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HOME > コラム一覧 > 味覚のメカニズムと健康の関係 / 更新日:2019年11月10日
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味覚のメカニズムと健康の関係

味覚のメカニズムと健康の関係

味覚は人が感じる五感のひとつであり、食べ物に含まれる化学物質によって認識されます。味覚のメカニズムが解明され始めたのは最近のことであり、まだ分かっていないこともたくさんあります。味覚についての研究が進むことで、健康管理にも役立つことが期待されています。

人の味覚とは

人が感じる味覚は、味蕾(みらい)という味細胞(みさいぼう)が集まった器官で味を感じ取り、神経細胞を介して脳に伝達されて「甘い」「苦い」などと味を判断します。人の味蕾は舌の上だけではなく、口腔内の軟口蓋(上あごの後方)や咽頭部、食道にも広く分布しているため、飲み込むときにも味を感じているといえます。

味覚の種類

以前は、基本的な味の種類は甘味・酸味・塩味・苦味の4種類であり、舌の上でそれぞれの味を感じる領域が分かれているといわれていました。しかし現在この考え方は否定されていて、舌の全体でいろいろな味を複合的に感じ取っています。

味覚の種類には基本五味と呼ばれる5つの味があります。
・甘味:主な呈味成分として、ショ糖、果糖、ブドウ糖などがあります。
・塩味:主な呈味成分として、食塩があります。
・酸味:主な呈味成分として、酢酸、クエン酸、乳酸などがあります。
・苦味:主な呈味成分としてカフェインがあります。
・うま味:主な呈味成分としてグルタミン酸(昆布)、イノシン酸(かつお節)、グアニル酸(キノコ類)などがあります。

うま味は4つの基本味では説明ができず、日本では1908年にうま味物質のグルタミン酸ナトリウム塩が発見されて以降うま味も基本味であるという認識がありましたが、欧米でうま味が認められたのはごく最近のことです。現在は生理学的な実験で他の味とは独立した味覚であることが証明されており、英単語として「umami」が使用されています。

味の素株式会社のウェブサイトです。うま味成分のグルタミン酸ナトリウムについて詳しく説明されています。ご参考ください。
https://www.ajinomoto.co.jp/amino/manabou/index.html

その他の味覚

基本五味以外に、化学的刺激や物理的刺激によって得られる味覚もあります。これらは基本味と合わせて総合的に、より複雑な味覚を形成します。しかし現在でも、全ての味覚について、神経に伝達されるまでのメカニズムが解明されているわけではありません。

・辛味:唐辛子に含まれるカプサイシン、黒コショウなどに含まれるピペリンなどは高温を痛みとして感じる受容体(TRPV1)を刺激することで、灼熱感を伴う辛味として感じられます。またワサビなどに含まれるアリルイソチオシアネートは冷刺激の受容体(TRPA1)を刺激することで、ツンとした辛味を感じます。この受容体(TRPV1、TRPA1)は、口腔内だけではなく、体、特に粘膜に存在するため、カプサイシンなどを体に塗りつけてもほぼ同じ感覚が発生します。そのためこれらは味蕾で感じる味とは感じ方が異なるため「痛覚刺激」であると説明されることがあります。

・渋味:お茶に含まれるタンニンや渋柿のシブオールなどが舌に吸着するような感覚で、口腔内が収れん作用をおこすことで渋味を感じます。

風味

味覚は単独の刺激だけではなく、嗅覚や視覚、それまでの食経験などによっても影響を受けるといわれます。例えば目隠しをして食べたり、鼻腔を塞いで匂いがわからないようにして食べたりすると、同じものでも異なる味を感じたり、実際に食べた食品とは違うものに感じることがあります。また成分は同一の食品であっても、個人の特別な食経験によって異なる味に認識されることもあります。このような知覚心理学的な意味を含む味覚を「風味」と呼ぶことがあります。

第6の味覚

大学の研究で脂肪の味を感じる受容体があることがわかり、「脂肪味」が第6番目の味覚となる可能性が出てきました。この脂肪味の感じ方には個人差が大きく、脂肪味を感じにくい人は脂肪を摂り過ぎる危険があり、肥満やその他の病気につながるリスクが大きいと指摘されています。脂肪味は油脂を継続して摂ることで鈍化すると考えられています。しかし味蕾は10日前後で入れ替わることから、10日間脂肪の少ない食事を心がけることで、脂肪味の感じ方が改善する可能性があります。

味の相互作用

口腔内で化学物質が混ざることでお互いに影響しあい、単独の化学物質とは異なる味覚の効果がおこることがあります。

相乗効果

異なる味覚が合わさることで、味覚が強まることを味の相乗効果といいます。一般的に効果が知られているのはうま味の相乗効果で、グルタミン酸(アミノ酸系)のうまみ成分とイノシン酸(核酸系)のうま味成分が合わさることで、うま味は数倍強く感じられます。昆布とかつお節の合わせだしがその代表例といえます。

うま味成分の種類と含まれる食材

うま味成分 主な食材
アミノ酸 グルタミン酸 昆布、チーズ、緑茶、トマト、海苔
アスパラギン酸 大豆、もやし、アスパラガス
核酸 イノシン酸 かつお節、煮干し、マグロ、肉類、カキ

グアニル酸 干ししいたけ、ホタテ
有機酸 コハク酸 あさり、シジミ

抑制効果

異なる味覚が合わさることで、一方の味覚が弱まることを味の抑制効果といいます。例として、コーヒーに砂糖を加えることで苦味が抑えられることがあげられます。

対比効果

異なる味覚が合わさることで、一方の味覚が強まることを味の対比効果といいます。トマトやスイカに少量の塩をかけて食べると甘味を強く感じるのは、対比効果によるものです。

味覚のメカニズム

味覚のメカニズム

味覚は食品中の化学物質(味物質)が味蕾に感知されることで感じます。

味蕾で味覚を受け取る

味蕾の中には数十~数百個の味細胞が集まっていて、その寿命は10日前後と短い期間で新しく入れ替わっています。味細胞は一方の端で味物質を受容し、もう一方は神経につながっていて味の情報を脳に伝えています。味覚を区別する受容体は味細胞の表面にあり、それぞれの味覚にそれぞれの受容体がありますが、その種類は味覚によって異なり、甘味やうま味の受容体はそれぞれ1種類ですが、苦味の受容体は25種類もあることがわかっています。

味を判断するのは脳

味覚の情報は、味神経線維を伝わって孤束核(こそくかく)を経て大脳皮質の味覚野に伝わります。同時に味以外の香りや温度、食感などの情報も大脳皮質の感覚野に伝達され、すべての情報が大脳皮質連合野で最終的に総合されます。

味覚を含む五感の情報と内臓感覚の情報は扁桃体に伝わり、過去の食体験などからその食べ物が好ましいかどうか判断し、好ましい場合は摂食中枢が刺激されて食行動へとつながります。好きなもの、おいしいと感じた物を食べることで、脳内にある報酬系の活動が亢進し、満足感が得られます。さらに人はおいしさだけではなく、栄養的なバランスが充足されたときにも満足感が得られるといわれています。

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味覚と健康

味覚と健康についていろいろな研究がされています。味覚についてはまだ解明されていないことも多く、今後の研究が進むことで健康管理に役立てることが期待されます。

味覚の生理的意味

基本五味は、生理学的な意味で大きく2つに分けることができます。
甘味、うま味、塩味は、人が生きていく上で必要な物質が含まれていることを認識するための味、積極的に摂取する必要があることを知らせる味といえます。糖の甘味は生きていくために必要なエネルギーを得ることができる味であり、グルタミン酸やイノシン酸は体をつくるためのアミノ酸や核酸が含まれていることを示す味です。塩味は体液の恒常性を保つための不可欠な味といえます。

このような味覚情報の認識は、原始に十分な食物を摂取することが困難な状況であることが前提の上で獲得されたと考えられます。現在、先進国の多くは食事に不自由することがなくなったため、本能的な意味での味覚情報を活用しているとはいえなくなっています。

酸味は腐敗したときの乳酸発酵が呈する酸味を意味し、苦味は有毒物の多くがもつ疎水的な分子構造による苦味を意味しています。どちらも有毒な物質が体内に入ることを防ぐための、不快な味として認識されていました。しかし現在は、漬物などの発酵食品や魚の内臓、ビールなどの酸味や苦味がある食べ物も、経験や学習によって安全と判断されたものは、好んで摂取されています。

甘味と健康の関係

甘味は生きるために必要なエネルギー源を示す味として本能的に好まれると考えられます。甘味を感じると、β-エンドルフィンやセロトニンといったリラックス効果があるといわれる物質が分泌されます。甘いものを食べた人の脳波を測定すると、リラックスした状態であることが証明されています。

食べることでインスリンの刺激を受けて、脂肪細胞からレプチンというホルモンが分泌されます。レプチンには視床下部にある満腹中枢に作用して食欲を抑制する働きがあります。また交感神経を活性化して脂肪を燃やし、エネルギー消費を促す働きがあります。しかしレプチン濃度が高くなりすぎると、甘味感受性が低下するといわれています。つまり、脂肪細胞が多いとレプチンが分泌過剰となり、甘味が感じにくくなる可能性があるということです。

うま味と健康の関係

食前にうま味成分のひとつであるグルタミン酸ナトリウムを添加したスープを飲むと、食欲が抑制されて食事量を減らすことができたという実験結果があるそうです。脳波を測定しながらビュッフェ形式の食事を摂る実験では、うま味に富むスープを摂取した後では、自己抑制に関連のある脳の領域に活性化がみられたといいます。また、うま味によって胃酸の分泌が促進されることや、脂肪の蓄積を抑制する可能性についても研究が進められています。

塩味と健康の関係

塩というと、高血圧などの生活習慣病の原因といわれ減塩が重要視されがちですが、人に体にとって必要不可欠なものでもあります。

塩は体内では血液や消化液、リンパ液などの中にイオンの状態で溶けていて、カリウムとのバランスを保って細胞内外の浸透圧を調整しています。また、脳が体の各器官に送る電気信号を伝えるのに、ナトリウムイオンは欠かせません。熱中症は、急激に大量の汗をかいたときに水分と同時に体内の塩分が失われることでおこります。塩は、摂り過ぎると病気の原因となりますが、適量の塩は体にとって不可欠なものです。

酸味と健康の関係

酸味には食欲増進や疲労を和らげる効果があるといわれます。また近年の研究では、酢やレモンなどを長期的に摂ることで、血圧を下げる効果があることがわかり始めています。その仕組みは酢酸の代謝によってできたアデノシンという物質が、血管壁の受容体へ結合することで血管が拡張するためです。

また酸味を上手に利用することで、塩の使い過ぎを防ぐことができます。

苦みと健康の関係

苦みはもともと毒の味として認識されるため、苦みを感じたら、本能的に吐き出すことで危機回避をすると考えられています。子どもは特に苦みには敏感なので、ゴーヤやピーマンなどの苦みのある野菜を嫌う傾向があります。成長の過程で食経験が増えることで「大人の味」として食生活を豊かにする味覚といえます。

苦みの成分は、ストレス解消に役立つといわれます。ストレスを強く感じているとき、だ液中にはある種のたんぱく質が増え、口腔内の苦味受容体が塞がれることで、一時的に苦味を感じにくくなることがわかっています。コーヒーや紅茶などに含まれるカフェインは中枢神経系に作用して、疲労感を和らげ、気分を高揚させる働きがあります。また、ビールのイソフムロンは自律神経のバランスを整えてリラックスさせる効果があるといわれます。どちらも摂りすぎには注意が必要ですが、適量を摂ることで気分転換に役立ちます。

辛味と健康の関係

辛味は基本味とは違って、痛みや温度と同じ受容体で感じ取っている味です。辛味にはカーッと熱く感じる不揮発性の辛みと、鼻の奥にツーンとくる揮発性の辛みがあります。不揮発性の辛みの特徴は熱に強く、辛味が持続します。揮発性の辛みの特徴は熱に弱く、比較的早く辛味が消失します。

辛味の成分には発汗作用や食欲増進の効果の他に、抗菌作用など衛生面の効果もあります。唐辛子の辛み成分であるカプサイシンには、体脂肪を燃焼する効果があるといわれます。わさびには抗がん作用や抗ピロリ菌作用なども期待されているようです。

渋味と健康の関係

渋味は渋柿や緑茶、ワインなどに含まれます。渋味も辛みと同様に味覚神経で感じ取る味覚ではなく、口腔内の粘膜が収れんすることで感じる味覚です。渋味の成分の多く、はポリフェノールであるタンニンです。渋柿に含まれるカキタンニン、緑茶に含まれるカテキンなどがあります。これらには抗酸化作用、抗がん作用などが期待されています。血中コレステロールの低下や脂肪を分解して肥満の予防などにも効果があるといわれます。緑茶に含まれるカテキンはその健康効果が特定保健用食品として認められています。

まとめ

味覚について解明が進んだことで、味覚を数値化して示す「味覚センサー」も開発されています。個人差の大きい味覚について客観的に判断が可能となり、今後の味覚研究にも役立つことが期待されます。

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