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味覚障害について

味覚障害について

食事をおいしく食べられることは、健康を維持するためにはとても大切なことであり、幸せなことです。しかし、さまざまな原因によって食事をおいしく感じられなくなることがあります。知らず知らずのうちに始まっていることもある味覚障害について知っておきましょう。

味覚障害:味覚とは何か?

「味覚」とは何でしょう。味はどのようにして感じているのでしょうか。

味覚とは

人が食べたり飲んだりしたとき、食品に含まれている化学物質の一部を口の中にある「味蕾」という受容体で受けとり、それぞれの「味」として感知し、脳の大脳皮質で認識しています。

人が感じる基本の五味には、甘味・塩味・酸味・苦味・うま味があります。この他にも辛味や渋味がありますが、これらは味蕾で感じとる味覚とは異なり、痛覚や刺激として感じられています。また第六の味としてカルシウム味や脂肪味などについても解明が進んでおり、味覚と人の健康について研究が続けられています。

食事を味わうときには味覚だけではなく、匂いや食感、温度なども深くかかわっています。さらに、食べる人の食経験やそのときの体調や気分など、さまざまな影響を受けています。

味覚障害

味覚障害とは、味を感じにくくなったり、感じなくなったりすることです。他にも何を食べてもまずく感じたり、口の中に何も入っていなくても苦味や塩味を感じてしまう味覚異常も、味覚障害のひとつです。

味覚障害は、日本人には少ない症状であるといわれていましたが、1990年に約14万人であった患者数が、2004年には24万人を超えていて、受診をしていない潜在的な患者数はもっと多いと予測されています。50~70歳に多く、男性よりも女性に多いという調査結果もあります。

また加齢に伴って味覚は低下し、高齢者が塩味を感知する能力は、若い人のおよそ12分の1だといわれます。高齢化の進行とともに、味覚障害を発症する人の数も増加していくと考えられます。

味覚障害の症状

味覚障害といってもその症状にはいくつかの種類があります。発症から6か月以上経過すると治療に時間がかかり、治りにくくなるともいわれています。

味覚減退・脱失

味覚が鈍くなり、味がしっかりと感じられない状態です。何を食べても味が薄い、物足りない感じがします。味覚の減退は徐々に進行するため自分では気づきにくく、自分で料理をする人では、使用する調味料の量が増えていることや、自分の作った料理を食べた人に指摘されて気づくことがあります。

味覚の減退が進行すると、ついには味を全く感じなくなってしまうことがあります。味覚の脱失は、味覚減退から進行することがほとんどですが、突然味覚を感じなくなることもあります。

解離性味覚障害

甘味、塩味など、特定の味だけがわかりにくくなる症状です。糖分や塩分の摂りすぎにつながることがあります。

自発性異常味覚

何も食べていないのに、苦い、酸っぱいなど、口の中に味を感じる症状です。常に口の中に不快感があり、頻繁にうがいをしたり、唾を吐くなどの行為がみられることがあります。

悪味症

何を食べてもまずく感じたり、食べていなくても口の中に嫌な味が残っているように感じる症状です。食欲が低下し、低栄養を引きおこすことがあります。

異味症

本来とは異なる味を感じる症状です。しょうゆが苦いと感じたり、レモンを塩辛いと感じることがあるようです。

風味障害

匂いがわからないことで、味もわからなくなることがあります。味覚と嗅覚は密接に結びついていて、味と匂いはともに脳へと伝達され、それらの情報を脳が統合することで風味として認識します。塩味、苦味、甘味、酸味などは嗅覚がなくても認識することができますが、いくつかの味覚が混ざった複雑な風味の場合は、味覚と嗅覚の両方が認識されることが必要です。

味覚障害の原因

味覚障害の原因にはいくつかあり、複数の原因が重なって発症している場合もあります。

亜鉛不足

亜鉛というミネラルが不足すると味覚障害がおこります。味蕾の中にある味細胞は新陳代謝が活発な細胞で、約1か月で入れ替わるといわれています。その細胞の再生に亜鉛が不可欠であるため、体内で亜鉛が不足したときに最も影響を受けるのが味細胞です。

通常、毎日の食事が摂れていれば亜鉛不足はおこりにくいと考えられますが、急激なダイエットや偏食、ファストフードやインスタント食品の多食によって亜鉛不足がおこる可能性があります。特に食品添加物の中には、亜鉛の吸収を阻害するものもあるため、食品添加物が多く使われている食品に偏った食生活では、亜鉛不足のリスクが高いといえます。

全身疾患の影響による味覚障害

糖尿病や慢性腎不全、肝臓病、内分泌機能の低下などの全身疾患の合併症として味覚障害が発症することがあります。疾患の影響により、亜鉛の必要量が増加したり、吸収が阻害されたりすることがあります。また糖尿病では、神経や血管が障害されることで味覚障害がおこることがあります。

がん疾患でも味覚が低下することがあり、食欲不振の原因ともなります。脳や頭頚部のがんの場合、放射線治療によって口腔周辺の器官にも放射線があたり、炎症が起きるために味覚障害がおこることがあります。

薬剤性味覚障害

薬剤が亜鉛を吸着し、腸からの吸収を阻害することで味覚障害がおきると考えられています。現在、原因となる薬は150種類以上がわかっており、薬の種類も高血圧の治療薬、糖尿病の治療薬、鎮痛薬など多岐にわたります。薬の服用を中止したり薬を変更することで、多くの場合で味覚は回復しますが、発症前の味覚に戻るまでは時間がかかることがあります。特に高齢者は複数の薬を長期間に渡って服用していることも多く、今後の高齢社会では薬剤性味覚障害は増加が予想されます。

心因性味覚障害

強いストレスやうつ病などが原因で味覚障害がおこることがあります。強いストレスがある場合、人は亜鉛を多く消費する傾向があり、亜鉛の不足につながることがあります。また、ストレスによってだ液の分泌量が減少することも味覚に悪影響を及ぼします。
食事が楽しめないことが更にストレスとなり、他症状につながる恐れもあるため、早期の対処が必要です。

口腔乾燥症(ドライマウス)

だ液の分泌が減少して口腔内の乾燥が継続することで味蕾が障害され、味覚障害に進行することがあります。また、だ液による自浄作用や殺菌作用が低下することで、舌の表面に付着した細菌や新陳代謝ではがれ落ちた粘膜細胞、食べ物のかすなどが舌苔となって付着すると、味覚を感じにくくなることがあります。
口腔内の乾燥によって口腔カンジダ症に罹患した場合も、味覚障害を合併し、味覚減退や自発性異常味覚の症状があらわれます。

嗅覚障害による風味障害

味覚は正常範囲であっても、嗅覚に障害があることで味を感じにくくなることがあります。嗅覚は味覚に大きく影響していて、それぞれの感覚を脳で統合して味わっています。風邪をひいたときに味を感じにくかったり、いつもと違う味を感じたりすることは比較的よく経験する症状といえます。これは炎症によって喉の奥にある味蕾が障害されたり、鼻の粘膜に炎症がおきて嗅覚が低下することでおこっている現象と考えられます。この場合は風邪の回復とともに味覚も回復しますが、風邪が治っても味覚障害が残った場合は風邪以外の疾患の可能性も考えられるため、早期に受診をしましょう。

味覚症状が及ぼす悪影響

もともと味覚にはそれぞれ意味があると考えられています。甘味はエネルギー源となる味、塩味は体内の電解質のバランスを保つための不可欠な味、酸味は腐敗の味、苦味は毒の味、などとして、人の健康を守る働きがあると考えられます。現代の人にとって味覚障害はどのような影響があるのでしょうか。

食欲がなくなる

味覚障害によって食事がおいしく感じられないため、食欲が減退します。特に高齢者の場合は容易に低栄養に陥りやすく、味覚障害がきっかけとなって要介護の状態を招く可能性があります。

塩分・糖分の摂り過ぎ

味覚が鈍くなることで、調味料を追加する傾向があります。糖分や塩分の摂り過ぎを招き、生活習慣病を発症する引き金となることがあります。自分で料理を作ることがある場合は、調味料の使用量が増加したり、自分の作った料理を食べた人が気づくことがありますが、一人暮らしの場合では、発見が遅れることがあります。

味覚障害の治療方法

味覚障害の治療方法はその原因によって異なりますが、亜鉛の補給は治療の基本となります。

亜鉛補充療法

味蕾の味細胞は味覚の受容体細胞として味の元となる化学物質を感知します。味細胞は1か月ほどの短期間で新生交代(ターンオーバー)しますが、亜鉛が不足すると細胞の新陳代謝が低下することで味覚機能の低下が生じます。
亜鉛の不足は、単純に食事から摂取する亜鉛の不足の場合もありますが、さまざまな要因によって亜鉛の消費が増大したり、亜鉛の吸収が阻害されたりすることでもおこります。

原因薬の中止・変更

薬剤性味覚障害では、味覚の減退や脱失、解離性異常味覚の症状がよくみられます。原因となる薬は降圧薬、消化性潰瘍治療薬、抗うつ薬、抗菌薬、抗がん剤など、多種多様な薬に見られます。亜鉛の吸収を度外する作用のある薬や、だ液の分泌を抑制する作用のある薬では、味覚障害がおこりやすいと考えられます。

薬剤性味覚障害では多くの場合、原因となる薬を服用し始めてから2~6週間で症状があらわれるといわれます。新しく薬を飲み始めたり、薬の変更があったときに、「味を感じにくい」「嫌な味がする」などの症状に気づいた場合は、すぐに医師または薬剤師に相談しましょう。基本的には原因となる薬を中止、または変更することで症状は回復しますが、発症後できるだけ早期に対処した方が、回復も早いとされます。発症後、時間が経過するほど味覚障害の症状は回復しにくくなるといわれるため、薬の情報はしっかりと確認し、服薬開始後は自分の体調について注意深く観察するようにしましょう。

口腔ケア

口腔内を清潔に保つことは、味覚障害の予防と改善には欠かせません。口腔内が汚れていると、味の感じ方も変化するため、食事の前後に口腔ケアができれば理想的です。食事の前にも舌のケアも含めた口腔ケアを行うことで、味を感じやすくなる効果が期待できます。食前にレモン水や薄めの緑茶を飲むのも効果があるといわれています。

また、だ液の分泌を促すためにだ液腺マッサージも有効です。だ液は天然のデンタルリンスともいわれます。味覚障害だけではなく、さまざまな口腔トラブル防止のためにも、ドライマウスの予防、改善に努めましょう。

3Mの歯と健康を考えるサイト「Tooth! Navi」です。だ液腺マッサージの方法について説明されていますので、ご参考ください。
https://www.mmm.co.jp/hc/dental/consumer/daeki_massage/index.html

味覚障害の予防

バランスのよい食事が何より大切ですが、亜鉛を多く含む食品を積極的に摂るようにしましょう。

亜鉛を多く含む食材

食品名 100gあたりの含有量(mg)
魚 類 カキ 132
タラバガニ(ゆで) 6.3
ウナギかば焼き 2.7
肉 類 豚レバー 7.0
牛肩ロース 6.4
そ の 他 小麦胚芽 15.9
パルメザンチーズ 7.3
ココア 7.0
抹茶 6.3
炒りゴマ 5.9
大豆 5.5
カシューナッツ 5.4
わかめ 5.2
納豆 2.0

亜鉛は広くいろいろな食品に含まれていて、通常の食事では不足しにくい栄養素といえますが、極端なダイエットや、インスタント食品などの加工食品に偏った食事の場合では不足する恐れがあります。また過剰摂取の可能性も低いといわれていますが、サプリメントなどを用いる場合には注意が必要です。

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亜鉛の摂取基準

日本人の食事摂取基準(2015年版)では、1日あたり、18歳以上の成人男性は10㎎、成人女性は8㎎、70歳以上の高齢者では男性が9㎎、女性は7㎎です。
亜鉛の過剰症では、銅欠乏、貧血、胃の不調などがあります。亜鉛摂取の上限量は18~29歳、70歳以上の男性で40㎎、30~69㎎の男性で45㎎、18歳以上の女性で35㎎と設定されています。

亜鉛を効率よく摂るための工夫

日常の食生活で効率的に亜鉛を摂るために、工夫できることがあります。

・ビタミンCと一緒に摂る
亜鉛はビタミンCと一緒に摂ることで吸収率が高まります。同様に、動物性たんぱく質も亜鉛の吸収を助けます。亜鉛を多く含むカキにレモンをかけるのは、理にかなっているといえます。

・ちょい足しで亜鉛を摂る
亜鉛は一度に多量を摂取するよりも、少量でもこまめに摂る方が体内で効率よく利用されるといわれます。のりやゴマには亜鉛が多く含まれますが、1回の食事で多量に食べるものではありません。しかし食事のたびに少しずつ混ぜたり、かけたりすることで、手軽に亜鉛を補うことができます。

・コーヒーや紅茶は食事と食事の間に
コーヒーや紅茶、緑茶にも含まれるタンニンは、亜鉛の吸収を妨げます。食事と一緒に摂るよりも、食事と食事の間に飲むようにしましょう。

・加工食品を摂り過ぎない
加工食品の食品添加物として使用されているポリリン酸には亜鉛を排出する作用があります。加工食品や外食に偏った食事をしている人は、ポリリン酸を多く摂取している可能性があるため、気づかないうちに亜鉛欠乏に陥る危険があります。

・アルコールは適量を守る
アルコールは代謝の過程で亜鉛を使うため、亜鉛の消費量が高まります。おつまみにはチーズやミックスナッツ、枝豆などを選ぶと、亜鉛を補給することができます。

味覚障害についてまとめ

味覚障害は発症してから時間経過とともに治療も長期化し、治りにくくなるため、早期の対処が重要です。「食事がおいしく感じない」「食事を残すようになった」「調味料を追加するようになった」など、気づいたら早めに医療機関を受診しましょう。

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