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吐き気の原因と対処方法 疾患編

作成日:2019年10月16日

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吐き気の原因と対処方法 疾患編

吐き気は胃腸の疾患でよくみられる症状のひとつですが、胃腸以外の病気でも吐き気がおこることがあります。細菌やウイルス感染、薬の副作用として吐き気があらわれることもあります。吐き気の症状で疑われる疾患にはどのようなものがあるでしょうか。

吐き気の原因:急性胃腸炎

胃腸の炎症によって吐き気や腹痛、下痢などの症状を生じる病気の総称です。

感染性胃腸炎

感染性胃腸炎は主にウイルスに感染することで腹痛や下痢、吐き気や嘔吐、発熱などの症状がおきます。「お腹の風邪」といわれるような症状も、その多くはウイルス感染による感染性胃腸炎であることがほとんどです。原因となるウイルスはノロウイルス・ロタウイルス・サポウイルス・アデノウイルスなどで、ロタウイルスやアデノウイルスは乳幼児に多くみられますが、大人でも感染することがあります。

ノロウイルスは食品を介して感染することが多いため、感染性の食中毒として扱われます。

ウイルスが原因の感染性胃腸炎に特効薬はないので、治療は対処療法です。嘔吐や下痢が激しく、食事や水分が十分に摂れないような場合には下痢止めや制吐剤が処方されることもありますが、基本的には体内からウイルスが排出されれば症状は治まります。

吐き気の原因:慢性胃炎

慢性胃炎は、長期に渡って胃に炎症が持続することで胃酸を分泌している腺細胞が萎縮して修復されないことで、慢性的に胃酸の分泌が減少している状態です。空腹時や夜間、食後などに吐き気や胸やけ、胃もたれなどの症状が多くみられます。

以前はアルコールやコーヒー、タバコ、ストレス、加齢などが原因と考えられてきましたが、現在はピロリ菌の長期感染が主な原因であることがわかってきました。

ピロリ菌感染

ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)は胃の粘膜に生息し、慢性胃炎の原因となる細菌です。もともとは土壌にいる細菌で、日本人は感染率が高いといわれます。ピロリ菌はウレアーゼという酵素によってアンモニアを作り出し、胃酸を中和することで強い酸性の胃の中でも生息することができます。このアンモニアと、ピロリ菌自体のサイトトキシンという毒素によって胃粘膜が傷つけられ、慢性胃炎となります。

慢性胃炎が長期間続くと胃液や胃酸を分泌する組織が減少し、胃の粘膜が委縮していく萎縮性胃炎という状態になります。この状態になると胃の消化機能が低下して消化不良をおこしやすくなるため、吐き気や胃もたれ、食欲不振などの症状があらわれるようになります。
胃粘膜の萎縮がさらに進行すると、胃の粘膜が腸の粘膜のように変化する「腸上皮化生」という現象をおこすことがあり、胃がんにつながることがあります。

ピロリ菌に感染しているかどうかは、検査で確認することができます。ピロリ菌に感染している場合は、除菌治療をすることで96~97%のピロリ菌を除去することが可能です。
吐き気や胸やけ、胃もたれなど、慢性的な胃の不快症状がある場合は、医療機関を受診しましょう。

神経性胃炎

吐き気、胸やけ、胃痛、食欲不振などの症状が慢性的にあるにもかかわらず、検査をしても特別な異常が認められない場合、神経性胃炎と呼ばれます。ストレスや性格、心理的な要因が関与していることがあります。

薬物療法では、胃の運動を促進する薬や胃酸の分泌を抑える薬などが処方され、胃潰瘍に準じた治療が行われます。心理的要因が関与していることも多いため、カウンセリングなどの精神心理的なケアも行われます

吐き気の原因:食中毒

食中毒は、食品に起因する胃腸炎や神経障害などの中毒症の総称です。主な症状は吐き気や嘔吐、腹痛や下痢、発熱などですが、症状の強さや発症までの時間は、原因物質によって異なります。

細菌性食中毒

食中毒菌に汚染された食品を食べることで発症します。発症のメカニズムによって「感染型」と「毒素型」に分けられます。

・感染型食中毒:食品中で増殖した原因菌を摂取し、腸管内で感染して発症します。主な原因菌は、サルモネラ菌、腸炎ビブリオ、病原性大腸菌、ウエルシュ菌、エルシニア・エンテロコリチカ、カンピロバクター・ジュジュニコリなどです。

・毒素型食中毒:食品内で原因菌が産生した毒素を摂取することで発症します。主な原因菌は、黄色ブドウ球菌、ボツリヌス菌、セレウス菌などです。

ウイルス性食中毒

ウイルスが付着している食品を食べることで感染し、発症します。現在、ウイルス性食中毒の中で最も多いのがノロウイルスによる食中毒です。ノロウイルスはウイルスが数個体内に入っただけでも発症することがあり、感染力が非常に強いウイルスです。また、ノロウイルスは遺伝子型が変異するため、一度感染しても繰り返し感染・発症します。特効薬やワクチンは存在せず、塩素以外の消毒剤は効かないため、感染を防止するために正しい予防方法を知っておく必要があります。

サラヤのホームページで、ノロウイルス感染症と、その予防方法についてわかりやすく説明されています。ご参考ください。
https://family.saraya.com/kansen/noro/index.html

寄生虫中食中毒

食品に寄生する寄生虫を摂取することで発症します。寄生虫食中毒は、近年増加の傾向があり、特にアニサキスによる食中毒が増加しています。

人に食中毒をおこすのはアニサキスの幼虫で、サバやアジ、サンマ、カツオ、イワシ、イカなどさまざまな魚介類の消化管に寄生しています。アニサキスが寄生している生鮮魚介類を生で食べることでアニサキスの幼虫が胃壁や腸壁に刺入って症状をおこします。予防するには、新鮮な魚を選ぶことや速やかに内臓を取り除くこと、-20℃で24時間以上の冷凍や70℃以上の加熱をすることが有効です。

吐き気の原因:脳卒中

脳卒中は「くも膜下出血」「脳出血」「脳梗塞」に分けられます。いずれも高血圧や糖尿病などの生活習慣病や、飲酒・喫煙などが危険因子です。予防のためには生活習慣の見直し・改善や栄養バランスのとれた食事を摂ることが重要です。

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脳卒中が疑われる症状がおきた場合には、一刻も早く専門医療機関を受診することが必要です。救急車または家族や周囲の人が車を運転して、医療機関へ運びましょう。

くも膜下出血

くも膜下出血は頭蓋骨の内側にあるくも膜下で血管にできた瘤(こぶ)が破れて出血し、脳の圧力が上がって脳全体が圧迫されることで症状が出ます。もともと脳動脈瘤がある人や高血圧や飲酒・喫煙などの生活習慣も影響があるといわれます。

突然おこる激しい頭痛が特徴的な症状ですが多くの場合で吐き気や嘔吐を伴い、意識が朦朧としたり、意識を失うこともあります。くも膜下出血ではこれらの特徴的な症状がおこる数日前に、次のような前兆の症状があることがあります。

血圧の乱れ、急な頭痛、めまい、吐き気、目の異常(二重に見える、目が痛い、まぶたが下がるなど)、頭の違和感(ぼーっとする、もやもやするなど)など、これらの前兆症状はしばらくすると治ってしまいますが、数日後に大きな発作を起こすことがあります。前兆症状のうちに受診ができれば、命にかかわるような深刻な状況を回避できる可能性があります。

脳出血・脳梗塞

脳出血は脳の中の血管が破れて出血がおきた状態をいいます。脳の深い場所でおこる出血は高血圧が原因であり、脳の表面でおこる出血は脳の血管の奇形や脳腫瘍などの、別の原因が隠れていることもあります。

脳梗塞は脳の血管が詰まったり、狭くなっていたりすることで血流が阻害されて脳に十分な酸素と栄養が送られなくなり、脳の組織がダメージを受けた状態です。腕や足、顔に運動麻痺がおきるのが特徴的な症状ですが、重症の場合は言葉が出なくなったり、吐き気や嘔吐、頭痛、意識が朦朧とするなどの症状がおきます。

脳梗塞は、詰まる血管の太さや詰まり方によって、3つの病型があります。
・心原性脳塞栓症:心臓の中に血栓ができて、それがはがれて脳の血管に詰まります。心房細動や心筋症、心臓弁膜症など心臓の病気が主な原因で、脳梗塞の中では最も重篤といわれています。

・アテローム血栓性脳梗塞:頸や脳など、太い血管の動脈硬化によって血管が閉塞します。高血圧、糖尿病、脂質異常症、喫煙などが原因といわれます。

・ラクナ梗塞:脳内の細い動脈が変性して閉塞します。脳の深い部分に小さい脳梗塞ができ、症状が出ない場合もありますが、運動神経が通っているところにおこると重症な麻痺が出ることもあります。最も大きい原因は高血圧といわれています。

吐き気の原因:薬の副作用

薬には効果と同時に、必ずといってよいほど副作用のリスクが存在します。吐き気が副作用としてあらわれることは比較的多く、日常生活に大きな支障はない程度の吐き気から、耐えがたい強い吐き気のこともあります。抗がん剤の副作用としての激しい吐き気は、一般的にも知られています。

抗がん剤の副作用

抗がん剤の治療に伴う症状でよく知られているのが、吐き気や嘔吐です。抗がん剤によって脳の嘔吐中枢が刺激されるため、吐き気や嘔吐を生じます。抗がん剤によって生じる吐き気や嘔吐は、抗がん剤投与後から発症までの時間によって3つに分けて考えられます。

急性の吐き気・嘔吐抗がん剤投与後、24時間以内におこるもの。多くは5~6時間後に最も激しくなり、24時間以内にいったん治まる。
持続性、遅発性の吐き気・嘔吐抗がん剤投与後24時間以上経ってからおこり、2~7日間継続する。
予期性(心因性)の吐き気・嘔吐以前に抗がん剤治療を受けて強い吐き気や嘔吐を経験した場合に、再度抗がん剤治療を開始する際、以前の症状を思い出して誘引される。

現在は、抗がん剤による吐き気・嘔吐などの症状を和らげる制吐剤の開発も進んでいます。制吐剤は症状によって、適切な制吐剤と適切なタイミングでの使用が重要なため、医師の指示に従いましょう。

予期性(心因性)の吐き気や嘔吐を予防するために、急性の吐き気・嘔吐をコントロールすることも大切です。

吐き気・嘔吐がある場合は、無理に食べようとする必要はありません。食べられるときに、食べられるものを摂りましょう。脱水予防のために、水分は少しずつこまめに摂ることを心がけましょう。

吐き気の原因:その他の疾患

その他にも吐き気を伴う疾患はさまざまあります。

逆流性食道炎

逆流性食道炎は胃液や胃の内容物が食道へ逆流してくる病気で、主に食後に胸やけや酸っぱい味や苦い味のものがこみ上げてくるような吐き気を感じることがあります。胃液は強い酸性のため、逆流してくると食道の粘膜を傷め、潰瘍ができることもあります。

逆流性食道炎の原因のひとつには、食道と胃の境目である下部食道括約筋の筋力低下があります。下部食道括約筋は胃酸の逆流を防ぐ働きがありますが、この筋肉が加齢などによって弱くなると、胃の内容物が食道に戻ってしまいます。そのためこれまでは高齢者の病気と考えられていましたが、現在は若い人にも増えているようです。

イレウス(腸閉塞)

イレウス(腸閉塞)は、異物や炎症、腫瘍などによって腸管が塞がれたり、開腹手術などで腸管が麻痺して腸の蠕動運動が障害された状態をいいます。イレウスになると、閉塞部位で腸の内容物がたまってしまうため、便やガスが腸内に充満して腹痛や吐き気、嘔吐などの症状がおきます。

便秘

便秘が長期化したときに、吐き気はよくおこる症状のひとつです。吐き気がおきる原因は、大腸内に便がたまることで生じた多量のガスによって、胃が圧迫されることなどがあげられます。便が排泄されれば吐き気は治まりますが、頑固な慢性化した便秘の場合は、医療機関の受診をおすすめします。

便秘の薬には経口薬、坐薬、浣腸などがあります。薬の種類もその効き方によって、便を軟らかくする働きのある薬(酸化マグネシウム)、腸を刺激して蠕動運動を促進する薬(センナなど)、腸液の分泌を促進して便を軟らかくする薬などがあり、症状に応じて使い分けたり、組み合わせて処方されます。

虫垂炎(盲腸炎)

虫垂は盲腸から突出した5~7㎝ほどの管腔で、退化した臓器です。この虫垂に炎症がおきると虫垂炎と呼びますが、虫垂は切除しても問題はないと考えられています。

腹痛と発熱、吐き気、嘔吐などが主な症状ですが、症状が非常に強い場合には、炎症が虫垂壁を超えて周囲にも及んでいることがあり、緊急に手術が必要な場合もあります。吐き気や嘔吐の症状は虫垂炎による周囲への刺激でおこるので、一定以上の強い炎症がおきていると考えられます。

糖尿病性ケトアシドーシス

糖尿病の急性合併症としておこる可能性のある症状です。血糖値を下げる働きのインスリンが不足し、血糖をエネルギー源として利用できない状況の時、体は脂肪をエネルギー源として分解します。脂肪の分解によってケトン体という物質が血液中に増えて、血液が酸性に傾くことで高度の脱水状態になります。急激な口渇感や腹痛、吐き気などの症状があらわれた場合は注意が必要です。

吐き気の原因と予防まとめ

強い吐き気を伴う疾患の中には、命にかかわるような疾患も含まれています。また慢性的に続くような吐き気の場合にも、重大な疾患が隠れていることもあります。どちらの場合も、早期に適切な対処ができるように、吐き気の症状を伴う疾患について知っておきましょう。

この記事の作成者:S.M(管理栄養士)
この記事の提供元:シルバーライフ

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