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HOME > コラム一覧 > 介護食について『高齢者が気をつけたい低栄養』 / 更新日:2019年4月10日
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介護食について『高齢者が気をつけたい低栄養』

介護食について『高齢者が気をつけたい低栄養』

「飽食」時代と呼ばれる現代において、低栄養は見逃されがちな問題です。

平均寿命が延伸し、2025年には団塊の世代が後期高齢者(75歳に達する)となる我が国では、高齢者の低栄養が今後の大きな課題になると考えられています。そのため、低栄養についての知識を学び、各自が対策をしていくことが必要となっています。

低栄養とは?

低栄養は、その字の通り「栄養素が十分に摂れていない状態」を指します。年をとると、胃や腸といった消化管の消化機能が低下してくるため、食べられる量が減少してきます。

また、消化管での吸収機能も落ちてくるため、摂取した栄養素が吸収されにくくなります。

その結果、少量の食事のうち、さらに少量の栄養素しか吸収されないため、低栄養に陥りやすくなります。様々な栄養素が不足してしまう状況が低栄養ですが、高齢者で1番恐ろしいのが「エネルギー・たんぱく質の不足」です。

低栄養の危険性

低栄養の危険性
低栄養状態になると、心身虚弱状態となります。身体的には、たんぱく質不足によって骨格筋量(いわゆる筋肉)が減少してしまうため、足を持ち上げることができなくなり、歩く際は足を引きずるようになってきます。

そのうち、転倒して足を骨折し入院した結果、さらに骨格筋量は減り、退院する頃には歩けない状態となってしまうのです。この時に、エネルギー不足も重なっていると、生命維持に必要なエネルギーを筋肉から分解して作るので、さらに骨格筋量は減少します。

骨格筋量の減少以外にも、

・感染症の治癒が遅い
・下半身がむくみやすい
・肌が乾燥し出血しやすくなる

といった身体変化も低栄養に陥るとみられます。

また、体が思うように動かなくなってくることで気力も湧かなくなり、社会的な交流が減り、閉鎖的になってきます。

すると、認知症の発症やうつ病の発症を引き起こす可能性が高くなります。

このように、高齢者が低栄養状態となると様々なリスクが発生し、介護が必要な状態に陥ってしまう可能性が高まります。そのため、介護を必要としない元気な高齢者になるためには、低栄養状態に陥らない食生活の獲得が必須となります。

低栄養の判断基準

低栄養の判断基準として使用される指標は多岐にわたります。ここでは、低栄養の判断基準によく使用されるBMIと体重減少率についての説明と、高齢者の栄養スクリーニングツールとして開発されたMNAの紹介をします。

BMIが21.5㎏/m2だと低栄養に陥る可能性は低い

BMIとは、〔体重(㎏)〕÷〔身長(m)2〕で算出される体格指数です。このBMIが18.5未満となると低栄養だと判断されます。低栄養の予防を目的に、食事摂取基準(2015年版)では、70歳以上が目標とするBMIの値として「21.5~24.9」という数値が明示されました。

18~49歳の目標BMIが「18.4~24.9」であることと比較すると、下限値が高めに設定されています。

仮に、70代で160㎝の人だとBMI21.5~24.9は55~63㎏、170㎝の人だと62㎏~72㎏を目標体重とすることになります。

つまり、低栄養予防のためには体重を減少させないことが重要だということです。

ここで、1つデータをご紹介します。厚生労働省が実施している平成29年国民健康・栄養調査では、低栄養傾向と考えられるBMI≦20(㎏/m2)以下の者の割合が調査され、以下のように明示されました。

低栄養の判断基準

BMIを基準に低栄養傾向の者の割合を算出した時に、75歳以上の男性の約13%、女性の約20%が該当するという結果です。

つまり、後期高齢者の5人に1人は低栄養になる可能性があるということです。

体重減少が大きいと、筋肉が減っている可能性がある

BMIのほかに、低栄養の指標として使われるのが体重減少率です。BMIの値が目標値内であっても、体重減少率が大きいと将来、低栄養に陥る可能性が高くなるからです。

基準としては1か月で3%以上の体重減少があると、低栄養に陥る可能性が高いとされています。高齢者の体重が減る原因の1つは、エネルギー不足です。

高齢になると身体的要因(食欲が湧かないなど)や環境要因(買い物が困難など)によって、定期的に一定量の食事を食べることが難しくなります。

結果として、その影響が体重減少に繋がります。エネルギー不足も十分に恐ろしいのですが、さらに恐ろしいのがたんぱく質不足です。たんぱく質不足の状態で体重が減少した場合、骨格筋量(筋肉)が減少していると考えられるためです。

たんぱく質は体内で筋肉になる以外にも、免疫系や伝達物質などにも変化し、様々な役割を担っています。そのため、たんぱく質が食事から摂れなかった場合、筋肉を分解してより重要な器官へたんぱく質を補うようになります。

そして、骨格筋量が減った分、体重が減少してしまいます。

高齢者のために作られた栄養スクリーニングツール MNA

MNAは高齢者の栄養状態を、6つの項目をチェックするだけで判断できるツールです。

項目にはそれぞれ点数が割り振られ、合計点が低いと低栄養状態と判断されます。

必要となるチェック項目は、下記のとおりです。

「食事量減少の有無」
「体重減少の有無」
「自力歩行の可否」
「精神的ストレス・急性疾患の有無」
「神経・精神的問題の有無」
「BMIまたはふくらはぎの周囲長」

BMIと体重減少率以外にも、高齢者が低栄養を引き起こすきっかけになりうる精神的ストレス(人間関係の変化や環境の変化などから引き起こされるストレス)や精神的問題(認知症やうつ病など)についても評価されることがMNAの特徴です。

そのため、高齢者の栄養状態を総合的に捉えることができ、多角的なアプローチを可能とします。
簡易栄養状態評価表
(参考:簡易栄養状態評価表
https://www.mna-elderly.com/forms/MNA_japanese.pdf#search=’mna’)

低栄養予防のための食事

日本人の食事摂取基準(2015年版)では75歳以上の男性に必要なエネルギー量を1,850kcal、摂ってほしいたんぱく質の量を60gと定めています。

同様に女性はエネルギー量を1,500kcal、たんぱく質を50gとしています。(エネルギーに関しては、座位が中心でほとんど運動していない場合を想定しているため、運動を行う場合はさらに増えます。)

先述したように、加齢により食べられる量が限られてくるなど、食事に対して制限がかかってきます。ここでは、高齢者の低栄養予防のための食事のポイントをご紹介します。

ポイント① 主食はしっかりと食べる

エネルギーをしっかりとるためには、主食(ご飯、麺、パン)を食べることが1番です。例えば、コンビニで塩むすびを買ったとします。大きさにもよりますが、塩むすび1個で約150~200kcal摂ることができます。

これを1食1個、1日で3個食べたとすると、それだけで約450~600kcalもエネルギーを摂ることができ、男性だと約1/3のエネルギーは主食のみで摂れたことになります。

ポイント② 1日3食にこだわらない

1回に食べる量が少ない場合、1日3食だけでは必要量を食べきることができません。

そのようなときは間食をうまく使いましょう。バランスの整った食事を朝、昼、夕の3食で食べ、10時、15時に間食をするのがおすすめです。

ここで、注意しなくてはいけないのが間食に食べるものの選び方です。あくまで、3食で賄えなかった栄養素を補給する目的なので、菓子類は控えましょう。噛む力に問題がなければ、ナッツやチーズを選ぶのがおすすめですどちらも少量で高カロリーな食材です。

ナッツからは良質な脂(摂取しても悪玉コレステロールになりにくいオメガ3系の脂)、チーズからはたんぱく質もとることができるので、エネルギー量をアップさせる以外のメリットもあります。

また、少量食べるだけでいいので、満腹感も少なく、3食が食べられないという状況を防ぎます。

ポイント③ 肉と魚の両方を食べる

75歳以上の男性で60g、女性で50gのたんぱく質を摂ることが、日本人の食事摂取基準(2015年版)で明示されています。このたんぱく質を満たすためには、やはり肉や魚といった動物性食品を食べなくてはなりません。

高齢になると、硬い肉は敬遠されがちですが、たんぱく質を摂るのに肉は最適な食材です。

なぜなら、たんぱく質10gを摂るためには、魚では1切れ(小さいもの、60g)を食べなくてはいけないのに対し、薄切りの豚肉だったら2枚、薄切りの牛肉であれば1枚半食べるだけで同量のたんぱく質を摂れるからです。

また、魚もたんぱく質量は肉に見劣りしますが、青魚の場合だと良質な脂(オメガ6系)が豊富に含まれているため、少量で高カロリーというメリットがあります。

魚には旬があるので、その旬を感じられるように食事を組み立てれば、高齢者の食欲増進のきっかけにもできます。そのため、肉と魚の両方をバランスよく交互に食べることが高齢者の低栄養予防の大きな助けになります。

ポイント④ 調理方法を工夫する(油を使う)

食べる量が少ない場合、油を使って摂取エネルギー量を増やします。油は1gあたり9kcalと、とても高カロリーです。そのため、同じ食材でも炒めたり、揚げたりといった油を大量に使用する調理法で調理すると大幅にカロリーがアップします。

また、油を風味付けとして利用し、摂れるエネルギー量をアップさせる方法もあります。

例えば、煮物の仕上げにごま油を少量かける、サラダにオリーブオイルをかけるといったような形です。こうすることで、調理方法を限定せずに油を効率的に摂ることができるようになります。

他にも、油が多く含まれているマヨネーズを使用した料理(エビマヨや魚のマヨネーズ焼き)も簡単にエネルギー量をアップさせられるので、おすすめです。

ポイント⑤ 栄養補助食品を使う

どうしても食べる量が増えない、なかなか体重が増えない、というような状況になった場合は栄養補助食品を使います。栄養補助商品はドラッグストアで販売されています。

栄養補助食品には様々なタイプが用意されており、大きく「液体タイプ」、「ゼリータイプ」、「粉末タイプ」があります。

水分摂取も兼ねて栄養補助食品を使用したい場合は液体タイプ、誤嚥(むせ)が心配な場合はゼリータイプ、料理や飲み物に混ぜて使用したい場合は粉末タイプ、といったように目的別で選べます。

また、栄養補助食品によっては、鉄やビタミンも付加されているので、不足しがちな栄養素があれば選んでみるのもおすすめです。

食事を楽しむ環境づくり(まとめ)

低栄養の危険性、低栄養予防の食事について紹介してきましたが、低栄養の予防にはまず、食事を楽しむ環境作りが重要です。高齢者の「孤食(一人で食事を食べること)」によって、高齢者自身がどのような食事を食べているのか把握しづらくなっています。

低栄養を予防するためには、食事に気をつけることももちろんですが、大勢で食事を食べる楽しみを持ち続けることも重要です。

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