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高齢者のうつ病について、原因と特徴

作成日:2019年11月10日

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高齢者のうつ病について、原因と特徴

現代のストレスが多い社会において、うつ病の患者数は増加の傾向にあるといわれています。厚生労働省の調査では、60~70代のうつ病患者数は30~40代と比較すると少ないのですが、高齢者の増加に伴って相対的に増えていくことも予想されます。若年層とは異なる特徴がある老人性うつ病について知っておきましょう。

老人性うつ病とは?原因や診断について

正式な病名ではなく、65歳以上の人がかかるうつ病を指して「老人性うつ病」と呼びます。基本的には、年代が異なってもうつ病の本質に違いはありません。

脳内の神経伝達物質の変化

脳の神経伝達物質であるセロトニン、ノルアドレナリン、ドパミンはうつ病の症状に深く関与しています。セロトニンは緊張感や焦燥感、ノルアドレナリンは意欲低下や興味の消失、ドパミンは楽しみの喪失に関与していて、うつ病の人ではこれらの神経伝達物質が低下しています。これらの神経伝達物質のバランスはうつ病ではなくても、加齢とともに変化すると考えられています。

診断が難しい

高齢者では他の身体疾患を合併していることがとても多いため、倦怠感、頭痛などの症状で受診をしても、身体疾患の症状かうつ病の症状かを判断することは専門医でも困難なことがあります。

また食欲不振や認知機能低下などの症状も、持病の処方薬の副作用という可能性もあります。せっかく早期に受診しても、医師が診断に必要な情報が不十分だと正確な診断につながらない可能性もあります。受診のときには日常の様子や疾患・服薬などの状況など、できるだけ多くの情報をもって受診することが望ましいといえます。

老人性うつ病の原因について

高齢者がうつ病を発症する原因は、30~40代のうつ病の原因のように仕事の過剰なストレスなどというよりも、定年退職や子供の独立などといった身の回りの環境の変化や、パートナーとの死別、自分の病気などによる心理的な要因によって発症することが多いといわれています。

<老人性うつ病の発症原因>

環境的要因心理的要因
・定年退職
・仕事や趣味など、やることがない
・子供の独立
・引っ越しなどによる生活環境の変化
・家族や友人が近くにいない   など
・パートナーや身内、友人の死去
・ペットの死去
・自分の病気や、病気の後遺症
・パートナーとの関係悪化
・友人や親せきとの関係悪化   など”

老人性うつ病の症状と特徴

老人性うつ病の症状の中には認知症の症状と似ているものもあり、見分けがつきにくいことがあります。また、うつ病と認知症の両方が合併していることもあります。老人性うつ病と認知症のどちらにもみられる特徴的な症状として「身体的な不調」「妄想」「不安感・緊張」があります。

身体的不調

頭痛、肩こり、めまい、耳鳴り、吐き気などの症状を訴えることがあります。加齢に伴う症状だと思い込んでしまったり、医療機関を受診しても原因が特定できずにうつ病の治療開始が遅れることがあります。

妄想

妄想とは現実にはないことを現実と思い込んでしまうことです。妄想の内容によって呼び方があります。

・心気妄想:自分がとても重い病気にかかっている、もう治らないと思い込む妄想。

・罪業妄想:自分が罪を犯した、警察に捕まると思い込む妄想。

・貧困妄想:お金がないと思い込む妄想。

妄想の症状は認知症でもあらわれることがあります。認知症であらわれやすい妄想としては次のようなものがあります。

・物盗られ妄想:お金や貴重品など、自分の物を盗られたと思い込む妄想です。家族やヘルパーなど身近な人を疑うことがあります。

・見捨てられ妄想:自分がパートナーや子供など、家族や周囲の人たちから「嫌われている」「邪魔にされている」と思い込む妄想です。

・嫉妬妄想:自分のパートナーが浮気している、他の異性と会っている、などと思い込む妄想です。

不安・緊張・焦り

不安感、緊張感、焦燥感などに襲われることがあります。そのため、元気がなくなってふさぎ込むようになったり、反対にそわそわと落ち着きがなくなったりすることがあります。

老人性うつ病の予防と治療

老人性うつ病は誰でもかかる可能性がありますが、予防や適切な治療によって回復が可能な病気です。治療を始めると病気の初期段階から回復期、維持期と、段階的に徐々に回復していきます。

原因となり得るエピソードに注意する

高齢者のうつ病の発症要因は、生活環境の変化が大きく影響することがあります。老人性うつ病の予防にのためには、子供の独立や定年退職など毎日の生活に大きな変化があっても、新しいことにチャレンジしたり、趣味を深めたり、ボランティア活動に参加するなど、積極的に何かに興味を持ち、社会とかかわるようにしましょう。もともとそういったことが苦手な人の場合は、周囲の人が積極的にかかわりを持つように配慮しましょう。

栄養バランスの良い食事

規則正しい生活や栄養バランスの良い食事も老人性うつ病の予防には大切です。特に、高齢者だけで生活をしている場合や一人暮らしの場合は、バランスの良い食事を用意することが難しくなり、おにぎりだけ、パンだけなど炭水化物に偏った食事になることがあります。自分で食事を整えることが困難な場合は、配食サービスなどを使用する方法もあります。肉や魚、乳製品や卵、野菜などをバランスよく摂ることは、心身の健康を維持するためにとても重要です。

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適度な運動

うつ病と関係が深い神経伝達物質のセロトニンは、太陽光を浴びたり、運動をすることで分泌が促されるといわれます。散歩など無理のない、適度な運動を習慣にすることは、うつ病だけではなくさまざまな疾患の予防に効果的です。

薬物療法

基本は抗うつ剤の使用です。高齢者の場合は他の身体疾患の治療のために、複数の薬を服用していることが珍しくありません。抗うつ剤の中には血圧に影響を与えたり、尿が出にくくなるなどの副作用があるものもあります。また身体状況や服薬状況によっては併用できない薬もあるため、持病や他の医療機関で処方されている薬などの情報は、もれなく医師に伝えるようにしましょう。

抗うつ剤の服用とあわせて、うつ病の初期では身体の休養がとても大切です。身体を休ませるためには十分な睡眠が不可欠ですが、高齢者ではもともと睡眠が浅かったり、早朝に目が覚めるといったことが珍しくありません。睡眠の状況についても詳しく医師に伝えましょう。必要に応じて、睡眠障害に対しての薬が処方されることがあります。

うつ病の治療では、医師の指示を守って薬を服用することがとても大切です。抗うつ薬は人によって、効果があらわれるまで時間がかかることがあります。病状に変化がなくても焦ったり、あきらめたりせず、指示通りに飲み続けましょう。時には抗うつ薬が増量されることがありますが、必ずしも病状の悪化とは限らないので医師の指示に従いましょう。

抗うつ薬は服用し始めに、吐き気やめまい、便秘、眠気などの副作用があらわれることがあります。これらの症状は服用を継続することで和らぐことが多いといわれますが、症状が強くて耐え難い場合は、医師や薬剤師に相談しましょう。

回復期の過ごし方

抗うつ剤の効果で症状が和らいでくると、気力が回復し、体調も良いと感じるようになります。少しずつやりたいことを始めてみましょう。ここで大切なのが「やりたい」と思うことを始めることです。「やらなくてはいけない」と義務的に感じることではありません。

また気力も体力も日によって変動します。調子が良いからといってやり過ぎると、疲労によって症状が再燃することもあります。テレビをみる、新聞を読む、散歩に行く、など少しずつ1日の予定を作り、実行しましょう。

病状によって、専門医のカウンセリングを受けることもあります。家族など身近な人とのかかわりも病状に影響を与えることがあるため、本人だけではなく家族も専門医との面談や相談が必要な場合があります。

病状に応じて徐々に社会とのかかわりをもったり、精神的に刺激を与えることも必要となってきます。アートセラピーや音楽療法などが効果的なこともありますし、定期的なデイサービスなどの利用が効果的な場合もあります。

うつ病の高齢者との接し方

老人性うつ病の人は、心身ともにとても疲れていることがあります。状況によっては気分転換に外出に誘ったりすることが効果的な場合もあれば、かえって疲労感を増強してしまう可能性もあります。周囲の人が自分に「気を使ってくれている」と感じることが、大きなストレスとなることもあります。

環境の見直しと調整

うつ病の発症に環境的要因が関与していると判断された場合は、その環境を適切に整えることが必要な場合があります。環境の調整にはそれまでの生活環境をわかっている家族などの協力が欠かせません。一時的に環境を大きく変えるという意味で、入院を勧められる場合もあります。

しかし高齢者の場合は入院によって心身の活動量が著しく低下すると、気力だけではなく筋力の低下もおこり、身体機能にも悪影響が及ぶことがあるため注意が必要です。

病初期の接し方のポイント

励ましたり、気を使いすぎることは逆効果となることがあります。だからといって、孤独を感じないようにすることも大切です。難しいことですが、「何かあればいつでも手伝う」「いつもそばにいる」ということを感じてもらえるように接することが最大のポイントといえます。また接する人の方が不安に巻き込まれたり、周囲の声やうつ病についての情報に惑わされないことも大切です。

回復期の接し方のポイント

うつ病の状態はほとんどの場合、一進一退しながらゆっくりと回復に向かいます。特に回復期には、状態が良いときと悪いときが混在し、本人が焦りを感じるようなこともあります。治るまでに時間がかかることを理解して、症状の変化に一喜一憂せず、焦らずじっくりと接するようにしましょう。

介護や看護をする人のうつ病「介護うつ」

老人性うつ病の人を介護・看護している人にも、うつ病を発症するリスクはあります。介護・看護をしながらも「自分もうつ病になるのではないか」と不安になったり、介護・看護から解放されてから、うつ病を発症するケースもあります。
状況によってはレスパイトケア(介護者の休息)のために、医師の指示によって患者さんの入院や、施設のショートステイ利用などの措置がとられることもあります。

一般社団法人 日本メンタルヘルス研究センターのウェブページです。介護うつについてわかりやすく説明されていますので、ご参考ください。
https://utu-yobo.com/kaigo/kaigo01.html

老人性うつ病と認知症の違い

病気のメカニズムは異なりますが、あらわれる症状が似ているため間違われやすい病気です。早期に適切な治療を受けるためには、症状の経過や本人の訴えを、周囲の人が気にかけておくことも大切です。

似ている症状

老人性うつ病も認知症も、初期にあらわれる症状はよく似ています。食欲がない、よく眠れない、疲れがとれない、何もする気がおきない、などはどちらにもみられる症状です。記憶力や判断力の低下も、認知症だけではなくうつ病でもあらわれることがあります。

異なる症状

どちらにも「不安感」の症状があらわれることがありますが、その不安の原因には大きな違いがあります。

うつ病は、抑うつ感や「死にたい」と思うような悲観的な感情が特徴的です。食欲不振や不眠などの身体的症状を本人が自覚していることで、不安になることもうつ病の特徴といえます。自分が周囲に迷惑をかけているという自責の念や悲観的な思考、自分を卑下するような言動がみられることがあります。

認知症では、自分が忘れてしまっていることや間違っていることを自覚していることは少なく、人から指摘されることで間違いに気づきますが、自覚がないことで不安になります。

うつ病では病気の進行によって不安感は増強していく傾向があり、「死にたい」という感情につながることがありますが、認知症の場合は進行するにしたがって自分の症状には無関心になることが多く、「死にたい」という気持ちにはなりにくいようです。自分を責めるような言動のある老人性うつ病に対して、認知症では人に対して攻撃的になることがあります。

うつ病の特徴についてまとめ

老人性うつ病と認知症は異なる病気であり、治療方法も違います。しかし早期に発見して適切な治療を受けることは、どちらの病気においても大切なことです。老人性うつ病は適切な治療によって改善しますが、本人だけでは治療が難しい病気でもあるので、周囲の人たちの理解と協力が欠かせません。

この記事の作成者:S.M(管理栄養士)
この記事の提供元:シルバーライフ

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