります。

② 夜間

日中の気温が高くなってくると、コンクリート製の建物では昼間の熱が放熱されずに、夜間も室内の温度が下がりにくいことがあります。日中の水分補給が不足していたり、夜間にトイレに起きるのを避けるために水分を控えたりすると、眠っている間の発汗によって脱水症のリスクが高まることがあります。

③ 運転中

運転に集中していると、思うように水分補給ができなかったり、トイレが気になって水分補給を控えることがあります。同様に、何かに集中していると、水分補給がおろそかになり、脱水症のリスクが高まることがあります。

脱水症の3タイプ

脱水症は水分と電解質のバランスによって3つのタイプに分けることができます。

①高張性脱水

電解質よりも水分が多く失われ、体液が濃くなった状態といえます。多量に汗をかき、口渇を感じるのはこのタイプです。短時間に多量の汗をかいた場合は、汗中の電解質濃度が高くなるので、電解質も多く失われます。

②等張性脱水

電解質と水分が体液と同じ割合で失われた状態です。下痢やおう吐などで、体液を多量に失った時におこります。

③低張性脱水

水分より電解質を多く失い、体液が薄まった状態といえます。多量に汗をかいて電解質を失った時に、電解質を含まない水やお茶などを多量に飲んだ時などにおこります。このタイプではあまり口渇を感じません。

高齢者が脱水症になりやすい理由

高齢者はもともと体内に蓄える水分が少なく、脱水症になりやすいといわれますが、それには高齢者特有の理由があり、季節に関係なく注意が必要といえます。

筋肉量の減少

筋肉は多くの体液を含んでいます。高齢者では意識的に運動をしていないと、加齢と活動量の低下に伴って筋肉量は減少していきます。筋肉量の減少は体液の減少と直結しているため、高齢者では脱水症のリスクが高まるといえます。

のどの渇きを感じにくい

脳の視床下部には、のどの渇きを感じる「口渇中枢」があります。体液が減少すると、口渇中枢の機能によってのどの渇きを自覚し、水分を摂る行動をおこします。高齢者では口渇中枢の機能が低下し、のどの渇きを感じにくくなっており、水分摂取が遅れることがあります。

飲水時にむせる

加齢による摂食嚥下機能の低下や疾患の後遺症などによって、水分摂取時にむせ込むことがあります。人は、食べ物や飲み物が誤って食道ではなく気道へ入り込みそうになると、それらを排出しようとしてむせがおこります。誤って気道に入り込んでしまった場合には、誤嚥性肺炎のリスクとなります。特に液体のように流動性の高いものは流れ込む速度が速いため、むせ込みがおこりやすいといえます。強いむせ込みは非常に苦しく、日常的にむせ込むようになると、水分摂取を嫌がったり、避けるようになることがあります。

食事量の不足

人は飲み物からだけでなく、食べ物からも多くの水分と電解質を摂っています。何らかの原因で食事量が減少していると、食事から摂る水分と電解質が減少している可能性があります。食事量が減少する原因は、体調不良や摂食嚥下機能の低下などの身体的なことだけではなく、精神的なことが原因となっている場合もあり、注意が必要です。

薬や疾患の影響

高齢者では、慢性的な疾患により継続的に服薬をしている人も多く、特に高血圧や心不全の治療薬には利尿作用がある薬があります。これらの治療薬によって尿量が増加することで、体液が多く失われていることがあります。また腎臓の疾患による食事療法では、1日に摂取する水分量に制限が必要なこともあります。疾患を良好にコントロールし、脱水症を予防するためには、かかりつけの医師と生活全般について相談したうえで、指示を適切に守ることが大切です。

意識的に水分を摂らない

高齢者では、さまざまな原因でトイレに行く回数が多くなっていることがあります。外出時や夜間など、トイレに行く回数を減らしたいという理由で、意識的に水分を摂らないケースがあります。また、疾患の治療による食事療法として水分摂取量について指示が出た場合、「水分を制限しなければならない」という意識から、実際に摂取している水分量が指示よりも少なくなっていることがあります。自己判断で調整せずに、医師の指示を守って水分を過不足なく摂ることが、疾患のコントロールのためにも必要であることを理解しましょう。

脱水症の対処は水分と電解質の補給

重度の脱水症(熱中症)では、飲料による水分補給では不十分であったり、経口での水分補給が困難な状態のこともあるため、医療機関を受診する必要があります。かくれ脱水や軽度の脱水症の段階で、経口での水分補給が可能な状態であれば、改善が可能と考えられます。

脱水症のリスクに合った飲料

① 水やお茶

健康時(かくれ脱水のリスクが低いとき)にも、こまめに水分補給をするようにしましょう。1日に必要な水分量は、体格や疾患の有無によっても異なりますが、高齢者では最低でも1~1.5ℓといわれます。緑茶や紅茶、ウーロン茶やコーヒーなどにはカフェインが含まれていて利尿作用があるため、飲み過ぎには注意が必要です。同じ種類の飲み物だけではなく、水や麦茶、ルイボスティーなど、いろいろな種類の飲み物を楽しむようにしましょう。

② スポーツドリンク

屋外での作業やスポーツをするなど、多量の汗をかき、エネルギーを消費することがわかっているような場面では、スポーツドリンクは効果的です。比較的糖分を多く含みカロリーも高めなので、食事に制限がある場合は飲み過ぎに注意が必要です。

③ 経口補水液

屋外での作業やスポーツ時の水分補給にも有効です。他にも発熱や下痢・嘔吐などの体調不良時や、かくれ脱水から脱水症へ進行するリスクが高いと思われるときには、早期に経口補水液をこまめに摂ることで、重症化を防ぐことができます。

経口補水液とは

食塩とブドウ糖を適切な濃度で水に溶かした飲料で、水よりも小腸での吸収が良く、脱水症の改善に有効とされるものです。病院や薬局の売店、ドラッグストアなどで購入することができますが、手作りすることもできます。

【手づくり経口補水液の材料】
・水       500ml
・塩       1.5g(小さじ1/4)
・砂糖      15~20g(大さじ1~大さじ1と1/3)
・レモン汁など  少量

※水はペットボトルの水か、湯冷ましなどの清潔な水を使用してください。
※分量はできるだけ正確に測ってください。レモン汁などは、飲みやすくするために加えるものなので、入れすぎないようにしましょう。
※手作りの経口補水液は日持ちがしません。作り置きはせずに、必要なときに必要な量を作り、その日中に使用しましょう。
※手作りの経口補水液は、市販の経口補水液が手に入らないときの緊急時の対処法です。短時間に多量の汗をかいて、ナトリウムを多く失った場合などのために、覚えておくと役に立つ方法です。

大塚製薬の経口補水液OS-1のウェブサイトです。経口補水液について説明されていますのでご参照ください。
https://www.os-1.jp/ort/

脱水症の予防

脱水症を予防するには、こまめな水分補給の他にもできることがあります。

水分補給以外の予防

脱水症を未然に防ぐためには生活の環境を整える外的な予防と、脱水症になりにくい体を作る内的な予防があります。

【外的な予防】
・暑さを避けるため、風通しの良い涼しい服装をする。
・屋内の風通しを良くする。
・無理に節電せず、エアコンは適切に使う。
・気温・室温の調整だけではなく、湿度も下げる。

【内的な予防】
・偏った食事、不規則な食事、無理なダイエットなどはしない。
・水分と電解質をこまめに補給する。
・十分に睡眠をとり、休息する。
・適度な運動で筋肉量を維持し、適切に汗をかく習慣を持つ。

脱水症のチェック

かくれ脱水から脱水症へ進行するリスクを日常の様子からチェックしてみましょう。

【チェック1】かくれ脱水につながる生活環境
1人暮らしである
マンションのような気密性の高い家に住んでいる
暑くても、エアコンはあまり使わない
血液検査で、アルブミン値が低い(Alb値3.5g/dl以下)、または低栄養であると診断されたことがある
利尿剤を服用している。または利尿作用のある薬を服用している
ここ1年の間に脱水症または熱中症と診断されたことがある

ひとつでもチェックがついたら、チェック2へ

【チェック2】脱水症につながりやすい日常の事柄
暑い日が続いている
大量の汗をかくことがある
下痢や嘔吐がある
最近、風邪をひいた
最近、大きなけがや手術をした
生活環境が大きく変わった(引っ越しや家庭環境の変化など)

ひとつでもチェックがついたら、チェック3へ

【チェック3】脱水症が疑われる身体状況
食が細くなってきた、または食欲がない
トイレに行く回数が少なくなっている
濃い色の尿が出る
便秘が続いている
微熱がある
倦怠感があり、居眠りをするようになった
唇がカサカサしている
皮膚やわきの下が乾燥している
指先が冷たく赤みがない、または青紫色になっている
頭痛や筋苦痛がある

ひとつでもチェックがついたら脱水症の疑いがあります。電解質を含む飲み物やゼリー飲料などで水分を摂りましょう。

加えて次のような症状がある場合は、受診をおすすめします。
・熱がある。
・脈拍が早くなっている。(目安は1分間に120回以上)
・爪を押して離したとき、赤味が戻るまでに3秒以上かかる。
・皮膚に張りがない。
・呼びかけに反応が弱い。
・けいれんしている。

まとめ

人は飲み物からだけではなく、食事からも多くの水分を摂取しています。かくれ脱水の予防には、こまめな水分補給はもちろんですが、日頃からバランスの良い食事と適度な運動も欠かせません。

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