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今や国民病の一つとも言われる「不眠」。高齢者のみならず、睡眠に関する悩みは若い方は10代から始まるということです。年を追うごとにその人口は増え、高齢になると、実に2人に1人が何らかの睡眠に関する悩みを感じているということです。今回はそんな不眠を知り、少しでも和らげる効果のある食材や料理レシピをご紹介します。
目次
睡眠に関する悩み:不眠症とは?
一般的な不眠症のタイプ
高齢者に限らず、不眠症にはさまざまなタイプや原因があります。しっかりと眠ることができないと日常生活にも支障をきたし、高血圧症、集中力の低下、うつ病などの原因のひとつになることもあります。まずは、不眠症のタイプを見てみましょう。
入眠困難
横になってから30分以上眠りにつくことができない。
日本人の不眠症のうち、6割近くがこの入眠困難だといわれています。
途中覚醒
一旦眠りに落ちても、夜中何度か目が覚めてしまう状態。
約2割強がこのタイプだということです。
早朝覚醒
目覚ましをかけている時間よりも早く、短時間で目覚めてしまう状態。
一旦目が覚めると、その後眠ることができず、起きだしてしまいます。
熟眠障害
熟睡することができず、ウトウトしているうちに朝を迎えてしまう状態。
眠ったという感覚があまりないまま朝を迎えてしまい、疲労感が抜けずにいます。
高齢者に多い原因
不眠症は年齢を重ねるごとに増えていく傾向にあります。では、高齢者特有の原因とは何なのでしょう?
持病とストレス
残念ながら、年齢を重ねるごとに増えていく持病。特に頻尿や睡眠時無呼吸症候群、むずむず足症候群や痴呆などが入眠を妨げることがあります。
咀嚼や嚥下ができず、「胃ろう」また、時間のかかる「腸ろう」をされている方はその処置に時間がかかり、睡眠のリズムが乱れやすくなる場合もありますね。
本来、高齢になるとだんだんと睡眠時間は短くなっていくものです。しかし、年相応の睡眠時間と不眠症との境目は難しく、眠れない、とストレスに感じてしまい、本当の不眠症になってしまう方もいらっしゃいます。
生活リズムの変化
定年を迎えるまではバリバリと仕事をこなしてこられた方、また、子どもが独立するまで、お弁当や洗濯物など多くの家事を忙しくこなしてこられた方が引退されたり、天候不順などで外出がままならず、自宅にこもりがちになられたりした場合、運動量が低下して眠れなくなることがあります。
また、日中時間をもてあましてしまい、うとうととして過ごしたために、夜になってからは眠気を感じない場合もありますね。眠れなかった翌日は、そのために日中眠気に襲われて昼寝をしてしまい、再び夜に眠ることができない、というサイクルに陥ってしまうこともあります。
不眠が引き起こす不調
このようにしていわゆる不眠症になってしまうと、心身ともに大きな不調をもたらすことになります。
眠れないことからくるストレスでうつ病になったり、日中ぼーっとして過ごすことが多くなったり、認知症を患っておられる方なら、いわゆる「夕暮れ症候群」を発してしまうこともあります。
睡眠不足によるイライラから、介護する家族に暴言を吐いてしまうこともあるでしょう。また、睡眠不足はインスリンの抵抗性を高めてしまいます。これは糖尿病を発症・悪化させ、肥満の原因にもなりかねません。
不眠症にならないために
規則正しい生活
人間のみならず、昼行性(ちゅうこうせい・昼間活動する性質をもつ生物のこと)の生物は、朝日を浴びて目覚め、夕日を感じて眠気を催すように脳は機能しています。交感神経(日の光で活性化され、活動するスイッチ)と副交感神経(日が落ちるとともにリラックスし、眠りにつくスイッチ)の関係ですね。
さらに、日中の活動、取った食事の消化活動などにより脳や体が疲労を感じ、眠気を催すホルモンが分泌されます。
夜はできるだけ静かな環境で街頭や店の明かりが室内に入らないように工夫し、朝、覚めた後は朝日を浴びるようにすると、生活のリズムが整いやすくなります。
とはいえ、夕暮れ症候群を思わせる症状のある方の場合は、就寝時間直前まで部屋を明るく保つなどして、早い時間に睡魔に襲われないようにしてあげるとよいでしょう。
ストレスを避ける
適度なストレスは健康を保つうえでよい刺激になりますが、夕方になってもストレスが無くならずに落ち着かない状態でおられる場合は、ラベンダーなどの優しい香りのアロマを利用したり、香味野菜やハーブティーなど香りのよいひと皿を用意したりして、リラックスしていただけるとよいですね。リラックスすることで全身の筋肉や血管の緊張を解きほぐし、眠りにつく準備ができるとともに、不要な血圧の上昇を抑えることができます。
また、タッチケアといって、手や背中を優しくなでるようにマッサージしてあげるだけで、数日のうちに落ち着きを取り戻されることもあります。
タッチケアについては、日本タッチケア協会様のサイトで詳しいことが掲載されています。こちらは乳幼児に対しての利点などがメインですが、世代を問わず効果が期待できますので、ご参照ください。
https://touchcare.net/about/
ジャスミンティーのゼリー
香りよいジャスミンティー、その香り成分であるベンゼルアセテートは自律神経の緊張を和らげ、副交感神経の働きを助ける働きがあります。そのため、イライラしたり不安感に襲われたりしているときに利用すると、気持ちが落ち着くと言われています。
また、この香り成分は更年期障害やPMSの緩和にも効果があります。日々介護を担っている方やご家族の体の悩みにもよさそうですね。
コラーゲンも豊富なゼラチンを使って作るゼリーは嚥下しやすく、作り方はとても簡単です。
【材料】 150ccのプリンカップ4つ分 | |
ジャスミンティー | 500cc |
ゼラチン | 8g |
水(ゼラチン用) | 大さじ2 |
砂糖・またはオリゴ糖 | 大さじ1~(甘さはお好みで) |
【作り方】
1、耐熱性の器に水を入れ、ゼラチンをふり入れる。
2、ジャスミンティーは好みで砂糖またはオリゴ糖を加え、味を整える。60℃程度に温めておく。
3、(1)のゼラチンがふやけたら電子レンジに10秒程度ずつかけて溶かす。
4、(2)のジャスミンティーに(3)のゼラチンを加えよく混ぜとかし、プリンカップに入れて冷やし固める。
安眠のために取りたい栄養素
ビタミン、糖質、ミネラルにタンパク質…健やかな体を維持するために栄養バランスを整えることはとても大切です。中でも、質のよい睡眠に欠かせない栄養素が3つあります。
グリシン
タンパク質を形成するアミノ酸の一種。肝臓で老廃物の排泄などの作用をするとともに、神経伝達物質の一つとして働き、運動、呼吸などの身体機能を司っています。
末梢血管の血流をよくし、深部体温を低下させ、よい睡眠に誘います。グリシンを多く取ると眠りのリズムが整いやすくなり、途中覚醒や早朝覚醒が減り、睡眠のリズムが整いやすくなります。
グリシンはうま味成分の一つでもあり、魚介類に多く含まれています。
トリプトファン
セロトニンという神経伝達物質があります。これは感情や気分のコントロールをし、気持ちが安定して睡眠障害を解消する助けになります。太陽の光を浴びたりリズミカルな運動(ウォーキングなど)をしたりすることでも得ることができますが、食事から取ることもできます。
このセロトニンの原料となるのが、トリプトファンという物質です。必須アミノ酸の一つですが、体内では作りだすことができないので、食物から取る必要があります。魚や肉、ナッツ、バナナに多く含まれています。
ギャバ
自律神経の働きをととのえ、精神安定、リラックスに効果的として有名なギャバ(GABA)。心身をリラックスさせる働きに優れ、安眠や高血圧の解消に効果的だということが認められています。
夜勤が多い仕事、緊張を伴う仕事をする方にも進められることもあるギャバは、本来、睡眠中に合成されます。多く含む食品としてチョコレートや玄米、キムチ、納豆などがあります。また、ギャバの体内での合成を補う栄養成分としてビタミンB6があります。
マグロやかつお、とうがらしなどに多く含まれていますので、あわせて摂取するとよいですね。
上記にご紹介した以外にも、下記の食材にそれぞれ多く含まれています。身近な食材ばかりなので、利用しやすいですね。
グリシン | 豚肉 ホタテ貝 いか たら さば |
トリプトファン | にしん かずのこ 卵 大豆製品 かつお節 |
GAVA | しめじ じゃがいも |
魚介とトマトのカレー風味玄米ごはん
ホタテやエビにはグリシンやトリプトファンが含まれています。また、玄米にはたくさんのGAVAを含んでいます。高齢者に消化の悪い玄米?と思われたことと思いますが、今回は主に東北地方で古来より利用されていた炊飯方法、「びっくり炊き」を活用して、高齢者でも食べやすいように柔らかく炊きあげます。
炊飯時、沸騰した玄米に氷を加え、急激に冷まします。その時、熱によって膨らんでいた玄米の外皮が急に冷やされることにより縮まって破裂し、その裂け目から中まで水分が行きわたり、柔らかく食べやすく炊きあがる、というものです。文字どおり、玄米を氷でびっくりさせるのですね。古の人々の知恵には頭が下がるものです。
【材料】 4人分 | |
えび | 8匹 |
ホタテ貝柱 | 4個 |
玄米 | 1.5カップ |
氷 | 150g |
固形ブイヨン | 1個 |
カレー粉 | 小さじ1~ |
(辛さ・好みで加減する) | |
トマト | 中1個 |
ピーマン | 1個 |
パセリ、レモンなど | 適宜 |
【作り方】
1、玄米は洗って炊飯器の目盛りにあわせ、給水しておく。
2、えび、ほたて貝柱は必要に応じて下処理し、好みのサイズに切っておく。
3、(1)の水を150cc減らし、残った玄米と水を鍋に移して固形ブイヨン、カレー粉を入れ、蓋をして中火にかけ、炊飯しはじめる。
4、(3)が沸騰し、3~5分たったら氷を150gと(2)のえび、帆立貝柱を入れ、引き続き炊飯する。
5、ピーマンは芯とワタを取り、トマトと共に一口大に切る。
6、約10分たったら一度確認し、芯まで火が通り、余分な水分が飛んでいたら(5)のピーマンを加え、蓋をして蒸らす。
7、器に盛り、パセリ、レモンなどを添える。
※最新の炊飯器の中には、炊飯中にふたをあけることができないものがあったり、急激な温度変化により誤作動を起こしたりする場合があります。そのため、鍋で炊飯する方法をご紹介しています。
炊飯器を利用する場合は、念のため、お手元の機種の説明書をご確認ください。
※咀嚼・嚥下に不安がある場合※
必要に応じて具材のサイズを変えて切り、炊飯時は氷を加え、すべて溶け切った後でさらに水を適量足し、軟飯~粥にする。
まんべんなく食べることが大切
このように意外に多くの身近な食材に、安眠に誘う成分が含まれていることがわかりましたね。これらの食材は、医薬品ではないので、残念ながら一度食べたからといってすぐに劇的な効果を発揮するわけではありません。
しかし、常日頃から、まんべんなく数多くの食材を少しずつでも口にすることが、多くの栄養素を摂取し、それらを余すことなく吸収・活用するカギとなります。
毎日きっちりと栄養を取るために最適で簡単な手段の一つに配食のふれ愛のお弁当を活用する、という方法があります。
配食のふれ愛のお弁当は、栄養学のプロ、管理栄養士がこだわりを持って選んだ食材を利用し、栄養バランスを考えたメニューも豊富なお弁当です。
季節感あふれるこだわりのメニューのみならず、高齢者の健康状態から選べる普通食、たんぱく調整食、カロリー調整食、また、やわらか食、きざみ食、ムース食や極小の刻み食にとろみをつけたものなど、仕上がりの状態も、多くの選択肢から選べるのが何よりの魅力です。今なら無料試食キャンペーンを実施中です。この機会にぜひお試しくださいね。
不眠解消レシピまとめ
よく耳にする「健康的な睡眠時間」が約7時間として、1週間に49時間、1ヶ月で217時間、1年では実に2,555時間も、私たちは眠っていることになります。
人生の1/3は睡眠に費やしているのですから、睡眠が健康と深くかかわり合っていることもうなずけますね。
規則正しい生活に、可能な範囲での適度な運動、そして、バランスのとれた食生活が、私たちの健康と安眠を司るカギになります。この機会にぜひ一度見直してみてくださいね。
夏の睡眠不足解消が、秋を元気に迎えるためのポイントにもなりますよ。