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HOME > コラム一覧 > 高齢者と夏の運動 / 更新日:2020年9月4日
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高齢者と夏の運動

高齢者と夏の運動

夏にも運動を継続する目的

健康な毎日を過ごすためには、一年を通しての適度な運動が大切です。気温が上昇してくると、屋外での運動は熱中症のリスクが伴い、運動の機会を逃してしまうことにもなりかねません。しかし適度な運動を継続することで、夏バテや熱中症の予防にも効果的であることがわかっています。

自律神経と気温差

夏の外気温はこの100年間で徐々に上がっており、特に2000年代に入ってからは7月前半から9月に入っても平均気温が30℃を超える日が珍しくなくなっています。このことを考えるとエアコンによる室温調整は健康管理上も必要なことではありますが、室内の温度と外気温の差が大きくなることは自律神経のバランスを崩す要因のひとつともなります。定期的に適度な運動をすることで、気温差による自律神経の不調を予防することにも役立ちます。

暑熱順化

人は暑いと汗をかきます。発汗は、汗が蒸発するときに体の熱を奪うことで体温を下げる重要な仕組みで、このように体温を保つために汗をかくことを「温熱性発汗」といいます。通常は季節の変化に応じて徐々に体が適応して暑さに慣れていきますが、現在は一年を通してエアコンによって温度が調整された環境にいることも多く、汗腺の働きが低下していて、暑い環境でも十分に発汗ができなくなっていることがあります。また、室内と外気温の温度差が大きいことで自律神経のバランスが崩れ、汗をかきにくくなっている可能性もあります。特に高齢者では、活性化している汗腺が減少していることに加えて、センサーとなる皮膚が気温変化を感じにくいことで汗をかきにくくなっているため注意が必要です。暑さに徐々に慣れていくことを暑熱順化といいますが、運動によってひとつひとつの汗腺の発汗機能が高まり、汗をかきやすくなります。暑すぎない環境で、ややきついと感じる強さの運動を継続することで、暑熱順化を獲得することができます。本格的な暑さがやってくる前から運動を継続していることで、夏の暑さに備え、熱中症のリスクを低減することができます。

サルコペニア予防

高齢者が運動をする最も重要な目的のひとつは、筋力の維持です。サルコペニアとは、筋肉の量が減少することによって、身体機能が低下した状態を表す言葉です。筋肉を合成するホルモンは30歳を過ぎると徐々に低下し始めるといわれています。つまり加齢に伴って、同じ運動をしても筋肉がつきにくくなってくるということです。しかし適切な食事を摂って、適切な運動をすることで、何歳になっても筋肉を維持することは可能だといわれます。特に高齢者の場合は、運動の強度よりも継続することが重要だといわれています。

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運動の種類

自分が楽しく、無理なく継続できることが最も大切です。どのような運動も無理をすると、けがや持病の悪化につながる可能性があります。持病がある場合や、運動を始めることに不安がある場合には、かかりつけの医師に相談しましょう。地域の介護予防事業に参加することから始めるのも良い方法です。

ウォーキング

最も簡単に、すぐに始められる運動といえます。周囲を気にせず、自分のペースでできることも大きなメリットです。ウォーキングはフォームを意識することで全身運動となります。肘をまげて後ろに引くように意識し、肩甲骨を大きく動かします。肩甲骨が動くと骨盤も動きやすくなるため、大きな歩幅で歩くことができます。初めは距離や歩数にこだわらずに、正しいフォームで歩くことを意識しましょう。

水泳

スイミングクラブなどを利用することで、季節を問わずに継続することができます。浮力が働き、体重による関節への負荷が少ないため、肥満や、関節などに不安がある場合にも適している運動のひとつです。泳げなくても水中を歩く水中ウォーキングも運動の効果は高いといわれ、転倒になどによるけがのリスクが少ないのは、高齢者にとって大きなメリットといえます。高齢者が対象のコースや、専門知識を持ったコーチがいるスイミングクラブも増えているので、興味があれば利用してみましょう。内容によっては運動強度が強くなる可能性があります。持病がある場合は、かかりつけの医師に相談してから始めましょう。

ジム・フィットネスクラブ

現在は、高齢者を対象にしたジムやフィットネスクラブも多くあります。スタッフには理学療法士や専門知識を持ったトレーナーがいるので、自分に合った運動を相談しながら取り組むことができます。定期的に通うことで気の合う友達ができることも、メリットのひとつです。

その他の運動

その他、ゴルフやテニス、トレッキングやハイキングなども、高齢者を対象にしたスクールやサークルがあります。今までに経験のあるスポーツや気になるスポーツがあれば、始めてみるのもよいでしょう。どのような運動も、現在の体力に合わせて始めることはとても大切です。体力に自信がなかったり持病がある場合には、地域包括センターなどで実施されている介護予防の体操教室や、介護予防やリハビリなど運動に特化したデイサービスなどを利用するのも良い方法です。

夏の運動の注意点

夏の運動には屋外・室内を問わず、熱中症のリスクが伴います。熱中症やけがを予防しながら、運動を継続しましょう。

運動を始める前に

運動を始める前にしっかりと準備をすることで熱中症やけがを防ぐことができます。
まず、朝食はしっかり摂っておきましょう。朝食をとることでエネルギーを補給するだけではなく、自律神経のバランスが整います。また持病の有無にかかわらず、毎日同じ条件で検温することを習慣にしましょう。体調変化に気づいたときには、無理せず運動を休むことも必要です。同時に血圧も測定して記録しておくことで、さらに体調管理に役立ちます。

服装

衣服と体の間に熱がこもってしまうと、熱中症につながるリスクがあります。皮膚と衣服の間の温度・湿度・気流などの衣服内気候を快適に保ち、蒸れなどの不快感を抑えるためには、吸湿性と速乾性のある生地の衣服を選びましょう。吸湿速乾性のある生地は、汗を素早く吸い上げ、素早く乾くことで、体の熱が必要以上に奪われるのも防ぎます。洗濯後もすぐに乾くということもメリットのひとつです。また屋外で運動をするときには、熱中症対策として帽子は必需品です。帽子をかぶることで頭を直射日光から守ります。メッシュ素材など通気性のよい素材を選びましょう。

準備運動

運動を始める前には、コップ1杯の水を飲みましょう。運動を始める前に水分補給をしておくことは、屋外・室内に限らず、熱中症の予防には重要です。それまで家事などで体を動かしていた場合でも、準備運動は必ず行いましょう。室内、または日陰などで、手首、肘、肩、足首、ひざ、腰の関節を動かし、腱や筋肉をゆっくりと伸ばすストレッチ運動をしましょう。

汗の拭き方

汗は体温調節のために必要です。汗をかいて、すぐに乾燥したタオルなどで拭きとってしまうと、汗の気化熱で体温が下がらず、体はさらに汗を出そうとします。余分に汗をかくことで、脱水症状が進む可能性もあります。汗は乾いたタオルよりもぬれたタオルで拭き、皮膚の表面がしっとりと水分が残っている状態にしておきましょう。ぬれたタオルを持っていることが難しい場合には、小さなスプレーボトルに水を入れておき、乾いたタオルで汗を拭いたあと、スプレーで水を吹きかけておくのも体温を下げるために有効です。

水分補給

暑熱環境下(外気温が28℃以上)では、15分ごとにコップ1杯の水分補給が必要といわれています。一度にたくさん飲むよりも、少量をこまめに摂る方が効果的です。冷えた飲み物は運動中に上がった体温を体内から冷やす効果があるので、熱中症の予防に効果的です。1時間以上のある程度強い運動をする場合には、塩分と糖分の補給も必要です。市販のスポーツドリンクが手軽ですが、飲み過ぎはエネルギー摂取の過剰につながるため注意が必要です。糖尿病や腎臓に疾患がある場合などは、水分の摂取にも配慮が必要なことがありますので、かかりつけの医師に相談してみましょう。

運動時のマスク着用に伴うリスク

感染対策やエチケットとして、マスクを着用する場面が増えています。状況によっては、運動中にもマスクを着用するケースがあるかもしれませんが、マスクを着用しての運動にはいくつかのリスクがあることを知っておきましょう。またスポーツ庁では、屋外で人と人との距離が2m以上確保できる場合は、マスクの着用は必要ないとしています。
・熱中症
気温が上昇し湿度も高くなってくると、マスクの内側の温度も上がり、呼気や発汗によって湿度が保持されるため、のどの渇きを感じにくくなることがあります。マスクを着用して運動をする場合は、マスクを着用していないとき以上にこまめに水分補給を心がけましょう。
・息苦しさ・めまい
マスクを着用していると、必要な酸素を取り込むために、呼吸に必要な筋肉の運動量が大きくなるため、息苦しさを感じることがあります。これは空気の薄い場所で運動をしているのと似た環境となるため、全身に十分な酸素が行きわたらなくなり高山病のような症状がおこることがあります。マスクを着用して運動をするときは、いつもより強度を落とした運動から始めて、徐々に運動の強度を上げていくようにしましょう。特に呼吸器の疾患がある場合は、マスクを着用しての運動自体が大きな負担となる可能性があるので、事前にかかりつけの医師に相談し、無理のない運動を選びましょう。

マスクを着用して運動するときには、いつも以上にこまめな水分補給を心がけ、運動中も体のサインに注意しましょう。いつもよりも運動強度を下げ、休憩を入れながら無理のない運動量で進めることが大切です。めまいや立ちくらみ、強い息切れなどがある場合はすぐに運動を中止し、涼しくて人が少ない場所を選んで、マスクを外して休むようにしましょう。

運動をする時間と場所

夏の運動は、できるだけ気温が低い時間帯と場所を選んで継続するようにしましょう。

運動する時間

夏は、できるだけ午前中の早い時間、まだ比較的気温が低いうちに運動をすることをお勧めします。日中、屋外で運動をする場合には、暑さ指数であるWBGT(Wet Bulb Globe Temperature)を参考にしましょう。
暑さ指数は1945年にアメリカで、熱中症を予防することを目的に提案された指標です。人体と外気との熱のやりとり(熱収支)に着目した指標で、人体の熱収支に与える影響の大きい湿度、日射や輻射(ふくしゃ)など周辺の熱環境、気温の3つの要素が取り入れられています。暑さ指数は、環境省の熱中症予防情報サイトで確認することができます。

<運動に関する指針>

気温

(参考)

暑さ指数

(WBGT)

熱中症予防運動指針

 

35℃以上 31℃以上 運動は原則中止 特別の場合以外は運動を中止する。特に子供の場合には注意する。
31~35℃ 28~31℃ 厳重警戒
(激しい運動は中止)
熱中症の危険性が高いので、激しい運動や持久走など体温が上昇しやすい運動は避ける。
10~20分おきに休憩をとり水分・塩分の補給を行う。
暑さに弱い人(※1)は運動を軽減または中止する。
28~31℃ 25~28℃ 警戒
(積極的に休憩)
熱中症の危険が増すので、積極的に休憩をとり適宜、水分・塩分を補給する。
激しい運動では30分おきくらいに休憩をとる。
24~28℃ 21~25℃ 注意
(積極的に水分補給)
熱中症による死亡事故が発生する可能性がある。熱中症の兆候に注意するとともに、運動の合間に積極的に水分・塩分を補給する。
24℃未満 21℃未満 ほぼ安全
(適宜水分補給)
通常は熱中症の危険は小さいが、適宜水分・塩分の補給は必要である。市民マラソンなどではこの条件でも熱中症が発生するので注意する。

※1:暑さに弱い人とは、体力の低い人や、肥満の人や暑さに慣れていない人のこと。

夜に運動するときの注意点

夜、就寝のおよそ2時間前に軽い運動をすることは、寝つきをよくする効果があるともいわれますが、就寝直前の強い運動は、あまりお勧めしません。しかし夏の暑い時期は、日中よりも日が落ちてからの方が運動しやすいケースもあります。日が落ちてからウォーキングなどをする場合には、視界が悪くなることを考慮して、交通事故などを防ぐための注意も必要です。ヘッドライトなどをつけて視界を確保し、車や自転車からも見えやすいように、服装は目立つ色を選びましょう。反射材をつけるのも効果的です。強い日差しがないといっても、熱中症のリスクはあります。日中と同様の熱中症対策を心がけましょう。

自宅の室内でも可能な運動

屋外の運動が難しい場合には、自宅の室内でも十分に効果的な運動が可能です。気温が非常に高い日や悪天候の日など、外に出られないときには、自宅でできる運動を習慣にしましょう。

渋谷区のウェブサイトです。室内でもできるダイヤモンド体操が紹介されています。動画をみながらやってみましょう。
https://www.city.shibuya.tokyo.jp/kurashi/koreisha/fukushi/Indoor_exercise.html

まとめ

健康の維持・増進のためには、適度な運動を継続していくことが大切です。季節などの環境によって、運動が続けにくいこともありますが、熱中症などに十分注意をしたうえで、楽しく運動を続けていきましょう。

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